ニンファドーラ・トンクス

ニンファドーラ・トンクス (Nymphadora Tonks) は、生まれつき外見を自在に変えられる七変化の魔女です[1]。魔法省の闇祓いとして働きながら不死鳥の騎士団に加わり、ハリー・ポッターの護衛を幾度も務めました[1:1]リーマス・ルーピンと結婚して息子テディをもうけましたが、ホグワーツの戦いで夫とともに戦死しています[2][3][4]。自分の名を嫌い、姓の「トンクス」でだけ呼ばれることを望みました[1:2]

ルーモス!

この記事は執筆の途中です。原作7冊の来歴はひととおり反映しましたが、人間関係や魔法の能力といった節はこれから書き足します。

人物情報

名前: ニンファドーラ・トンクス(Nymphadora Tonks)
呼び名: トンクス(本人が望む呼び方)[1:3]、ドーラ(家族の呼び方)[5]
生まれ: 語られていない
死亡: ホグワーツの戦い(1998年)。ベラトリックス・レストレンジに殺された[4:1][6]
性別: 女性
血統: 混血。父はマグル生まれの魔法使い、母は純血の魔女[1:4][7]
種: 人間・魔法族

魔法特性

守護霊: 狼。もとはジャックウサギで、リーマス・ルーピンへの恋によって姿が変わった[8]
その他の能力: 七変化(生まれつき)[1:5]

所属

出身校: ホグワーツ魔法魔術学校ハッフルパフ寮[9]
団体: 不死鳥の騎士団(第二次)[10]
職業: 闇祓い(魔法省)[1:6]

家族

来歴

生い立ち

生年も、幼少期の出来事も語られていません。分かっているのは家族の構成です。父はマグル生まれの魔法使いテッド・トンクス、母は純血の名門ブラック家に生まれたアンドロメダで、母はこの結婚を理由に一族の家系図から名を焼き消されました[7:6]。ニンファドーラ自身もその家系図には載っていません[7:7]

ハリーと初めて会ったとき、彼女は父の出自を自分から話題にしています[1:7]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第3章「先発護衛隊」

「わたしのパパはマグル生まれだけど、とってもだらしないやつで。魔法使いもおんなじだけど、人によるのよね?」

「ニンファドーラ」という名を付けたのは母でした。本人の評価は手厳しいものです[1:8]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第3章「先発護衛隊」

「母親が『かわいい水の精ニンファドーラ』なんてバカげた名前をつけたら、あなただってそう思うわよ」トンクスがブツブツ言った。

ホグワーツ時代

属していた寮はハッフルパフです。原作本文には書かれておらず、J.K. ローリングが旧公式サイトの F.A.Q. で答えたものです[9:1]。のちに息子のテディも同じ寮に入りました[12]

在学中の出来事は、ほとんど語られていません。分かっているのは監督生になれなかったことと、その理由です。ロンとハーマイオニーの監督生就任を祝う席で、彼女は「寮監がね、わたしには何か必要な資質が欠けてるって言ったわ」と打ち明けました。ジニーがどんな資質かと尋ねると、答えはこうでした[13]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第9章「ウィーズリーおばさんの嘆き」

「お行儀よくする能力とか」トンクスが言った。

闇祓いになるまで

闇祓いの資格を取ったのは、ハリーと出会う一年前――1994年ごろにあたります[1:9]。訓練での成績には極端な偏りがありました。

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第3章「先発護衛隊」

「そうよ」トンクスは得意げだった。「キングズリーもそう。わたしより少し地位が高いけど。わたし、一年前に資格を取ったばかり。『隠密追跡術』では落第ぎりぎりだったの。おっちょこちょいだから。ここに到着したときわたしが一階でお皿を割った音、聞こえた?」

一方で「変装・隠遁術」は、まったく勉強せずに最高点だったといいます[1:10]

不死鳥の騎士団には第二次の再結成にあたって加わりました。第一次のときは若すぎたのだと、アーサー・ウィーズリーが説明しています[10:1]。ポッターモアは、彼女をアラスター・ムーディの秘蔵っ子と紹介しています[11:1]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「リーマス・ルーピン」

