どんな薬?――人に幸運をもたらす薬
- フェリックス・フェリシスは「幸運の液体」とも呼ばれる。
- 飲むと薬の効果が切れるまで、すべての企てが成功する。
- その性質から、組織的な競技や競争事(例:スポーツ競技、試験、選挙)では禁止されている。
- ハリー、ホグワーツ6年目の最初の魔法薬の授業で、スラグホーンから手に入れた褒美の薬。
- ハリーはもらったフェリックス・フェリシスを、スラグホーンの真の記憶を手に入れるために使った。
- フェリックス・フェリシスと反対の効果をもたらすものとして知られているのは、魔法動物のマックルド・マラクロー。
基本情報まとめ
表記
- 日本語
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- フェリックス・フェリシス
- 幸運の液体
- 英語
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- Felix Felicis
- Liquid Luck
性質
- 効果
- 飲んだ者に幸運をもたらし、すべての企てが成功する。
副作用
- 飲み過ぎは有頂天、無謀さ、危険な自己過信を引き起こす。
- 大量摂取は毒性が高い。
- 調合を間違えると、惨憺たる結果になる。
- 外見
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- 金を溶かしたような色
- 表面から楽しげにしぶきが跳ねるが、鍋から一滴もこぼれない
- 調合期間
- 6ヶ月
- レベル
- 上級
外見
中の魔法薬が、楽しげにピチャピチャ跳ねている。金を溶かしたような色で、表面から金魚が飛び上がるようにしぶきが撥ねているのに、一滴もこぼれてはいなかった。『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第9章
フェリックス・フェリシスは金を液体にしたような色をしている。大鍋の中では表面が金魚が飛び上がるようにピチャピチャ跳ねるものの、一滴もこぼれないという。
効果
やがて、無限大の可能性が広がるようなうきうきした気分が、ゆっくりと、しかし体中に染み渡った。何でもできそうな気がした。どんなことだって……そして、突然、スラグホーンから記憶を取り出すことが可能に思えた。そればかりか、たやすいことだと……。『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第22章
フェリックス・フェリシスは飲んだ者に幸運をもたらす。飲むとうきうきした気分になり、自信に満ち溢れ、どんなことでも可能だと思うようになる。
一見、目的達成には程遠いようなことをしたくなることもあるが、「幸運の液体」には何を行いたいかがわかっており、確かに目的達成へと導いてくれる。
効果の限界
「幸運には幸運の限界があるわ、ハリー。スラグホーンの場合は状況が違うの。あなたにははじめからスラグホーンを説得する能力があったのよ。あなたは、状況をちょっとつねってやる必要があっただけ。でも、強力な魔法を破るには、幸運だけでは足りない。あの薬の残りをむだにしないで!(…)」『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第24章
フェリックス・フェリシスがもたらす幸運には限界がある。ハーマイオニー・グレンジャーが指摘したように、フェリックス・フェリシスは飲んだ者の能力を最大限引き出すことができるが、もともと持っていない能力を生み出すことはできない。
例として、1997年6月の天文台の塔の戦いの際、ロン、ジニー、ハーマイオニーの3人はフェリックス・フェリシスを飲んでいたが、死の呪いをギリギリで交わすことはできても、ペルー産『インスタント煙幕』の暗闇を破ることはできなかった。
語源
“Felix”はラテン語で「運」や「幸せな」の意味。”Felicis”は”Felix”の属格[footnote]John Traupman, The Bantam New College Latin & English Dictionary Third Edition, (Bantam Dell: New York, 2007), 181.[/footnote] “Felix Felicis”で「幸運」や「幸運の幸運」を意味する。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』