7月11日に英語版が公開されたクィディッチワールドカップ決勝戦、ブルガリア対ブラジル戦について、日本語版がなかなか公開されないのでざざざーーっとまとめ。
試合結果は、170対60でブルガリアの勝ち
これは英語があまりわからない人でも……
今回の「日刊予言者新聞」にある記事は今までのレポートと違い、クィディッチレポーターとなったジニー・ポッターによる実況と、あの忘れもしないゴシップライター、リータ・スキーターのVIPボックスの実況が文字に起こされたもの。ブルガリアとブラジルの両チームのマスコットを待つ間、ジニーが両チームの戦力比較をしている。
戦力比較まとめ
キーパー
ブラジルのキーパーはラウル・アルメイダ。大会初めは今ひとつだったものの、20時間にも渡った準決勝の対アメリカ戦では活躍し決勝進出に貢献。ウェールズ戦での頭の怪我を引きずっている。
ブルガリアのキーパーはゲオルギ・ズラフコ。ズラフコは初戦のニュージーランド戦で17ゴール、準決勝の対日本戦では46ゴールを許している。ブラジルのチェイサー陣が手強いだけにブルガリアファンにとっては悩みの種。
チェイサー
ブラジルのチェイサーはアレハンドラ・アロンソ、フェルナンド・ディアス、ゴンサロ・フローレス。今大会合計68ゴールを決めている。フローレスはスコアリングボックスの外からシュートを決め、一躍スターに。
ブルガリアのチェイサーはストヤンカ・グローズダ、ボゴミール・レフスキー、ニコラ・ヴァシレヴァ。プレースタイルは派手ではないものの、この3人は今大会合計74ゴールを決めており、意外なことにブラジルのチェイサーを凌ぐ成績。
ビーター
ブラジルのビーターはカルロス・クロドアルドとラファエル・サントス。初めの2試合ではパッとしなかったが、準決勝ではアメリカのシーカー、スマックハマーのスニッチ捕獲を見事阻止した。
ブルガリアのビーターはディミタール・ドラガノフとボリス・ヴルチャノフ。二人は身体を張ったプレーを見せており、ヴルチャノフは準決勝の対日本戦で味方シーカーとブラッジャーとの間で盾となり、気絶して箒から落ちるというプレーがあった。
シーカー
ブラジルのシーカーはトニー・シルバ。一旦スニッチを見つければ素早く正確な動きを見せるが、スニッチを見つけるまでが長い。平均捕獲時間は10時間44分。
ブルガリアのシーカーはビクトール・クラム。(ジニーは「紹介の必要はないでしょう」とコメント。)十代後半から世界的クィディッチ選手で、今大会の最年長選手。大会前からいろいろ批判があったものの、ブルガリアの決勝進出に大きく貢献した選手。平均捕獲時間は5時間56分。
メモ:レフスキーとヴルチャノフ、二人の父親は1994年のワールドカップに出場している(第4巻にレブスキーとボルチャノフという名前で登場、ポタモアと原作邦訳で表記が違う)。さらに言えばヴルチャノフはダームストラングの創立者、ネリダ・ブルチャノバ(またしても表記が統一されてないけど)の子孫かもしれない(スラヴ系の名前は男女で形が変わることがある)。
試合前の様子
ここであのリータ・スキーターが登場。VIPボックスの実況を始める。
ICWQC(国際魔法使い連盟クィディッチ委員会)会長のメントール・メタクサスとアルゼンチンの魔法法評議会会長、ヴァレンティナ・ヴァスケスがおしゃべりをする中、観客たちの目はダンブルドア軍団のいるボックス2に向けられていた。
報道席で実況をするジニーを除くポッター家の4人は一番前の列に陣取っていた。アルバス以外の3人はブルガリアの赤を着ているが、アルバスはブラジルの緑色を身につけている。これに対してリータが「私たちは父と子の醜い争いを見ているざんすか?」とコメントするが、リータの隣にいたジニーが「アルバスはブラジルのチェイサー、ゴンサロ・フローレスの大ファンなのよ」と一蹴。
ここでブルガリアのマスコット、あのヴィーラがハープの調べにのって登場。ジニーによれば報道席の男性陣も口をあんぐりと開けて見とれているもよう。
VIPボックスにいたロンが強張ったように見える、とリータ。「ハーマイオニー・グレンジャーがあばらに鋭い肘鉄を食らわせたのを見たかしら?」
ブラジルのマスコット、クルピラ(Curupira)は真っ赤な髪で、足が後ろ前についているらしい。アクロバットな動きをしたり、観客から帽子を盗んだり。
ここでリータが皮肉な一言。「若者が海外の文化を楽しんでいるのを見るのは楽しいざんす」テディ・ルーピンとビクトワール・ウィーズリーは両チームのマスコットなんてそっちのけで話をしているらしい。ピッチのほうに娘の注意を向けさせようと、父親のビルがビクトワールと席を代わる。「父親の威厳を示すのが遅いと思われるかもしれないが」とリータ。
オープニングセレモニーが終わると、ブラジルは緑、ブルガリアは赤のユニフォームでやってきた。
ウィーズリー家はほとんどがブラジルを応援しているらしい。「ロナルドが奥さんの元カレ(クラム)を応援するなんて、当然誰も思わないざんす」とリータ。ローズは父親の「不運な」赤毛、ヒューゴは母親譲りのフサフサの髪の毛だという。3人はブラジルの緑を着ているのに対し、ハーマイオニーはどちらのチームを応援しているか示すようなものは身につけていないらしい。「クラムにトロフィーを取って欲しいと、密かに願ってるざんすか?」とリータ。でなければ、非情なキャリア組に見られる外交上の中立性、だという。
