イギリス魔法界の旧家の一つです。「聖28一族」の一つでもあり、ほとんどの魔法界の一族、純血の一族は特にブラック家と姻戚関係にあります。ブラック家には星や星座の名前をつける伝統があります。
家訓とルーツ
ブラック家の家訓は”Tonjours Pur”(「純血よ永遠なれ」)。この家訓は英語ではなくフランス語です。マルフォイ家のような他のイギリスの旧家の多くと同じく、フランスにルーツがあることが推察されます。
屋敷
1995年時点では、ブラック家の屋敷はグリモールド・プレイス12番地に存在します。客間ではブラック家の家系図を見ることができます(後述)。
ブラック家の最後の直系男子、シリウス・ブラックが亡くなると、彼の遺言によりグリモールド・プレイス12番地の屋敷はハリー・ポッターの所有となりました。
伝統
ブラック家には星や星座の名前をつける伝統があり、「非常に高い野心と自尊心を持つこの一族にはぴったり
」だとも言われています(ポッターモア)。
また、「年老いた屋敷しもべ妖精がお茶の盆を運べなくなったら首を刎ねる」という伝統もあるようです。
家系図
ブラック家の家系図は中世まで遡ることができ、ブラック家の屋敷であるグリモールド・プレイス12番地の客間に掛かったタペストリーに金の糸で刺繍されています。
20世紀、レギュラス・ブラックが1979年に、シリウス・ブラックが1996年に死去しました。2人には子供がなかったため、ブラック家の男系の血統は途絶えました。
女系ではマルフォイ家のドラコ・マルフォイやスコーピウス・マルフォイがブラック家の血を引いています。ニンファドーラ・トンクスやその息子テディ・ルーピンもブラック家の血を引いていますが、ニンファドーラの母アンドロメダが家系図から抹消されているため、家系図には載っていません。
『ハリー・ポッター』シリーズの作者J.K.ローリングは、2006年1月、手書きのブラック家の家系図をNGOのBook Aid Internationalに寄付、この家系図は同じ年の2月22日に競売にかけられました。
以下の家系図はこの手描きの家系図を元にしたものに、ドラコ・マルフォイの妻で純血の魔女、アストリア・グリーングラスと、ドラコとアストリアの息子スコーピウスを加えてあります。また、邦訳に登場がなく、確定した日本語訳の表記がないものに関しては、原則として英語の発音に則して表記しました。
家系図から抹消された人物
- アイラ(マグルのボブ・ヒッチェンズと結婚したため)
- フィニアス(マグルの権利を支持したため)
- マリウス(スクイブであったため)
- セドレラ(『血を裏切る者』であるウィーズリー家のセプティマス・ウィーズリーと結婚したため)
- アルファード(家出した甥、シリウスに金貨を遺したため)
- シリウス(家出したため)
- アンドロメダ(マグル生まれのエドワード(テッド)・トンクスと結婚したため)
血族
上記の家系図で中心となっているフィニアス・ナイジェラス・ブラックを基準に、以下世代ごとにブラック家の人物を挙げます。
フィニアス・ナイジェラスの曾々孫世代(1950-1960年代生まれ)
この世代では、ブラック家最後の直系男子シリウスやその弟、従姉たちが挙げられます。
名前 | 生没年 | 説明 |
---|---|---|
シリウス | 1959年‐ 1996年 | 16歳のとき家出して以来、ブラック家の家系図からは抹消されている。ブラック家の直系男子最後の1人。従姉のベラトリックスによって殺害された。シリウスの死によりブラック家の男系は断絶した。 |
レギュラス | 1961年‐1979年 | シリウスの弟。死喰い人だった。独身のまま兄シリウスより先に亡くなった。 |
ベラトリックス | 1951年‐1998年 | シリウスの従姉。死喰い人。ロドルファス・レストレンジと結婚。ロドルファスとの間に子どもはない。ブラック家最後の男子シリウスを殺害した張本人。 |
アンドロメダ | 1953年ころ‐ | シリウスの従姉。マグル生まれの魔法使い、テッド・トンクスと結婚したため家系図から抹消された。一人娘ニンファドーラがいる。 |
ナルシッサ | 1955年‐ | シリウスの従姉。ルシウス・マルフォイと結婚。一人息子ドラコがいる。ナルシッサの子孫は、ブラック家の伝統である星や星座に関わる名付けを続けている。 |
フィニアス・ナイジェラスの曾孫世代(1920年代‐1930年代生まれ)
名前 | 生没年 | 説明 |
---|---|---|
ルクリシア (Lucretia) | 1925年‐1992年 | シリウス(1959年‐1996年)の伯母。イグネイシャス・プルウェットと結婚。 |
