ナルシッサ・マルフォイ

ナルシッサ・マルフォイ (Narcissa Malfoy) は、純血の名門ブラック家に生まれ、ルシウス・マルフォイに嫁いだ魔女です。旧姓はブラック。死喰い人ではありませんが、思想は夫と同じくしていました[1]。息子ドラコを守るためにセブルス・スネイプへ『破れぬ誓い』を求め[2]、最後にはヴォルデモートに嘘をついてハリー・ポッターの生存を隠します[3]

ルーモス!

この記事は執筆の途中です。来歴はひととおり反映しましたが、人間関係や年表の節はこれから書き足します。

人物情報

名前: ナルシッサ・マルフォイ(Narcissa Malfoy)
旧姓: ナルシッサ・ブラック(Narcissa Black)[4]
愛称: シシー(姉ベラトリックスの呼び方)[2:1]
生まれ: 1955年[5]
性別: 女性
血統: 純血[4:1]
種: 人間・魔法族

所属

出身校: ホグワーツ魔法魔術学校スリザリン寮[6]
団体: なし。死喰い人ではない[1:1]

家族

来歴

ブラック家の三姉妹

ナルシッサ・ブラックは1955年に生まれました。ブラック家の三姉妹の一人で、父は Cygnus Black、母は Druella Rosier です[5:3]。幼少期の出来事は語られていません。グリモールド・プレイス十二番地のタペストリーでは、彼女の名から金の刺繍がルシウス・マルフォイへ伸び、そこから一本の線がドラコへ下りています[4:5]

姉の一人ベラトリックスはヴォルデモートに最も忠実な死喰い人となり、もう一人の姉アンドロメダはマグル生まれの魔法使いと結婚して家系図から名を焼き消されました[4:6]。名を消されたのはアンドロメダだけで、ベラトリックスとナルシッサは「すばらしい、きちんとした純血結婚をした」ものとしてタペストリーに残っています[4:7]

属していた寮はスリザリンです。彼女の名を挙げた記述はありませんが、当時スリザリンの寮監だったホラス・スラグホーンが、家名でこう語っています[6:1]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第4章「ホラス・スラグホーン」

ブラック家は全員わたしの寮だったが、シリウスはグリフィンドールに決まった。残念だ――能力ある子だったのに。弟のレギュラスが入学して来たときは獲得したが、できれば一揃いほしかった

例外はシリウスだけで、本人も「僕の家族は、全員スリザリンだった」と述べています[9]

マルフォイ家の妻として

ルシウス・マルフォイと結婚した時期は語られていません。分かっているのは、息子ドラコが生まれたこと[4:8]、そして一家がマルフォイの館に暮らしていたことです[8:1]

ドラコがホグワーツへ入学する日、彼女はマダム・マルキンの洋装店に息子を残して杖を見に行っていました。このときハリーは、店で丈合わせをしていたドラコと初めて言葉を交わします[10]。息子の口から語られるだけで、彼女自身は姿を見せません。

夫はドラコをダームストラング専門学校へ入れたがっていましたが、遠すぎるという理由で反対したのも彼女でした[11]

ハリーの前に初めて姿を現すのは、1994年のクィディッチ・ワールドカップの特別観覧席です[12]

死喰い人ではない

夫は死喰い人ですが、ナルシッサ自身は違います。J.K. ローリングは2007年のライブチャットで、彼女が闇の印を持たず正式な一員でもなかったこと、しかし息子の死がヴォルデモートに企まれるまでは思想が夫と同一だったことを述べています[1:2]

ドラコを守るために(1996年)

破れぬ誓い

ヴォルデモートがドラコにダンブルドア殺害を命じたことを知ると、彼女は姉ベラトリックスの制止を振り切ってスピナーズ・エンドのスネイプの家へ向かいました[2:2]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第2章「スピナーズ・エンド」

ナルシッサがフードを脱いだ。蒼白な顔が、暗闇の中で輝くほど白い。長いブロンドの髪が背中に流れる様子が、まるで溺死した人のように見える。

彼女がスネイプに求めたのは、息子を見守り、必要とあらば代わって任務を果たすことでした。姉を「結び手」として『破れぬ誓い』を結ばせています[2:3]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第2章「スピナーズ・エンド」

「セブルス、あなたは、闇の帝王の望みを叶えようとする私の息子、ドラコを見守ってくださいますか?」

ポッターモアによれば、彼女は息子が失敗するよう仕向けられていることを正しく見抜いていました。失敗を許さない主人が、達成不可能に近い任務を与えたのだと理解していたのです[13]

洋装店での警告

同じ年の夏、ダイアゴン横丁のマダム・マルキンの店で、ハリーとロンが杖をドラコに向けたときには一歩も引きませんでした[14]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第6章「ドラコ・マルフォイの回り道」

「私の息子をまた攻撃したりすれば、それがあなたたちの最後の仕業になるようにしてあげますよ」

マルフォイの館(1997年‐1998年)

ヴォルデモートが本拠を置いたのはマルフォイの館でした。晩餐の席で、ヴォルデモートが姪ニンファドーラと人狼の結婚を持ち出して一家を辱めたとき、彼女は身じろぎもせず無表情のまま座っています[8:2]

