グリフィンドールの剣
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グリフィンドールの剣 (Sword of Gryffindor) は、およそ1000年前に小鬼の手で鍛えられた純銀の剣です。ルビーがはめ込まれ、鍔のすぐ下にはゴドリック・グリフィンドールの名前が刻まれています[1][2]。のちにヴォルデモートの分霊箱を破壊するのに使われました。
歴史
ラグヌック1世とグリフィンドール
国際機密保持法の施行前、魔法族がマグルと自由に交流できた時代には、魔法族は身を守るために杖だけでなく剣もまた同じくらい使用していました。そういった例が全くなかったとはいえないものの、マグルの剣に魔法族の杖で戦うこと自体はフェアではないとされていました。優れた魔法使いは普通の決闘にも秀でており、ゴドリック・グリフィンドールはそうした魔法使いの例として挙げられる人物でした[2:1]。
10世紀末~11世紀初頭ごろ、グリフィンドールの剣はゴドリック・グリフィンドールの注文によって、その当時小鬼の王であったラグヌック1世によって鍛えられました。ところがラグヌックはその出来栄えをいたく気に入り、自分のものにしようと画策します。そこでラグヌックはグリフィンドールに剣を奪われたふりをして、家来をグリフィンドールに差し向け剣を奪おうとしました。グリフィンドールは杖でこれに応戦すると、ラグヌックの家来を殺しはしませんでした。家来たちに魔法をかけてラグヌックのもとへ送り返し、今度剣を奪おうとした際には剣を使うことになると警告しました[2:2]。
ラグヌックはこの警告に恐れをなし、二度と正当な所有者であるグリフィンドールから剣を奪おうとはしなかったものの、生涯腹の虫が収まることはありませんでした[2:3]。
こうして「グリフィンドールが盗みを働いた」という言い伝えが生まれ、事実無根の話にも関わらず、今日に至るまで小鬼社会の一部で語り継がれることとなりました[2:4]。
組分け帽子の中へ
あまり知られていないことですが、組分け帽子はこの剣の隠し場所を兼ねています。剣には魔法がかけられており、グリフィンドール寮に所属する生徒が帽子をかぶって助けを求めると、帽子の中から現れるのです[3]。「剣を手にする資格」という発想は、真の持ち主の名を冠した学寮にふさわしい生徒の手に剣が戻る、という筋立てに生かされています[2:5]。
バジリスク退治
1993年5月、ハリー・ポッターは秘密の部屋の中で組分け帽子を被り、帽子の中からグリフィンドールの剣を取り出します。ハリーは秘密の部屋の怪物、バジリスクをこの剣を使って殺しました[4]。小鬼製の品物は自らを強化する物質を吸収するため、このときグリフィンドールの剣はバジリスクの毒を吸収しました。バジリスクの毒は分霊箱を破壊できるため、グリフィンドールの剣は分霊箱を破壊する能力を備えることになりました[5]。
秘密の部屋から戻ったハリーが、自分はグリフィンドールに入るべきだったのか分からないと漏らすと、ダンブルドアは剣をよく見てみるよう促します。鍔のすぐ下に刻まれていたのは、ゴドリック・グリフィンドールの名前でした[1:1]。
「真のグリフィンドール生だけが、帽子から、思いもかけないこの剣を取り出してみせることができるのじゃよ、ハリー」ダンブルドアはそれだけを言った。[1:2]
これ以来、ホグワーツの校長室の壁にかかったガラスケースに入れられ、グリフィンドールの剣は飾られていました[6]。
分霊箱の破壊
ダンブルドアの計画
1996年の夏、ダンブルドアはヴォルデモートの分霊箱となっていたマールヴォロ・ゴーントの指輪を破壊するのにこの剣を使用します。剣がガラスケースから出されるのを歴代校長の肖像画が見たのは、それが最後のことでした[5:1]。
ダンブルドアは生前、グリフィンドールの剣を遺言でハリーに遺していました。しかしグリフィンドールの剣はダンブルドアの遺品ではなく、ホグワーツ魔法魔術学校に属するものであるとの判断から、魔法大臣ルーファス・スクリムジョールはハリーへグリフィンドールの剣を渡すことを拒否しました[7]。
1997年6月にダンブルドアが亡くなると、本来は闇の物品が相続されるのを阻止するために作られた法律である『正当な押収に関する省令』を根拠に、スクリムジョールと魔法省はダンブルドアが遺贈した品を調べました[7:1]。この際にグリフィンドールの剣も調べられたはずですが、魔法省が調べることができたのは贋作の剣だったと考えられます。
これを予測していたダンブルドアは、本物の剣を精巧な贋作とすり替え、ガラスケースには贋作のほうを収めていました。本物の剣は校長室にあるダンブルドア自身の肖像画の裏、そこに作られていた空洞に隠されていたのです[8][9]。
グリフィンドールの剣がホグワーツの校長室に戻ると、ジニー・ウィーズリー、ネビル・ロングボトム、ルーナ・ラブグッドが校長室からグリフィンドールの剣を奪おうとします。これは失敗に終わったものの、校長セブルス・スネイプは剣をグリンゴッツに送り預けることにしました。この剣はレストレンジ家の金庫に預けられていましたが、それは贋作のほうであり、ベラトリックス・レストレンジは偽物だとは知りませんでした[5:2]。