今回、騎士団には、創設時には歳が若すぎて参加できなかった 1 人の闇祓いが加わっていました。ピンク色の髪をした、賢く勇敢でユーモアのセンスも持ち合わせた娘で、名をニンファドーラ・トンクスといいます。彼女は、騎士団の中で最もタフで、最も白髪の多い闇祓い、アラスター・マッド - アイ・ムーディの秘蔵っ子でした。

不死鳥の騎士団(1995年‐1996年)

ハリーの護送(1995年8月)

ハリーの前に初めて姿を現したのは、プリベット通り四番地の厨房でした。ルーピンが紹介しかけた瞬間、彼女はそれを遮ります[1:11]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第3章「先発護衛隊」

「リーマス、わたしのことニンファドーラって呼んじゃだめ」若い魔女が身震いして言った。

ハリーの荷造りを手伝いながら、彼女は自分が七変化であることを実演してみせました。紫色だった髪を、目をつぶって顔をしかめた次の瞬間に風船ガムのピンク色へ変えたのです[1:12]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第3章「先発護衛隊」

「生まれつきなの。闇祓いの訓練で、ぜんぜん勉強しないでも『変装・隠遁術』は最高点を取ったの。あれはよかったわねえ」

荷造りそのものは杖ひと振りで片づけましたが、中身はごちゃごちゃのままでした。きちんと詰めるコツは母のほうが上だと本人も認めています[1:13]

グリモールド・プレイスまでの飛行では、彼女がハリーの真正面を飛ぶ役を割り当てられました[1:14]。この道中、ムーディが警戒のために迂回を提案するたびに、彼女は真っ向から反対しています。乗っていた箒はコメット260で、ハリーのファイアボルトを羨ましがりました[1:15]

グリモールド・プレイス十二番地

到着した本部で、彼女はさっそくトロールの足でできた傘立てにつまずき、ブラック夫人の肖像画を叩き起こしてしまいます。これが二度目でした[14]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第4章「グリモールド・プレイス 十二番地」

「ごめん!」トンクスは情けない声を出した。床に這いつくばっている。「このバカバカしい傘立てのせいよ。躓いたのはこれで二度目――」

食卓では、鼻の形を変えてみせる余興が恒例になっていました。ハーマイオニーとジニーはお気に入りの鼻をせがみ、スネイプの鉤鼻や豚の鼻が登場します[10:2]

魔法省に勤める彼女は、ヴォルデモートの復活を公に触れ回れない立場にありました。シリウスがその事情を説明しています[10:3]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第5章「不死鳥の騎士団」

「トンクスもアーサーも、そんなことを触れ回ったら、職を失うだろう」シリウスが言った。

護衛任務の日々

この年、彼女は繰り返しハリーの護衛についています。

魔法省での尋問の朝には、徹夜勤務明けのまま厨房に居合わせ、審問にあたるアメリア・ボーンズは公正な人物だとハリーを励ましました[15]。9月1日にはキングズ・クロス駅まで送り[16]、クリスマスにはファイアボルトの動くミニチュア模型を贈っています[17]

アーサー・ウィーズリーが蛇に襲われたあとの見舞いでは、ムーディとともに一行を聖マンゴ魔法疾患傷害病院まで案内しました。地下鉄の車内では、襲撃を幻視したハリーに強い関心を示しています[18]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第22章「聖マンゴ魔法疾患傷害病院」

「君の血筋に、『予見者』はいないの?」ロンドン市内に向かう電車に並んで腰掛け、トンクスが興味深げにハリーに聞いた。

1月の帰校では、七変化で灰色の髪をした背の高い女性に変装し、夜の騎士バスでホグワーツまで送り届けました。車掌のスタン・シャンパイクがハリーの名を叫びかけたときの反応は容赦のないものです[19]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第24章「閉心術」

「その名前を大声で言ったりしたら、呪いをかけてあんたを消滅させてやるから」トンクスは、こんどはジニーとハーマイオニーを押しやりながら、低い声で脅すように言った。

リーマス・ルーピンへの想い

騎士団で一年をともにするうちに、彼女とリーマス・ルーピンは打ち解けていました。ある夜、死喰い人と分かっている人物の家を2人で見張っていたとき、彼女は騎士団のある男について何気なく口にします。アズカバン帰りとは思えないほど、いまも見た目が良い、と[11:2]

