パンドラ・ラブグッド

パンドラ・ラブグッド (Pandora Lovegood) は、ルーナ・ラブグッドの母です[1]。実験を好み、自分でかけた呪文が失敗して亡くなりました[2]。ルーナが9歳のときのことです[2:1]。原作7冊で名前が語られることはありません。

人物情報

名前: パンドラ・ラブグッド(Pandora Lovegood)
生まれ: 語られていない
死亡: ルーナが9歳のとき。年は語られていない[2:2]
性別: 女性
種: 人間・魔法族

家族

実験を好んだ魔女

ハリー・ポッターが五年生だった年の学期最後の夜、ハリーは掲示板の前でルーナに会いました。ルーナにもセストラルが見えることを思い出したハリーが、知っている人が誰か死んだのかと尋ねると、ルーナはこう答えます[2:4]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第38章「二度目の戦いへ」

「うん」ルーナは淡々と言った。「あたしの母さん。とってもすごい魔女だったんだよ。だけど、実験が好きで、あるとき、自分の呪文でかなりひどく失敗したんだ。あたし、九歳だった」

すぐれた魔女であったこと、実験を好んだこと、自分の呪文で命を落としたこと。原作がパンドラについて述べているのはこれだけで、何の実験だったのか、どんな呪文だったのかは書かれていません。

魔法で治せない傷

死因について補っているのは、J.K.ローリングがポッターモアに寄せた「病気と障害」の記事です[1:2]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「病気と障害」

ルーナ・ラブグッドの母親のパンドラが、実験の最中にかけた魔法で失敗して死んでしまったり

この記事は、魔法界の医療に線を引いたものです。落下や殴り合いのような「一般的な」原因による傷は魔法で治せるけれども、呪いや逆噴射の魔法という「魔法的な」原因による傷は、重傷になったり回復不能になったり、命に関わることもある。それがこの記事の決めごとです[1:3]。パンドラの死は、その例として挙げられています。同じ並びに置かれているのは、自分でかけた忘却術で永遠の記憶を失ったギルデロイ・ロックハート、拷問で回復の見込みのない障害を負ったロングボトム夫妻、義足と魔法の目に頼るようになったマッド‐アイ・ムーディ、そしてフェンリール・グレイバックに襲われて傷の残ったビル・ウィーズリーです[1:4]

娘とセストラル

母の死は、ルーナがセストラルを見られる理由でもあります。セストラルの姿は「死を見たことがある者だけ」に見えるとされ、ハーマイオニーが「魔法生物飼育学」の授業でそう答えています[3]。ハリーがはじめてセストラルを見たとき、ルーナは自分も「ここに来た最初の日から見えてた」と話しました[4]。つまりルーナは、ホグワーツに入学する前に死を見たことになります。

ポッターモアの「セストラル」の記事は、その早さの理由をこう説明しています[5]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「セストラル」

一方、幼いころに母親を亡くしているルーナ・ラブグッドは、霊感が強く直観的で、死後の世界を恐れていないため、早い段階でセストラルの姿を見ることができたのでした。

同じ記事は、ハリーをそれと並べて書いています。ハリーは母が殺されるところを目の前で見ていながら、何年ものあいだセストラルが見えませんでした。そのとき赤ん坊で、意味を十分に理解できなかったからです[5:1]

ベールの向こう

母の話をしたあと、ルーナは自分の言葉でこう続けました[2:5]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第38章「二度目の戦いへ」

「うん。かなり厳しかったなぁ」ルーナは何気ない口調で言った。「いまでもときどき、とっても悲しくなるよ。でも、あたしにはパパがいる。それに、二度とママに会えないっていうわけじゃないもン。ね?」

ハリーが曖昧に返すと、ルーナは信じられないというふうに頭を振り、神秘部のアーチのある部屋で聞いた声のことを持ち出します。「ベールのすぐ裏側」で、みんな見えないところに隠れているだけだ、というのです[2:6]。ハリーはこの直前に、そのベールの向こうへシリウス・ブラックを失っていました。

パンドラの死は、娘が死をどう受け止めているかを通してだけ描かれています。

ルーナの部屋の写真

パンドラの姿が原作に出てくるのは、写真の中でです。ハリーたちがラブグッド邸を訪ねたとき、ハリーは螺旋階段を上ってルーナの部屋に入りました。天井にはハリー、ロン、ハーマイオニー、ジニー、ネビルの五人の顔が描かれ、その周りに「ともだち」の文字を繰り返した金の鎖が織り込まれています。ベッドの脇には大きな写真がありました[6]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第21章「三人兄弟の物語」

ベッドの脇に大きな写真があり、小さいころのルーナと、ルーナそっくりの顔をした女性が抱き合っている。この写真のルーナは、ハリーがこれまで見てきたどのルーナよりも、きちんとした身なりをしていた。写真は埃を被っていた。

原作はこの女性を「ルーナそっくりの顔をした女性」とだけ書いていますが、幼いルーナと抱き合う姿でルーナの寝室に飾られていることから、母と読めます。パンドラの容姿について原作が語るのは、この一行です。

写真が埃を被っていたことに、ハリーは違和感を覚えます。絨毯にも埃が厚く積もり、洋服箪笥は空で、ベッドには何週間も人の寝た気配がありませんでした。ルーナがこの家にいないことに、ハリーはこのとき気づきました[6:1]

名前

「パンドラ」という名が出てくるのは、前述のポッターモアの記事一箇所だけです[1:5]。原作7冊では、ルーナもゼノフィリウスも、彼女を名前で呼ぶことがありません。

登場・言及箇所

脚注


  1. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「病気と障害」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第38章「二度目の戦いへ」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第21章「蛇の目」 ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第10章「ルーナ・ラブグッド」 ↩︎

  5. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「セストラル」 ↩︎ ↩︎

  6. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第21章「三人兄弟の物語」 ↩︎ ↩︎