7月31日――ハリー・ポッターの誕生日に起こったできごと

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今日、2021年7月31日はハリー・ポッターの41歳の誕生日です。

岩の上の小屋をハグリッドが訪ね、ハリーにホグワーツへの入学許可証を渡してから、なんと30年が経ったようです。

10歳――「誕生日が楽しかったことは一度もない」

誕生日が楽しかったことは一度もない……去年のダーズリー一家からのプレゼントは、コートを掛けるハンガーとおじさんのお古の靴下だった。

『ハリー・ポッターと賢者の石』第3章

ハリーは11歳の誕生日の直前、「誕生日が楽しかったことは一度もない」と言っています。10歳の誕生日にダーズリー一家からもらったのは、コートを掛けるハンガーとバーノンおじさんのお古の靴下でした。

のちに「かくれん防止器」の音を消すのに、バーノンおじさんのからし色の毛玉だらけの靴下が出てきますが、もしかしたらこの時の靴下かもしれません。毛玉だらけの靴下は、のちにドビーがクリスマスプレゼントにもらうことになります。

11歳――自分が魔法使いであることを知る

「[…]ハリー――おまえは魔法使いだ」

――ルビウス・ハグリッド 『ハリー・ポッターと賢者の石』第4章

30年前(1991年)の今日、日付が変わった瞬間にハグリッドが岩の上の小屋を訪れました。それまで、ハリー宛てに黄色味がかった封筒が何通も届いていましたが、バーノンおじさんとペチュニアおばさんはずっとハリーに手紙を読ませないようにしていました。

ハグリッドはハリーが手紙を読んでいないことは知っていましたが、自分が何者であるか、両親が何者であるか、そしてホグワーツのことすら知らないことに驚き、ダーズリー夫妻がハリーに何も伝えていないことに激怒しました。

朝になると、ハグリッドはハリーをダイアゴン横丁に連れていき、ホグワーツ入学に必要な学用品を準備します。ハリーはハグリッドから11歳の誕生日プレゼントに白ふくろうをもらいました。ハリーはこのふくろうをヘドウィグと名付けます。魔法史の教科書で見つけた名前です。

12歳――『最悪の誕生日』

「ハリー・ポッターは勇猛果敢! もう何度も危機を切り抜けていらっしゃった! でも、ドビーめはハリー・ポッターをお護りするために参りました。警告しに参りました。あとでオーブンの蓋で耳をバッチンとしなくてはなりませんが、それでも……。ハリー・ポッターはホグワーツに戻ってはなりません

――ドビー 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第2章

ハリーの12歳の誕生日、ダーズリー一家はバーノンおじさんの「人生最大の商談」のために準備をしていました。ハリーの誕生日だと覚えている様子はありません。さらに悪いことに、親友であるはずのロンやハーマイオニーから誕生日カードの一つも届きません。

夜の8時すぎ、「どこかの土建屋」のメイソン夫妻が階下でダーズリー一家の接待を受けている間、ハリーは2階の自分の部屋でいないふりをしていました。すると屋敷しもべ妖精のドビーがハリーの部屋を訪れ、ホグワーツに戻ってはいけないと警告します。

「ハリー・ポッターは怒ってはだめでございます。……ドビーめは考えました……ハリー・ポッターが友達に忘れられてしまったと思って……ハリー・ポッターはもう学校には戻りたくないと思うかもしれないと……」

――ドビー 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第2章

やがてドビーがハリー宛ての手紙をストップさせていたことがわかります。ドビーはロン、ハーマイオニー、そしてハグリッドからのものと思しき手紙も持っていたのです。

ハリーがホグワーツに戻らないと宣言しないとわかると、ドビーはハリーの部屋を飛び出し、接待の最中の階下に向かっていきます。ハリーは追いかけましたが、キッチンでペチュニアおばさんのデザートが天井近くを浮いていました。まもなく、ハリーは頭のてっぺんから足の先までデザートをかぶり、ドビーは「姿くらまし」で消えてしまいます。

さらに悪いことに、ふくろうが手紙を運んできました。メイソン夫人は鳥が苦手で、叫び声を上げて飛び出してしまいました。メイソン氏も文句を言うだけ言うと出ていき、バーノンおじさんの人生最大の商談は失敗に終わりました。

手紙は魔法省からの警告でした。本当はドビーが使った浮遊術を、魔法省はハリーが使ったものだと認知しました。「未成年魔法使いは学校の外で魔法を使うことを許されていない」――ダーズリー一家はハリーが魔法を使う恐れがないとわかると、ハリーを2階の部屋に閉じ込め、ハリーの部屋に鉄格子をはめたのでした。

13歳――初めて誕生日を嬉しいと思う

きわめて普通ではないハリーだったが、その時のハリー・ポッターは、みんなと同じような気持だった。生まれて初めて、誕生日がうれしいと思ったのだ。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第1章

日付が変わり13歳の誕生日がやってくるころ、ハリーは夏休みの宿題で「魔法史」のレポートを書いていました。気づけば7月31日の午前1時を回っていて、ハリーは自分の誕生日がやってきたことに気づいていませんでした。やがて3羽のふくろうが現れます。