ルーピンはこれを、彼女が自分の旧友に心を奪われたのだと受け取り、「女にもてるのはいつもあいつだ」と痛烈に返しました。怒った彼女の答えが、そのまま告白になります[11:3]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「リーマス・ルーピン」

「わたしが誰にほれてるか、あなたにはよくわかるはずだよ。そんなふうに自分を憐れんでばかりいなければね」

ルーピンは言葉の意味が分からなかったふりをしましたが、彼女は真に受けませんでした。彼のほうも自分を愛していながら、誤った高潔さからそれを認めまいとしているのだと分かっていたからです[11:4]

それ以来、ルーピンは彼女との遠出を避け、ほとんど口をきかなくなり、危険な任務ばかりを志願するようになります。彼女は絶望しました。愛する男が二度と自分から一緒に過ごそうとしないばかりか、気持ちを認めるくらいなら死地へ行くつもりでいると分かったからです[11:5]

神秘部の戦い(1996年6月)

ハリーたちを助けるため、彼女はムーディ・シリウス・ルーピン・キングズリー・シャックルボルトとともに神秘部へ駆けつけました[20]。飛び込んだ直後にルシウス・マルフォイへ失神呪文を放ったのが彼女です[20:1]

その後は石段の中ほどから、伯母にあたるベラトリックスに向けて呪文を撃ち続けます。しかし被弾し、階段を転げ落ちました[20:2]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第35章「ベールの彼方に」

部屋の向こう側で、トンクスが石段の途中から落ちて行くのが見えた。ぐったりした体が、一段、一段と転げ落ちて行く。ベラトリックスが勝ち誇ったように、乱闘の中に駆け戻って行った。

戦闘が収まったあと、ムーディが床を這って彼女のもとへ向かい、蘇生を試みています[21]。容態はダンブルドアからハリーに伝えられました[22]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第37章「失われた予言」

「マダム・ポンフリーが、みんなの応急手当をしておる」ダンブルドアが言った。「ニンファドーラ・トンクスは少しばかり聖マンゴで過ごさねばならぬかも知れんが、完全に回復する見込みじゃ」

学年末、キングズ・クロス駅には騎士団の面々がハリーを待っていました。ピンクの髪をしたトンクスもその一人で、ダーズリー一家にハリーの扱いについて釘を刺しています[23]

誤解された一年(1996年‐1997年)

変わってしまった夏

翌年の夏、「隠れ穴」で再会したハリーは、彼女の変わりように気づきます[24]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第5章「ヌラーがべっとり」

ハリーは、トンクスがやつれたように感じた。病気かもしれない。無理をして笑っているようだったが、見た目には、いつもの風船ガムピンクの髪をしていないので、間違いなく色褪せている。

髪の色だけの問題ではありませんでした。七変化の能力そのものに不調が出ていたのです。ハーマイオニーがその状態を伝えています[24:1]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第5章「ヌラーがべっとり」

「ルーピンが説得しようとしているのは知っているけど、トンクスはすっかり落ち込んだきりなの。実際、『変化術』にも問題が出てきているわ!」

周囲はその原因を、シリウスの死への自責だと考えました。ベラトリックスを仕留めていればシリウスは死ななかった――彼女はそう思っているのだ、というのがハーマイオニーの見立てです[24:2]。この解釈は誤りでしたが、ハリーたちがそれを知るのは巻の終わりになります。

なおウィーズリー夫人は、ビルフラーではなく彼女を選ぶことを期待して、しきりに夕食へ招いていました[24:3]。その招待はクリスマスにも断られています[25]

ホグワーツ特急での救助(1996年9月)

この年、彼女はホグズミードに配置され、学校の警護にあたりました[26]

9月1日、ホグワーツ特急の車内でドラコ・マルフォイに石化され、透明マントをかぶせて放置されたハリーを見つけたのが彼女です。マントを剥いで解呪し、折れた鼻を治しました[26:1]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第8章「勝ち誇るスネイプ」

「エピスキー! 鼻血癒えよ!」トンクスが唱えた。

城へ知らせを送るため、彼女は守護霊を放ちます。門で待っていたセブルス・スネイプは、それを見てわざわざ言葉を選びました[26:2]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第8章「勝ち誇るスネイプ」