捕らえられたハリーの一行が館へ連れてこられたときには、正体の確認を取り仕切りました。誤って闇の帝王を呼べば何をされるか分からないと、夫に慎重を促しています[15]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第23章「マルフォイの館」

「この者たちは、ポッターを捕まえたと言っています」ナルシッサの冷たい声が言った。「ドラコ、ここへ来なさい」

ハーマイオニーの正体を見破ったのも彼女でした。マダム・マルキンの店でハリーと一緒にいた娘だ、と気づいたのです[15:1]

森での嘘(1998年5月)

ホグワーツの戦いの最中、禁じられた森に集まったヴォルデモート軍のなかで、彼女は目を落ち窪ませていました[16]

ハリーが森でヴォルデモートの呪いを受けたあと、生死を検分するよう命じられたのが彼女です。ハリーの胸に手を当てた彼女は、心臓が動いていることに気づきました。そして耳元でこう囁きます[3:1]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」

「ドラコは生きていますか? 城にいるのですか?」

ハリーが「ええ」と答えると、彼女は体を起こしました[3:2]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」

「死んでいます!」

理由をハリー自身が理解しています[3:3]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」

ナルシッサは、息子を探すには勝利軍としてホグワーツ城に入るしかないことを知っていたのだ。ナルシッサにとっては、ヴォルデモートが勝とうが負けようが、もはやどうでもよいことだった。

この嘘がなければ、ハリーは死んだことにならないまま城へ運ばれることはありませんでした。城内での最終決戦のあいだ、彼女は夫とともに戦わず、息子の名を叫んで走り回っています[3:4]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」

ルシウス・マルフォイとナルシッサは戦おうともせずに、息子の名を叫びながら、戦闘の中を走り回っていた。

戦後

戦いのあと、夫ルシウスが仲間の死喰い人に不利な証拠を提供し、逃亡した者の捕縛に手を貸したことで、一家は投獄を免れました[13:1]

ドラコはアストリア・グリーングラスと結婚します。夫妻はこの嫁を義理の娘として物足りなく感じていました。「聖28一族」の娘を望んでいたためで、アストリアが孫のスコーピウスをマグル蔑視のもとで育てることを拒んだこともあり、家族の集まりはしばしば緊張をはらんだといいます[13:2]

外見

背が高く、ほっそりとした体つきで、髪はブロンドです。初登場の場面でハリーは、「なんていやな臭いなんでしょう」という表情さえしていなければ美人だったろうと感じています[12:1]

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第8章「クィディッチ・ワールドカップ」

母親もブロンドで、背が高くほっそりしている。「なんていやな臭いなんでしょう」という表情さえしていなかったら、この母親は美人なのにと思わせた。

スピナーズ・エンドを訪れた夜には、蒼白な顔と背に流れる長い髪が「溺死した人のよう」だったと描かれました[2:4]

性格・人物像

冷ややかで、誇り高く、他人を寄せつけません。息子に杖を向けられたときの返答も[14:1]、館での指示も[15:2]、一貫して「冷たい声」と描写されます。

その一方で、息子への愛情だけは別の水準にあります。ヴォルデモートに逆らってスネイプへ誓いを求め、姉に杖を突きつけられても引かず、最後には闇の帝王に面と向かって嘘をつきました。J.K. ローリングは、マルフォイ家には救いがあるとして、互いを愛していることを挙げています[13:3]

なお、クリーチャーがブラック家のなかで最後まで敬意を残していたのは彼女でした。屋敷を追い出されたと解した屋敷しもべ妖精が、情報を持って向かった先がナルシッサです[7:2]

名前

ナルシッサ(Narcissa)は、ギリシャ神話の美青年ナルキッソスに通じる名です。ブラック家には子どもに星や星座の名を付ける習わしがあり、ベラトリックス、シリウス、レギュラスがその流儀にあたりますが[4:9][17]、この名はその系列にありません。由来について作者が語ったことはありません。

登場・言及箇所

脚注


  1. J.K. ローリングのライブチャット(2007年7月30日) ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第2章「スピナーズ・エンド」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第6章「高貴なる由緒正しきブラック家」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  5. J.K. ローリング自筆「ブラック家の家系図」(2006年、Book Aid International チャリティオークション出品) ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  6. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第4章「ホラス・スラグホーン」 ↩︎ ↩︎

  7. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第37章「失われた予言」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  8. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第1章「闇の帝王動く」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  9. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章「プリンスの物語」 ↩︎

  10. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第5章「ダイアゴン横丁」 ↩︎

  11. 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第11章「ホグワーツ特急に乗って」 ↩︎

  12. 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第8章「クィディッチ・ワールドカップ」 ↩︎ ↩︎

  13. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「ドラコ・マルフォイ」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  14. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第6章「ドラコ・マルフォイの回り道」 ↩︎ ↩︎

  15. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第23章「マルフォイの館」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  16. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第34章「再び森へ」 ↩︎

  17. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「命名予見者」 ↩︎