試合の流れ
ジニー・ポッターによる実況をギュッとまとめ。
5分、クァッフルはブラジルの手にあるが、ブルガリアのビーター、ドラガノフとヴルチャノフの堅い守りに阻まれている。ブラジルのチェイサーはブルガリアのビーターを交わそうと飛び回っている。
32分、ブルガリアのレフスキーがクァッフルを奪いゴールへ。パスしたヴァシレヴァの喉にブラッジャーが激突。落としたクァッフルはブラジルのフローレスが奪った。
37分、ブラジルのフローレスがシュートを決め、10-0。
42分、ブルガリアのドラガノフとヴルチャノフが堅い守りを見せ、ブラジルの追加点を封じているが、ブルガリアはグローズダが捕り損なったきりクァッフルに触ることすらできていない。スニッチの気配はなし。
59分、ブルガリアのボゴミール・レフスキーがシュートを決め、10-10。
1時間23分、ブラジルは速攻が功を奏し40-10。フローレスが2回、フェルナンド・ディアスが1回シュートを決めている。ブルガリアはケアレスミスが多いという。
1時間43分、アロンソとヴァシレヴァが1つずつゴールを決め50-20としたところで、ブラジルゴール付近でスニッチが見つかった。シルバとクラムが追いかけるが、二人はアルゼンチンの眩しい太陽に目が眩んだらしく、スニッチは姿を消した。
2時間3分、ディアスがリードを広げて60-20としたところで、ビーターのサントスがビクトール・クラムの頭を棍棒で殴ってしまう。審判が万眼鏡で反則があったかどうか場面を見ている間、試合は中断する。
2時間21分、ドイツ人審判ヘルマン・ユンカーはサントスのプレイ(ビーターの棍棒がクラムの後頭部にヒットした)は故意のものではないと判断。クラムは試合を続けられる旨のジェスチャーを出し、試合が再開された。
2時間38分、シルバとクラムが急上昇。アルゼンチンの眩しい太陽の中、五千もの万眼鏡が二人の動きを追う。
2時間40分、シルバとクラムはスニッチに向かって猛スピードで飛んでいる。シルバがクラムの1メートル上、二人はほぼ垂直に飛んでいる。
2時間42分、クラムがシルバに接近しているが、間に合うか。
2時間43分、クラムとシルバが並んだ。
2時間45分、クラムがスニッチをキャッチ。170対60でブルガリアの勝利!
試合後涙を流しながら、まるで箒から落ちるように降りてきたクラム。クィディッチワールドカップ3度目の決勝進出(1994年、2002年、今大会)にして初めての優勝だった。
ダンブルドア軍団についてのリータの発言
リータの実況面白いんですけどいろいろと長いので箇条書きで。
パーシー・ウィーズリー
魔法運輸部の部長となったパーシー。試合の間中しかめっ面。白髪が増え禿げてきており、ホグワーツの戦い(リータによれば、『戦いに来ないより遅れて来ただけマシ』)の頃に比べて老けている。政敵は「あら探ししている官僚」と呼ぶかもしれないが、「知り合いになればそんなに悪い人じゃないとわかる」らしい。
チャーリー・ウィーズリーとロルフ・スキャマンダー
リータによればチャーリーは「未婚のウィーズリー」と知られ、相変わらず仕事柄火傷の痕があるらしい。チャーリーとロルフは試合中話をしている。ロルフについて「(結婚して)ダンブルドア軍団の一員になるのはどんなに難しいのだろう」とリータ。
ルーナ・ラブグッド
ルーナの着たウェデイングドレスを見た時のロルフの顔が忘れられない、とリータ。ドレスは虹色、スパンコールがついていて、ユニコーンの角のティアラまで。リータのコラムの読者が『今年の最も不愉快なファッション』として投票したらしい。
ジョージ・ウィーズリーとアンジェリーナ・ジョンソン
悪戯専門店はゲーゲー・トローチとかであんなにがっぽり儲けているにも関わらず、アンジェリーナは実家に帰ったという噂が――と言いかけたところで、リータの隣にいたジニーが「アンジェリーナの父親が病気だから帰っているのよ」と一蹴。
ロンとハーマイオニー
クラムが棍棒を食らって鼻血を出しているころ、ロンがハーマイオニーの頬にキスしたらしい。観客はクラムの怪我に対してうめき声を挙げたのに、リータはこのキスのせいだと勘違いしていた。
ネビル・ロングボトムとアルバス・ポッター
二人は名付け親と名付け子(正確にはgodfatherとgodson)。
テディ・ルーピンとビクトワール・ウィーズリー
テディがジェスチャーをして、間違ってビクトワールの鼻をぶってしまう。「クィディッチワールドカップの真っ最中に破局を目撃するざんすか?」とリータ。皆がシーカー二人の動きを追う中、二人は試合そっちのけで口づけを始める。こんな二人にVIP席はふさわしいのか、とリータが言う。
試合後、リータはみぞおちにジニーの呪いを食らっている。ジニーによれば次の週(7月の3週目くらい)にはゴブストーンのイギリス国内大会がバーミンガムであったとか。
最後は英語読むの疲れて駆け足になってしまった(ハリーのこととか多少すっ飛ばした)んですけど、だいたいこんなことが書いてあります…ね。もう4ヶ月も経っているんで、早く日本語版出して!!!!!