「新しいやつは弱々しく見える」

ランタンの光にトンクスの顔が浮かんだとき、そこにあったのは怒りと衝撃でした[26:3]。守護霊が何に変わったのか、そしてスネイプがなぜそれを嘲ったのか――このときのハリーには分かりません。

道中、ハリーは彼女を前年とは別人のように感じています[26:4]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第8章「勝ち誇るスネイプ」

去年、トンクスは聞きたがり屋だったし(ときには、うるさいと思うぐらいだった)、よく笑い、冗談を飛ばした。いまのトンクスは老けたように見えたし、まじめで決然としていた。

持ち場を離れて

12月、ホグズミードでマンダンガス・フレッチャーがシリウスの遺品を売りさばいている現場にハリーが出くわしたとき、その場に居合わせたのも彼女でした。追いかけようとするハリーを制しています[27]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第12章「シルバーとオパール」

トンクスがどこからともなく現れた。くすんだ茶色の髪が霙で濡れている。

3月ごろ、ハリーは城の必要の部屋の前で彼女と鉢合わせします。学校の警護が任務のはずの彼女が、ダンブルドアを訪ねて城内まで来ていたのです。ダンブルドアは不在でした[28]

痩せ、髪はだらりと伸びきっていました。彼女が知りたがったのは、「人が傷ついている」という噂の真偽でした[28:1]。ハリーがシリウスの名を口にすると、その目に涙が浮かびました[28:2]

ハリーとロンとハーマイオニーは、この振る舞いを持ち場の放棄と受け取り、シリウスへの恋という説まで持ち出します[28:3]。三人とも間違っていました。

想いを告げる(1997年6月)

ホグワーツ塔の戦いでは、巨大なブロンドの魔法使いを相手に戦っています[29]

戦いのあとの病棟で、すべてが明かされました。人狼フェンリール・グレイバックに襲われて顔を裂かれたビルを前に、フラーがそれでも結婚すると言い張ったのを見て、彼女はルーピンに詰め寄ります[30]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第29章「不死鳥の嘆き」

「でも、わたしも気にしないわ。気にしないわ!」

守護霊の変化も、くすんだ髪も、グレイバックの襲撃の噂を聞いてダンブルドアのもとへ走った理由も、この一言でつながりました。彼女が愛していたのはシリウスではありませんでした[30:1]

ルーピンの拒み方は変わりません[30:2]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第29章「不死鳥の嘆き」

「私は君にとって、歳を取りすぎているし、貧乏すぎる……危険すぎる……」

それでも、ダンブルドアの葬儀の日には答えが出ていました[31]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第30章「白い墓」

キングズリー・シャックルボルト、マッド‐アイ・ムーディ、不思議なことに髪が再びショッキング・ピンクになったトンクスは、リーマス・ルーピンと手をつないでいる。

最後の一年(1997年‐1998年)

結婚と「七人のポッター」(1997年7月)

二人はスコットランド北部で、地元の魔法使いの酒場から証人を連れてきて、内輪だけの結婚式を挙げました[11:6]。ハリーがそれを知ったのはプリベット通り脱出作戦の夜で、彼女が洗濯機の上から左手の指輪を見せたときです[2:2]。髪はお気に入りの明るいピンクの短髪に戻っていました[2:3]

この作戦ではロンと組み、囮の一組として飛んでいます[2:4]

ハリーの17歳の誕生日にも「隠れ穴」を訪れました。このときの二人の対比を、ハリーは奇妙に思っています[32]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第7章「アルバス・ダンブルドアの遺言」

ルーピンはハリーと握手しながら微笑んだが、何だか浮かぬ顔だった。横で晴れ晴れとうれしそうにしているトンクスとは、奇妙な組み合わせだった。

結婚式の夜(1997年8月)

ビルとフラーの結婚式には夫婦で出席し、この日のために髪をブロンドにしています。前夜に慌ただしく去ったことも詫びました[33]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第8章「結婚式」

