古代ローマ人のオリバンダーが、杖作りの商売を始めました。
考察
オリバンダー家は代々、杖作りという謎めいた職業に携わってきました。オリバンダーという名前は「オリーブの杖を持つ者」の意といわれ、このことから、オリバンダー老人の先祖はもともと地中海の国からイギリスに渡ってきたことがうかがえます(オリーブの木はイギリス原産ではありません)。オリバンダー老人自身は、最初にイギリスにやってきた自分の先祖たちについて、ローマ人とともに到着し、露店(ゆくゆくは商店)を開店し、当時雑な仕上げで性能の低い杖を使っていた魔法使いたちを相手に、イギリスで杖を売りはじめたのだと考えています。
ポッターモア J.K. ローリングの書き下ろしコンテンツ「オリバンダー老人」
ギャリック・オリバンダーは、自分の先祖はローマ人とともにイギリスにやってきて、杖づくりの商売を始めたのだと考えています。
なお、現在英国のある地域(ブリタンニア)が古代ローマ帝国の支配下に初めて入ったのは、紀元43年、クラウディウス帝の時代です。それ以前の紀元前55年と54年、カエサルがガリア戦争中に2度遠征したのが、古代ローマとブリタンニアの初めての接触でした。
オリバンダーの店の創業年が「伝説的」なのか、それともオリバンダー氏が考える、自らの先祖がイギリスにやってきた時期が異なるのか。地中海沿岸の魔法族は早くからブリタンニアと接触があったのか。
あるいはすべて辻褄が合うような筋書きを考えると、オリバンダー氏の祖先は紀元前382年にもともといた地域で杖づくりの商売を始め、紀元1世紀ころ、創業から400年経って、その時代のオリバンダー家の人物が古代ローマ人とともにブリタンニアにやってきたのかもしれません。