1羽はウィーズリー家の年寄りふくろう、エロールで、ロンからの手紙と誕生日プレゼントを運んできました。ロンの手紙にはウィーズリーおじさんがガリオンくじを当てたこと、そのお金でエジプトにいるロンの兄ビルを訪れたことが書かれていました。ロンからの誕生日プレゼントは、携帯の「かくれん防止器」でした。

もう1羽はハリーのふくろう、ヘドウィグで、家族でフランスを訪れていたハーマイオニーからの手紙と誕生日プレゼントを運んできました。プレゼントは「箒磨きセット」で、箒の柄磨き、箒の尾鋏、そして手入れのガイドブックが入っていました。

最後の1羽はホグワーツの森ふくろうでした。3つ目の包みとホグワーツからの手紙を運んできました。3つ目の包みからは『怪物的な怪物の本』が転がり出て、ベッドを転がり落ちると、部屋の向こうにシャカシャカ走って移動していきます。ハリーはやっとのことで本を押さえつけると、暴れる本をベルトでしっかり巻き付けました。

ハグリッドからのカードを読むと、本については「来学期役にたつぞ」としか書いてありません。これは実は来学期の「魔法生物飼育学」の教科書で、来学期からハグリッド自身が教鞭を取ることになっていたのです。

14歳――ダドリーのダイエットの巻き添えを喰らいそうになる

ハリーが14歳になろうという夏休み、ダーズリー家では事件が起きていました。バーノンおじさんもペチュニアおばさんも、ダドリーの成績の悪さやいじめをしている事実には都合のいい言い訳をしてきました。しかし、通信簿の最後にある養護の先生の指摘には何も言葉が見つからなかったようです。

ダドリーは養護の先生が作ったダイエット表に従ってダイエットをさせられます。ペチュニアおばさんは家族全員をダイエットに巻き込めばダドリーの気分が良くなると考え、全員がダイエットに参加させられました。さらに、ハリーは絶対にダドリーよりも食べ物が少なかったのです。

そしてハリーの誕生日には(ダーズリー一家は完全に無視していたが)、最高のバースデー・ケーキが四つも届いた。ロン、ハーマイオニー、ハグリッド、そしてシリウスからだった。まだ二つ残っている。[…]」

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第2章

ニンジンの切れ端だけで生き延びなければならないかもしれない、そう思ったハリーは、ヘドウィグを飛ばして友人に助けを求めました。両親が歯科医のハーマイオニーは「砂糖なし」スナックの詰まった大きな箱を、ハグリッドはお手製のロックケーキを袋一杯(ただしハリーはこれには手をつけていません)、ウィーズリーおばさんはフルーツケーキとミートパイを送ってくれたのです。ハリーの14歳の誕生日、ハリーはバースデー・ケーキを合わせて4つも受け取りました。

ハリーは二階の床板の緩くなったところに、これらの食べ物を隠していました。

15歳――プリベット通りに缶詰めにされる

実は、あんまり腹が立ったので、誕生日に二人が送ってくれたハニーデュークスのチョコレートを二箱、開けもせずに捨ててしまったくらいだ。その夜の夕食に、ペチュニアおばさんが萎びたサラダを出してきたときに、ハリーはそれを後悔した。

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第1章

先学期末、ハリーは辛くもヴォルデモートと死喰い人たちから逃れましたが、プリベット通りに戻ったハリーに魔法界のニュースは入ってきません。ロンもハーマイオニーも同じところにいるようでしたが、迎えに来ると言いつつ、具体的な日付は明らかにしてくれません。重要なことは手紙に書けない、とだけ記されていて、ハリーのイライラは募るばかりでした。

ハリーはイライラのあまり、誕生日にもらったハニーデュークスのチョコレートを開けずに捨ててしまいます。しかし、ダーズリー家ではまともな食事を与えられず、ハリーは後悔しました。

16歳――「隠れ穴」での誕生日パーティ

ハリーの十六歳の誕生日パーティには、リーマス・ルーピンが身の毛もよだつ知らせを持ち込み、誕生祝いが台無しになって、ウィーズリーおばさんは不機嫌だった。

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第6章

今までハリーはプリベット通りで誕生日を過ごしていましたが、この年は夏休みの最初の2週間だけをプリベット通りで過ごし、残りはウィーズリー一家の住む「隠れ穴」で過ごしました。しかし、『日刊予言者新聞』の見出しのように、誕生日祝いでの話題は暗いものばかりで、ウィーズリーおばさんは不機嫌でした。

ルーピンはバースデーケーキの大きな一切れを取り分けてもらいながら、イゴール・カルカロフの死体が北のほうの掘っ立て小屋で見つかったと切り出します。死喰い人たちを裏切り、1年ほど何とか生きながらえていたようです。

さらにビルがダイアゴン横丁のフローリアン・フォーテスキューが拉致されたことに触れると、ウィーズリーおばさんがビルを睨みつけました。そしてウィーズリーおじさんは杖作りのオリバンダーがいなくなったことに触れました。オリバンダーが自分でいなくなったのか誘拐されたのか、状況からは誰もわからなかったようです。