「アーサーが、髪がくるくるの男の子が君だって教えてくれたんだよ。昨夜はごめん」二人を案内するハリーに、トンクスが小声で謝った。「魔法省はいま、相当反人狼的になっているから、私たちがいると君のためによくない、と思ったの」

披露宴に死喰い人が乱入したときは、ルーピンと並んで盾の呪文を放っています[34]。この夜、死喰い人はトンクス家にも押し入り、ハリーの行き先を聞き出すために両親へ磔の呪文をかけました。二人とも命は無事でした[35]

身を隠した数か月

以降、彼女は実家に身を寄せます。騎士団の一員であり、戦いの最中にいたがる性分の彼女が実家に隠れている――ハリーはそれを不自然に感じました[35:1]

理由はルーピンの口から明かされました。ただし、それを言うまでの態度は不自然そのものです。地の文はその瞬間を、意を決して不快なことを認めるという雰囲気だった、と描いています[35:2]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第11章「賄賂」

「トンクスは妊娠している」

ルーピンは妻を実家に残してハリーたちに同行しようとし、結婚そのものを悔いる言葉まで口にしました[35:3]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第11章「賄賂」

「私は――私はトンクスと結婚するという、重大な過ちを犯した。自分の良識に逆らう結婚だった。それ以来、ずっと後悔してきた」

このときルーピンは、彼女の家族すら結婚を嫌悪していると述べています[35:4]。ただしこれは、自責にとらわれた彼の言い分です。ハリーに「腰抜け」とまで言われた彼は、やがて妻のもとへ戻りました[35:5][36]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第22章「死の秘宝」

「あっ、僕言わなかったっけ?」ロンがすっとんきょうな声を上げた。「ビルに聞いたけど、ルーピンは、またトンクスと一緒に暮らしているって! それにトンクスは、かなりお腹が大きくなってきたらしいよ」

同じポッターウォッチの放送で、父テッドの死が伝えられます[36:1]。彼女がそれをどう受け止めたかは、原作には書かれていません。

テディの誕生(1998年4月ごろ)

息子が生まれたことは、貝殻の家に駆け込んできたルーピンの口から伝えられました。名前は、亡くなったばかりの父にちなんで「テッド」と付けられます[3:2]。生まれた子には、母の七変化の能力が受け継がれていました[11:7][6:1]。ルーピンは、生まれたときは黒かった髪が一時間で赤茶けたと語っています[3:3]

出産後、彼女は母の家で息子と過ごしていました[37]

ホグワーツの戦い(1998年5月)

戦いの当日、彼女は赤ん坊を母に預けて城へ現れます。必要の部屋でハリーと会ったとき、その理由を語りました[38]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第31章「ホグワーツの戦い」

「テディは、母が面倒を見てくれるわ――リーマスを見かけた?」

その後はジニーと並んで窓から戦い[38:1]、アバーフォースから「ドロホフと一騎打ちしていた」と聞くと、何も言わずに埃の中へ駆け出していきました[38:2]

これが原作で描かれる彼女の最後の姿です。 次に登場するのは大広間の遺体で、戦って倒れる場面は書かれていません[4:2]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章「プリンスの物語」

ハリーはフレッドの隣に横たわる亡骸をはっきりと見た。リーマスとトンクスだ。血の気の失せた顔は、静かで安らかだった。魔法のかかった暗い天井の下で、まるで眠っているように見えた。

彼女を殺したのが伯母のベラトリックス・レストレンジであることは、原作本文ではなく作者の回答で明かされています。2007年7月30日のライブチャットで、読者が「リーマスとトンクスを殺したのは誰か」と尋ねたのに答えたものです[6:2]。同じ回答で、リーマスを殺したのがドロホフであることも明かされました[6:3]

戦いのあと、彼女はフレッド、リーマス、コリン・クリービーら50人以上の戦死者とともに大広間に安置されました[39]

遺された息子テディは、母方の祖母アンドロメダに育てられます[6:4]

外見と七変化

七変化は生まれつきの資質で、杖も魔法薬も使わずに意のままに外見を変えられます。極めて稀な能力で、努力で身につけられるものではないと本人が説明しました[1:16]

もっとも頻繁に変えるのは髪です。原作に出てくるだけでも、紫、風船ガムのピンク、ブロンドの巻き毛、腰まで届くトマト色と移り変わります[1:17][15:1][13:1]

