ルビウス・ハグリッド

ルビウス・ハグリッドは、ホグワーツ魔法魔術学校の森番兼鍵の番人で、後に魔法生物飼育学の教授となる半巨人。ハリーを魔法界に導いた最初の友人であり、ダンブルドアに絶対的な忠誠を誓う心優しき大男です。危険な魔法生物への愛情が度を越すこともありますが、その温かい人柄で多くの生徒に慕われています。

ℹ️ 概要

基本情報

日本語での名前: ルビウス・ハグリッド

原書での名前: Rubeus Hagrid

愛称: ハグリッド (Hagrid)

生まれたのは: 1928年12月6日

家系: 混血(半巨人)

所属: ホグワーツ魔法魔術学校、グリフィンドール寮(退学)

杖: 樫、41センチ(16インチ)

ルビウス・ハグリッドは『ハリー・ポッター』シリーズの主要人物で、ホグワーツ魔法魔術学校の森番兼鍵の番人です。『賢者の石』で初登場し、ハリーを迎えに来て魔法界の存在を教えた最初の人物。身長3.5メートルを超える巨体と、もじゃもじゃの髭と髪が特徴的な半巨人です。危険な魔法生物を「かわいい」と思う独特の感性を持ち、ドラゴンや巨大グモなどを飼いたがる癖があります。2017年時点で存命。

🎞️ 映画での描写

登場している映画

  • 第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』
  • 第2作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
  • 第3作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
  • 第4作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
  • 第5作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
  • 第6作『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
  • 第7作『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1』
  • 第8作『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2』

以上8作すべてで、ハグリッドをロビー・コルトレーンが演じました。

ハリーとの出会い

映画『賢者の石』では、最初にバイクでハリーをプリベット通りに届けるのがハグリッドです。

やがて、ハグリッドはハリーの11歳の誕生日にダーズリー家が逃げ込んだ海の岩の上の小屋に現れます。ドアを蝶番ごと吹き飛ばして登場し、ハリーに手作りの誕生日ケーキを渡しました(「おたんじょうびおめでとう」を、「たんじょびィ おめでと」と書くスペルミスが印象的1)。

ハグリッドは、その巨体にもかかわらず優しさがにじみ出ています。ダーズリー一家を威圧しつつも、ハリーには父親のような温かさで接しました。

アズカバン送りと復帰

映画『秘密の部屋』では、50年前と同じように「秘密の部屋」事件の犯人として疑われ、アズカバンに送られてしまいます。しかし、ハリーたちが真犯人を突き止めたことで無実が証明され、無事に釈放、再会を果たしました。

魔法生物飼育学教授として

『アズカバンの囚人』からは魔法生物飼育学の教授に就任。最初の授業でヒッポグリフのバックビークを紹介しますが、マルフォイの挑発的な行動により事故が起き、バックビークに死刑判決が下されてしまいます。

マダム・マクシームとのロマンス

映画『炎のゴブレット』では、ボーバトン魔法アカデミーの校長マダム・マクシームとの淡いロマンスが描かれます。夜にマダム・マクシームを誘い、三大魔法学校対抗試合の第一の課題であるドラゴンを見せたり、クリスマスのダンスパーティーで一緒に踊ったりする姿が描かれています。

異母弟グロウプとの絆

『不死鳥の騎士団』では、ハグリッドが巨人の異母弟グロウプを禁じられた森に匿っていることが明らかになります。「小さな」巨人グロウプを、ハグリッドがハリーロンハーマイオニーに紹介するシーンでは、グロウプはハーマイオニーを掴み上げてしまいました。ハグリッドは自分がまもなくホグワーツから追放されるだろうと考え、3人にグロウプの話し相手になってほしいと頼みました。

アラゴグとの永遠の別れ

『謎のプリンス』でのアラゴグの葬儀シーンは、ハグリッドの動物に対する純粋な愛情を表す場面でした。巨大なアクロマンチュラの亡骸の前で「元気だった頃のこいつを見せてやりたかったよ。そりゃあデッカくてな」と涙を流します。スラグホーン教授の美しい弔辞に感動し、その後自分の小屋でスラグホーン教授と飲み明かします。酔いながらも「卵から孵したんだ」と愛情深く語る姿が見られました。

7人のハリー作戦での勇姿

『死の秘宝 Part1』の冒頭、「7人のポッター」作戦でシリウスのバイクに乗って本物のハリーを護衛するシーンは、アクション満載の見せ場でした。サイドカーから様々な仕掛けを発動させながら死喰い人と戦う姿は、普段の優しいハグリッドとは違う戦士としての一面を見せました。

ホグワーツの戦いでの活躍

『死の秘宝 Part2』では、ヴォルデモートに殺されたと思われたハリーの「遺体」を抱えて運ぶという、最も辛い役目を担います。ハリーがヴォルデモートを倒したあと、大広間で言葉少なにハリーを抱きしめるシーンがありました。

⚡️ ハリーとの関係

ハグリッドは、ハリーにとって初めての真の友人であり、魔法界への案内人でした。両親を亡くしたハリーを赤ん坊の頃から知っており、両親が殺された際、壊れたポッター家から連れ出した人物でもあります。

ハリーに対して、魔法界の存在、ハリーが有名人であること、両親の死の真相を初めて教えたのもハグリッドでした。

ハグリッドの小屋は、ハリーにとって学校内での避難所のような存在で、困ったときや悩んだときにはよく訪れていました。ハグリッドもまた、ハリーを息子のように大切に思い、常に彼の味方でいました。

