ブロデリック・ボード

ブロデリック・ボードは魔法省の神秘部に勤めていた「無言者」の魔法使い。死喰い人の手により、事故に見せかけて殺害された。

来歴

誕生
1946年ころ
死去
1996年1月ころ
肩書き
  • 「無言者 (Unspeakable)」
所属
  • 魔法省、神秘部

ブロデリック・ボードは魔法省の神秘部に勤めていた。神秘部勤務の魔法使い・魔女たちは、勤務内容について他者に話すことができないので「無言者」と呼ばれている。魔法省に勤めていたアーサー・ウィーズリーとは知り合いだった様子である。
1994年、クィディッチ・ワールドカップの決勝戦を訪れていたウィーズリー家の子供たちとアーサー、そして一緒に来ていたハリー・ポッターハーマイオニー・グレンジャーは、試合前に滞在していたキャンプ場でボードを見かけている。

聖マンゴ入院

1995年、死喰い人ルシウス・マルフォイは「無言者」ボードに服従の呪文をかけ、神秘部の予言の間にある予言の球を運び出させようとした。しかし、予言の球を持ち出すことができるのはその予言に関わる者のみであることを知っていたボードは、マルフォイの服従の呪文に激しく抵抗した。ボードは言語能力を失ったほか、運動能力にも何らかの影響が出たため、聖マンゴ魔法疾患傷害病院に入院した。

腰が曲がり、耳に補聴トランペットをつけた年寄り魔法使いが、足を引きずりながら列の先頭に進み出て、ゼイゼイ声で言った。「ブロデリック・ボードに面会に来たんじゃが」
「49号室。でも、会ってもむだだと思いますよ」案内魔女がにべもなく言った。「完全に錯乱してますからね――まだ自分は急須だと思い込んでいます。次!」『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第22章

12月半ばごろの時点では、ボードは錯乱しており自分が急須だと思いこんでいる状態で、聖マンゴの49号室に入院していた。この頃、アーサー・ウィーズリーの見舞いにやって来たウィーズリー一家ハリー・ポッターが、案内魔女のデスクに並ぶ列のところでボードの見舞いに来た魔法使いを見かけている。

殺害

反対側のベッドには、土気色の肌をした悲しげな顔の魔法使いが、天井を見つめて横たわっていた。独りで何やらブツブツ呟き、周りのことはまったく気づかない様子だ。
(中略)
「それから、ほうら、ブロデリック、鉢植え植物が届きましたよ。それに素敵なカレンダー。毎月違う種類の珍しいヒッポグリフの写真が載っているわ。これでパッと明るくなるわね?」
癒者は独り言の魔法使いのところにいそいそと歩いて行き、ベッド脇の収納棚の上に、鉢植えを置いた。長い触手をゆらゆらさせた、なんだか醜い植物だった。それから杖で壁にカレンダーを貼った。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第23章

クリスマス、言語能力を取り戻しつつあったボードは、長期療養の病棟であるヤヌス・シッキー病棟に入院していた。病棟を担当していたミリアム・ストラウト癒師は、届いたクリスマス・プレゼントを患者たちに配っていた。
ボード宛のプレゼントの中には「悪魔の罠」の切り枝を鉢植えにしたものがあったが、ストラウト癒師はこれに気づかず、ボード自身が世話をするよう勧めてしまった。後にボードは「悪魔の罠」に首を締められ、ベッドで死亡しているのが見つかった。享年49歳。
年明けの日刊予言者新聞は、この事件を「事故」と報じていた。しかし実際には、ボードが回復し何が起こったかを語ることを恐れた死喰い人が仕組んだ殺人事件であると考えられている。

外見

小太りの魔女が降り、土気色の顔をした陰気な魔法使いが乗り込んできた。
「おはよう、アーサー」エレベーターが下りはじめたとき、その魔法使いが葬式のような声で挨拶した。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第7章

人間
性別
男性
肌の色
土気色
その他の特徴
  • 陰気
  • 悲しげな顔

ボードは土気色の肌をした魔法使いで、「陰気」もしくは「悲しげな顔」をした人物だと描かれている。

表記

邦訳(日本語)
ブロデリック・ボード
原書(英語)
Broderick Bode

登場箇所

  • 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
  • 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』