なかでもショッキングピンクには意味があります。ポッターモアはこの色を、「ええ、父はマグル生まれだけど、それがどうかした?」という態度の表れだと説明しています[40]

任務では変装に使われました。1月の帰校時には、灰色の髪をした背の高い女性の姿をとっています[19:1]

性格・人物像

明るく、遠慮がなく、そして極端にそそっかしい人物です。本人が自分を「おっちょこちょい」と評しており[1:18]、傘立てにつまずき[14:1]、蝋燭を倒し、椅子を蹴飛ばします[10:4]。家事に関する呪文はどうしてもコツがつかめないとも言っています[1:19]

ただし任務では容赦がありません。ムーディが過剰な迂回を主張したときには真っ向から反対し[1:20]、ハリーの名を叫びかけた車掌には低い声で脅しをかけました[19:2]

年長者への物怖じもありません。ムーディが魔法の目を洗うために取り出したときには、面と向かって「気持悪い」と言っています[1:21]

名前

「ニンファドーラ」という名を選んだのは母アンドロメダです[1:22]。母の実家であるブラック家には子どもに星や星座の名を付ける習わしがあり、ベラトリックス、シリウス、レギュラスがその流儀にあたりますが[7:8][41]、この名はその系列にありません。

日本語版はこの名を「かわいい水の精ニンファドーラ」と訳しており、ニンフとの結びつきを読み取っています[1:23]。由来について作者が語ったことはありません。

本人はこの名を嫌い、姓で呼ぶよう周囲に求めます。ルーピンやダンブルドアといった年長者は「ニンファドーラ」と呼びますが[1:24][22:1]、家族からは「ドーラ」と呼ばれました[5:1]

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第3章「先発護衛隊」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第4章「七人のポッター」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第25章「貝殻の家」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章「プリンスの物語」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  5. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第5章「倒れた戦士」 ↩︎ ↩︎

  6. J.K. ローリングのライブチャット(2007年7月30日) ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  7. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第6章「高貴なる由緒正しきブラック家」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  8. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「守護霊の呪文」 ↩︎

  9. J.K. ローリング旧公式サイト「F.A.Q. – What houses were Tonks and Myrtle in?」 ↩︎ ↩︎

  10. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第5章「不死鳥の騎士団」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  11. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「リーマス・ルーピン」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  12. J.K. ローリング Twitter 投稿(2015年9月1日) ↩︎

  13. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第9章「ウィーズリーおばさんの嘆き」 ↩︎ ↩︎

  14. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第4章「グリモールド・プレイス 十二番地」 ↩︎ ↩︎

  15. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第7章「魔法省」 ↩︎ ↩︎

  16. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第10章「ルーナ・ラブグッド」 ↩︎

  17. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第23章「隔離病棟のクリスマス」 ↩︎

  18. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第22章「聖マンゴ魔法疾患傷害病院」 ↩︎

  19. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第24章「閉心術」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  20. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第35章「ベールの彼方に」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  21. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第36章「「あの人」が恐れた唯一の人物」 ↩︎

  22. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第37章「失われた予言」 ↩︎ ↩︎

  23. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第38章「二度目の戦いへ」 ↩︎

  24. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第5章「ヌラーがべっとり」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  25. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第16章「冷え冷えとしたクリスマス」 ↩︎

  26. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第8章「勝ち誇るスネイプ」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  27. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第12章「シルバーとオパール」 ↩︎

  28. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第21章「不可知の部屋」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  29. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第28章「プリンスの逃亡」 ↩︎

  30. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第29章「不死鳥の嘆き」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  31. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第30章「白い墓」 ↩︎

  32. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第7章「アルバス・ダンブルドアの遺言」 ↩︎

  33. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第8章「結婚式」 ↩︎

  34. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第9章「隠れ家」 ↩︎

  35. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第11章「賄賂」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  36. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第22章「死の秘宝」 ↩︎ ↩︎

  37. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第30章「セブルス・スネイプ去る」 ↩︎

  38. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第31章「ホグワーツの戦い」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  39. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」 ↩︎

  40. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「色」 ↩︎

  41. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「命名予見者」 ↩︎