「隠れ穴」で過ごすことができた誕生日でしたが、かなり暗い誕生祝い夕食会でした。

17歳――ハリー、ついに一人前の魔法使いに

「魔法使いが成人すると、時計を贈るのが昔からの習わしなの」

ウィーズリーおばさんは料理用レンジの脇で、心配そうにハリーを見ていた。

「ロンのと違って新品じゃないんだけど、実は弟のフェービアンのものだったのよ。持ち物を大切に扱う人じゃなかったものだから、裏がちょっと凹んでいるんだけど、でも――」

あとの言葉は消えてしまった。ハリーが立ち上がっておばさんを抱きしめたからだ。ハリーは抱きしめることで、言葉にならないいろいろな想いを伝えたかった。そして、おばさんにはそれがわかったようだった。

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第7章

イギリスのマグル界と異なり、魔法界では17歳が成人です(マグル界は18歳)。この年、ハリーは前の年と同じように誕生日を「隠れ穴」で過ごします。ハリーの誕生日の次の日がビルとフラーの結婚式だったので、「隠れ穴」にはデラクール夫妻も滞在していました。

17歳の誕生日、ロンは下に降りていく前にハリーにプレゼントを渡します。『確実に魔女を惹きつける十二の法則』という本で、同じものをロンはフレッドとジョージからもらっていたようです。

ハーマイオニーは新しい「かくれん防止器」、ビルとフラーからは魔法のひげ剃りが贈られました。デラクール一家からはチョコレートを、フレッドとジョージからはウィーズリー・ウィザード・ウィーズの新商品の巨大な箱をもらいました。

「それで、私、考えついたの。私を思い出す何かを、あなたに持っていてほしいって。あなたが何をしにいくにしても、出先で、ほら、ヴィーラなんかに出会ったときに」

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第7章

ハリーはジニーに部屋に呼ばれます。ジニーはハリーに何をあげたらよいか思いつかなかった、と語ります。そして、ジニーはこれまでのキスとはまるで違うキスを贈ります。「ファイア・ウイスキーよりもよく効く、何もかも忘れさせてくれる幸せな瞬間」でした。

この日の夜、「隠れ穴」の台所は狭すぎたので、庭にテーブルを並べて誕生日祝いのディナーが開かれました。フレッドとジョージが紫色の提灯に「17」の文字をデカデカと書き込み、招待客の頭上に浮かべました。ルーピン、トンクス、チャーリー、ハグリッドも招待されていました。ウィーズリーおばさんはスニッチの形をしたバースデー・ケーキを作ってくれました。

ウィーズリーおじさんの到着を待っていると、イタチの守護霊が現れ、魔法大臣ルーファス・スクリムジョールが来るという知らせがもたらされます。ルーピンとトンクスは慌ただしく「姿くらまし」してしまいました。

スクリムジョールはハリー、ロン、ハーマイオニーの三人と話がしたいといい、「隠れ穴」の居間に行きました。それぞれ一人ずつと話がしたかったスクリムジョールでしたが、ハリーは三人一緒でなければ何も話すなと言いました。

スクリムジョールから、三人はアルバス・ダンブルドアの遺言について初めて聞かされます。個人に遺されたものはほとんどないにも関わらず、ロンには「灯消しライター」が、ハーマイオニーには『吟遊詩人ビードルの物語』が、そしてハリーにはクィディッチの最初の試合で捕らえたスニッチが贈られたことがわかります。そして、ダンブルドアはグリフィンドールの剣もハリーに遺そうとしていたことも明らかになりますが、占有財産とは認められず、渡してもらえませんでした。そんなこんなでディナーはかなり慌ただしいものになってしまいました。

ハリーはハグリッドから誕生日プレゼントにもらったモーク革の巾着に、他のいろいろなものと一緒にこのスニッチをしまいました。モークトカゲの革でできた巾着の中身は、持ち主以外取り出すことができません。

1歳――ハリーが両親と過ごした最後の誕生日

ハリーの誕生祝いをほんとに、ほんとにありがとう! もうハリーのいちばんのお気に入りになったのよ。一歳なのに、もうおもちゃの箒に乗って飛び回っていて、自分でもとても得意そうなの。写真を同封しましたから見てください。

リリー・ポッター 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第10章

『ハリー・ポッター』シリーズで最後に明らかになるのは、ハリーが1歳になった誕生日、つまりハリーが両親と過ごした最初の誕生日についてです。グリモールド・プレイス12番地を隠れ家としていたハリーは、シリウスの部屋で自分の母がシリウスにしたためた手紙を見つけました。

ハリーの1歳の誕生日は、リリー、ジェームズ、そして近所に住んでいた魔法史家のバチルダ・バグショットが夕食をともにしました。ハリーの初めての箒はシリウスから贈られたことも明らかになります。ハリーはシリウスからもらったおもちゃの箒をたいそう気に入り、自分でも得意げにしていたと書かれていました。

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シリーズ中、ジェームズに比べてリリーについて描かれることが少ないようにも思いますが、この手紙を読んでグッときた方も多かったのではないでしょうか?