📖 原作での詳細

書きかけ

ハグリッドの年表

  • 1928年 - 12月6日、魔法使いの父と女巨人フリドウルファの間に生まれる
  • 1931年頃 - 母が「いなくなり」、父と二人暮らしに
  • 1940年 - ホグワーツ入学、グリフィンドール寮に組分け
  • 1941年~1942年ごろ 2年生のとき、父が亡くなる
  • 1943年 - 秘密の部屋事件でトム・リドルに濡れ衣を着せられ退学処分
  • 1943年 - ダンブルドアの計らいで森番見習いとして学校に残る
  • 1970年代 - 不死鳥の騎士団の創設メンバーとなる
  • 1991年 - ハリー・ポッターを魔法界に迎え入れる
  • 1993年 - 魔法生物飼育学教授に就任
  • 1995年 - 巨人への使節団としてマクシームと旅に出る
  • 1996年 - 異母弟グロウプを連れて帰国
  • 1998年 - ホグワーツの戦いに参加

半巨人としての苦悩と強さ

原作では、ハグリッドの半巨人としてのアイデンティティがより深く描かれています。背丈は普通の二倍、横幅は五倍はあるとされ、手はゴミバケツのフタほど大きく、足は赤ん坊イルカくらいあるといいます。

女巨人の母フリドウルファは、ハグリッドが3歳くらいのころ、ハグリッドとハグリッドの父親の下を去りました。ハグリッドの父親はフリドウルファがいなくなってしまったことに「胸が張り裂けた」ようです。

巨人は凶暴な性格から魔法界では嫌われていましたが、ハグリッドの父はハグリッドに対し、「恥じることはないぞ」「そのことでお前を叩くやつがいても、そんなやつはこっちが気にする価値もない」と教えていました。

1996年、ハグリッドはドローレス・アンブリッジと、その命令で動いた5人(うち1人は闇祓いのドーリッシュ)に襲われます。このとき失神呪文を何本も浴びますが、びくともしませんでした。これはハグリッドが巨人の血を引いているためで、巨人はタフで魔法で「失神」させるのが非常に難しい生き物です。

アラゴグとの特別な絆

原作では、大蜘蛛であるアクロマンチュラのアラゴグとハグリッドの関係がより詳細に描かれています。

ハグリッドは学生時代、卵を旅人から手に入れて孵しました。城の物置に隠してアラゴグを大切に育てていましたが、やがて見つかってしまいます。アラゴグは女の子を殺した罪を着せられてしまいますが、ハグリッドはアラゴグを守りました。その女の子は、本当はトム・リドル(後のヴォルデモート卿)に操られた怪物、バジリスクに殺されました。

アラゴグはハグリッドへの名誉のため、決して人間を傷つけることはしませんでした。さらに、自分の子孫たちにもハグリッドだけは襲わないよう命じていました。

アラゴグの死(1997年)は、ハグリッドにとって家族を失うような悲しみでした。

グロウプとの関係

1995年の巨人への使節任務で、ハグリッドは異父弟のグロウプと出会います。巨人の中では小柄(それでも5,6メートル)で、いじめられていたグロウプを、ハグリッドは危険を承知でホグワーツに連れ帰り、禁じられた森に隠していました。

当初、グロウプは暴力的で手に負えず、ハグリッドは常に怪我をしていました。しかし、根気強い愛情を注ぎ続けた結果、グロウプは次第に落ち着きを見せるようになりました。アルバス・ダンブルドアの葬儀に参列した際には、上着とズボンを着て、ほとんど普通の人間のように座っていました。ホグワーツの戦いでは、ホグワーツ防衛隊の側に立ち、ヴォルデモート卿側の巨人たちとも戦いました。

ハグリッドの杖

ハグリッドの杖は、オリバンダーの店で買った物で、材質は樫、長さは41センチ(16インチ)です。

ハグリッドはホグワーツ魔法魔術学校を3年生の時に退学処分になり、杖を真っ二つに折られました。しかし、その後もその杖を持ち続けており、ピンクの傘の中に隠して使用しています。

📝 原作と映画の主な相違点

  • スペリング能力: 原作では問題なく英単語を書いているが、映画では「Happy Birthday」を「Happee Birthdae」と書くなど、スペルが苦手な設定に
  • ノーバート/ノーベルタのその後: 原作では5年後にチャーリーからノーバートが実はメスで「ノーベルタ」に改名されたことを知るが、映画では言及なし
  • 巨人の使節任務: 原作では重要なエピソードとして詳しく描かれるが、映画では大幅に省略

💡 トリビア・豆知識

名前について

名前の「ルビウス」はラテン語で「赤」を意味し、錬金術における重要な色彩象徴を表しています。J. K. ローリングは錬金術の伝統に基づいて、ハグリッド(ルビウス=赤)とダンブルドア(アルバス=白)に対照的な色の名前を与えました。

錬金術において「赤」は情熱や感情を象徴し、世俗的で温かい心を持つ森の番人としてのハグリッドの性格を表現しています。一方「白」は禁欲や精神性を意味し、浮世離れした理論家ダンブルドアと対比されています。この二人は、ハリーにとって相互補完的な父親代わりの存在として設計されました。

命名センス

  • ハグリッドのペットの命名センスは独特で、獰猛な三頭犬に「フラッフィー(ふわふわちゃん)」、臆病な猟犬に「ファング(牙)」と名付けています。

📚 登場

  • 『ハリー・ポッターと賢者の石』
  • 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
  • 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
  • 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
  • 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
  • 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
  • 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
  • 『ハリー・ポッターと呪いの子』(夢の中に登場)
  • 『幻の動物とその生息地』(名前のみ言及)
  • ポッターモア
    • J. K. ローリングからの新着コンテンツ「色」(現在英語版のみの公開)

Footnotes

  1. 英語で”Happy Birthday”と書くべきところを、“Happee Birthdae” と書かれている。