ヴォルデモート卿(本名:トム・マールヴォロ・リドル)の母親。サラザール・スリザリンの子孫で「聖28一族」のゴーント家の末裔です。家族や祖先のスリザリンと同じようにパーセルマウスでした。1926年の大晦日、息子トム・マールヴォロをロンドンの孤児院で出産し間もなく亡くなりました。
基本データまとめ
メローピー・ゴーント(Merope Gaunt)
1907年ころ
1926年12月31日
女性
人間・魔法族(純血)
- 黒
- 両目が逆を向いている
素材不明
パーセルマウス(蛇語使い)
- マールヴォロ・ゴーント(父)
- モーフィン・ゴーント(兄)
- トム・リドル(夫)
- トム・マールヴォロ・リドル(息子)
- サラザール・スリザリン
- カドマス・ペベレル
- コルビヌス・ゴーント
来歴
生い立ち
メローピー・ゴーントはリトル・ハングルトンの村外れにある掘っ立て小屋で、父マールヴォロと兄モーフィンとともに暮らしていました。
ゴーント家は長年近親婚を続けており、暴力的で情緒不安定の家柄で知られていました。壮大なことを好み、メローピーの父マールヴォロが生まれるころには先祖の財産を浪費し尽くしていたといいます。また、ゴーント家はサラザール・スリザリンの子孫で、メローピーもまた先祖のスリザリンと同じようにパーセルマウス(蛇語使い)でした。
ホグワーツ魔法魔術学校や他の魔法学校に行ったかは定かではありませんが、杖を持ちそれを使っていました。メローピーは魔法の才能があまり見られず、父から「汚らしいスクイブ」と言われるなど虐待を受けて育ちました。18歳のころ父や兄がアズカバンに投獄されると、メローピーは長年抑圧されていた魔力を解き放つことができたのだろう、とアルバス・ダンブルドアは推測しています。
結婚
メローピーはリトル・ハングルトンの村に住む地主、裕福なリドル家の息子トム・リドルに思いを寄せていました。1925年の夏、モーフィンはメローピーがトムに片思いをしていることを知り、トムに呪いをかけて蕁麻疹だらけにしてしまいます。事態を収拾した魔法省は犯人がモーフィンであることを突き止め、ボブ・オグデンはモーフィンの召喚状を持ってゴーント家を訪れました。その際にモーフィンはメローピーが片思いしていることを明かし、純血を重んじる父マールヴォロはそれを聞いて激怒しメローピーを攻撃しましたが、オグデンによって阻まれました。
モーフィンは間もなく魔法警察部隊によって逮捕され、その際部隊の何人かを攻撃したマールヴォロも逮捕されました。マールヴォロは半年、モーフィンは2年の収監を言い渡され、メローピーは生まれて初めて父や兄から開放されることになりました。メローピーは掘っ立て小屋に置き手紙を残し、思いを寄せていたハンサムなマグル、トム・リドルと駆け落ちします。
のちにその様子を「憂いの篩」で見たハリー・ポッターは、「服従の呪文」や「愛の妙薬」を使ったのではないかと考えましたが、アルバス・ダンブルドアは「愛の妙薬」のほうがロマンチックに思われるから、おそらく後者だろうと推測しています。いずれにしても、1925年ころにメローピーはトム・リドルと結婚し、ロンドンで暮らし始めました。リトル・ハングルトンは村中がこのスキャンダルに沸き返ったといいます。
翌年、メローピーはトムの子どもを身ごもりました。この頃に、メローピーは夫を魔法で隷従させることをやめてしまいます。自分が夢中だったために夫のほうも自分の愛に応えてくれるようになっていると確信していたか、もしくは生まれてくる子どものために一緒にいてくれるだろうと思ったのかもしれない、とアルバス・ダンブルドアは推測しています。しかしトム・リドルは身重のメローピーを捨て、リトル・ハングルトンの屋敷に戻り二度と会うことはありませんでした。
出産
夫に捨てられたメローピーは、絶望のあまり魔法を使うことをやめてしまったのだろう、とアルバス・ダンブルドアは推測しています。メローピーは自分の命を救うためにすら杖を上げることはありませんでした。
夫に捨てられたメローピーはお金に窮していました。1926年のクリスマスの少し前、困窮のあまり、臨月のメローピーはゴーント家の家宝の一つ、スリザリンのロケットをカラクタカス・バークにたった10ガリオンで売り払ってしまいます。
その年の大晦日、身を切るような冷たい雪の夜、メローピーはロンドンにある孤児院を訪れ、玄関の石段をよろめきながら上がりました。そこで働き始めたばかりだったコールがメローピーを中に入れると、1時間後にメローピーは男の子を出産しました。
生まれた男の子には父親のトムと、自分の父親のマールヴォロをとって名付けて欲しい、とメローピーはコールに頼みます。そして姓はリドルだと告げると、メローピーは間もなく亡くなりました。息子が生まれてから1時間後のことでした。マールヴォロがおかしな名前だと思ったコールは、メローピーがサーカス出身ではないかと思っていました。
死後
メローピーがどこに葬られたかは定かではありません。メローピーは亡くなる前に息子の名前のことしか話さなかったので、孤児院の人々にはメローピーの身元はわからなかったと考えられます。
メローピーの息子、トム・マールヴォロ・リドルは長らく母親が魔女だとは知らずに育った上、もし母親が魔女だったならば死ぬはずがなく、父親の方が魔法族だったに違いないと考えていました。母が父を魔法で隷従させて結婚したとは露知らず、妻が魔女だと知って父親は母親を棄てたのだろう、とトムは信じており、また真実を知ることもなかったようです。
のちにトム・マールヴォロ・リドルは、史上最悪の闇の魔法使い、ヴォルデモート卿として恐れられました。
外見
1925年にボブ・オグデンがゴーント家を訪れた際には、メローピーは蒼白くぼってりとした顔立ちで、両目が逆の方向を向いており、艶のない髪はダラリと垂れていました。後にその様子を見たハリーは、こんなに打ちひしがれた顔は見たことがない、と思いました。ミセス・コールは「美人とはいえない」と語っていました。
J.K.ローリングのコメント
[…] everything would have changed if Merope had survived and raised him herself and loved him.
([…]もしメローピーが死なずに自分で息子を育て、息子を愛したなら、何もかもが変わっていたでしょう。)
J.K. Rowling and the Live Chat, Bloomsbury.com, July 30, 2007
2007年7月30日、Bloomsbury.comで行われたJ.K.ローリングとファンのチャットで、ローリングはメローピーがもし死なずに息子を育てていたなら、トム・マールヴォロ・リドルは悪の道には走っていなかっただろうという趣旨のコメントをしています。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(名前が明かされる)
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- J.K.ローリングへのインタビュー