ハリー、ロン、ハーマイオニーが野宿している場所がわかると、ダンブルドアの肖像画はスネイプに命じ、ハリーにグリフィンドールの剣を与えるように言います。ヴォルデモートがハリーに対して開心術を使う可能性を考え、剣を渡した人物がスネイプだとは知られてはいけませんでした[9:1]。スネイプはディーンの森にある凍った池の中に剣を沈め、自身の守護霊を使ってハリーを池へと誘導します。ハリーは池に潜ってグリフィンドールの剣を手にしますが、首にかけていたヴォルデモートの分霊箱、スリザリンのロケットが危険を察知し、鎖を締め上げてハリーを殺そうとしました。そこに現れたロンがグリフィンドールの剣とスリザリンのロケットを取り、ハリーは何とか池から出ることができました。そしてロンはグリフィンドールの剣を手に取り、分霊箱となっていたスリザリンのロケットを破壊しました[10]。
マルフォイの館
後にハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は「人さらい」に捕まり、マルフォイの館へと連れて行かれます。その際に「人さらい」はテントの中からグリフィンドールの剣を見つけて持っていました。グリフィンドールの剣が自分の金庫に預けられていると思っていたベラトリックス・レストレンジがこれを見て激昂し、どうやって剣を手に入れたか調べようと、ハーマイオニーを磔の呪いで拷問します[11]。
ハーマイオニーが拷問される間、ハリーとロンはマルフォイの館の地下牢に閉じ込められます。そこには杖作りのオリバンダー氏と、小鬼のグリップフック、ルーナ・ラブグッドとディーン・トーマスが閉じ込められていました。ベラトリックスはグリップフックを呼んで本物かどうか調べさせますが、ハリーの言葉に従ったグリップフックは剣は偽物だと嘘をつきました[11:1]。
グリンゴッツへ侵入
ハリーたちは屋敷しもべ妖精のドビーによって助け出され、ロンの兄ビルとその妻フラーの家、貝殻の家に滞在することになります。分霊箱がレストレンジ家の金庫に預けられていると考えたハリーは、そこで一緒に助けだされたグリップフックに金庫破りに協力してくれるよう頼みました。ハリーがドビーを丁重に葬ったことに感銘を受けていたグリップフックは、本物のグリフィンドールの剣と引き換えに、ハリーたちに協力することを承諾しました[12]。
しかし金庫に押し入ったことに気づかれると、グリップフックはグリフィンドールの剣を掴んで金庫から逃げ出してしまいました[13]。
ホグワーツの戦い
ホグワーツの戦いも終盤、ネビル・ロングボトムがヴォルデモートに無理矢理組分け帽子を被せられた際に、ネビルは帽子からグリフィンドールの剣を取り出します。ヴォルデモートのペットの蛇、ナギニを殺すようハリーから頼まれていたネビルは、グリフィンドールの剣を使ってナギニを殺しました。こうしてヴォルデモートの最後の分霊箱は破壊され、ヴォルデモートは再び死すべき存在になりました[14]。
戦いが終わると、ネビルは食事の皿の横にグリフィンドールの剣を置き、熱狂的な崇拝者に囲まれていました[14:1]。
所有権をめぐる対立
小鬼の側には、この剣はもともとラグヌック1世のものであり、それをゴドリック・グリフィンドールが奪ったのだ、という言い伝えが残っています。グリップフックが報酬として剣を要求したのも、この言い伝えを根拠としてのことでした[12:1]。
「違う!」小鬼はいらだって、長い指をロンに向けながら叫んだ。「またしても魔法使いの傲慢さよ! あの剣はラグヌック一世のものだったのを、ゴドリック・グリフィンドールが奪ったのだ。これこそ失われた宝、小鬼の技の傑作だ! 小鬼族に帰属する品なのだ!」[12:2]
小鬼にとって、小鬼が作った品は当然に小鬼のものであり、魔法使いへは代金と引き換えにその一代限り譲り渡すものにすぎません。一方の魔法使いは、代金を払った品は自分と子孫に永久に帰属すると考えます。この価値観の衝突には解決策がなく、双方が異なる正義を抱えたままです[2:6]。
外見
グリフィンドールの剣は純銀製で、鍔のすぐ下にはゴドリック・グリフィンドールの名前が刻まれています。またグリフィンドールを象徴する宝石、ルビーが嵌めこまれています[1:3][2:7]。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
- 第17章「スリザリンの継承者」
- 第18章「ドビーのごほうび」
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第30章「ペンシーブ」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第16章「ホッグズ・ヘッドで」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第23章「ホークラックス」
- 第29章「不死鳥の嘆き」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第7章「アルバス・ダンブルドアの遺言」
- 第15章「小鬼の復讐」
- 第16章「ゴドリックの谷」
- 第19章「銀色の牝鹿」
- 第23章「マルフォイの館」
- 第24章「杖作り」
- 第25章「貝殻の家」
- 第26章「グリンゴッツ」
- 第33章「プリンスの物語」
- 第36章「誤算」
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