オライオン (Orion) | 1929年‐1979年 | シリウス(1959年‐1996年)の父。はとこのワルブルガ (Walburga) と結婚。 |
ワルブルガ (Walburga) | 1925年‐1985年 | シリウス(1959年‐1996年)の母。はとこのオライオン (Orion) と結婚。 |
アルファード | 1920/30年代‐1970年代半ばころ | シリウス(1959年‐1996年)の叔父。家出した甥に金貨を遺したことが原因で家系図から抹消された。 |
シグナス (Cygnus) | 1938年‐1992年 | シリウス(1959年‐1996年)の叔父。ドゥルーエラ・ロジエール (Druella Rosier) と結婚。ベラトリックス、アンドロメダ、ナルシッサの三姉妹の父。 |
アラミンタ・メリフルア | 不明 | ワルブルガ (Walburga) のいとこ。J.K. ローリングの書いた家系図には載っていないが、5巻6章の記述によれば彼女はブラック家の家系図に載っている。 |
フィニアス・ナイジェラスの孫世代(1900-1910年代・1920年)
名前 | 生没年 | 説明 |
---|---|---|
アークタルス | 1901年‐1991年 | シリウス(1959年‐1996年)の父方の祖父。魔法省に多額の寄付をした見返りに、マーリン勲章勲一等を授与された(ポッターモア)。子どもは2人。 |
リコリス (Lycoris) | 1904年‐1965年 | シリウス(1959年‐1996年)の父方の大叔母。独身のまま亡くなった。 |
レギュラス | 1906年‐1959年 | シリウス(1959年‐1996年)の父方の大叔父。独身のまま亡くなった。 |
ポラクス (Pollux) | 1912年‐1990年 | シリウス(1959年‐1996年)の母方の祖父。イルマ・クラッブと結婚。子どもは3人。 |
カシオピア (Cassiopeia) | 1915年‐1992年 | シリウス(1959年‐1996年)の父方の大叔母。独身のまま亡くなった。 |
マリウス | 1910年代後半‐不明 | シリウス(1959年‐1996年)の父方の大叔父。スクイブであったため、家系図から抹消された。 |
ドリア (Dorea) | 1920年‐1977年 | シリウス(1959年‐1996年)の父方の大叔母。チャールズ・ポッター (Charles Potter) と結婚。息子が1人いる。 この息子がジェームズ・ポッターであるといわれていたが、ポッターモアでポッター家の情報が公開され、これは否定された。 |
カリドーラ (Callidora) | 1915年‐ | ハーファング・ロングボトム (Harfang Longbottom) と結婚。息子と娘が1人ずついる。 |
セドレラ (Cedrella) | 1917年ころ‐不明 | セプティマス・ウィーズリー (Septimus Weasley)と結婚。「血を裏切る者」ウィーズリー家の人物と結婚したため、家系図からは抹消されている。 アーサー・ウィーズリーがセドレラの息子ではないかと広くいわれているが、真偽は不明。 |
ケイリス (Charis) | 1919年‐1973年 | キャスパー・クラウチ (Casper Crouch) と結婚。息子1人、娘2人がいる。 |
フィニアス・ナイジェラスの子世代(1870-1880年代)
名前 | 生没年 | 説明 |
---|---|---|
シリウス | 1877年‐1952年 | ヘスパー・ガンプ (Hesper Gamp) と結婚。シリウス(1959年‐1996年)の父方の曽祖父。 |
フィニアス | 1880年ころ?‐不明 | マグルの権利を支持したため、家系図から抹消された。 |
アークタルス | 1884年‐1959年 | ライサンドラ・ヤックスリー (Lysandra Yaxley) と結婚。 3人の娘たちを通して、ロングボトム家、ウィーズリー家、クラウチ家が彼の血を引いていると考えられる。 |
ベルヴィーナ (Belvina) | 1886年‐1962年 | ハーバート・バーク (Herbert Burke) と結婚。息子2人、娘1人がいる。 |
シグナス (Cygnus) | 1889年‐1943年 | ヴァイオレッタ・ブルストロード (Violetta Bulstrode) と結婚。シリウス(1959年‐1996年)の母方の曽祖父。子どもは4人。 |
フィニアス・ナイジェラスとその兄妹(1840-1850年代)
名前 | 生没年 | 説明 |
---|---|---|
シリウス | 1845年‐1853年 | 7歳または8歳で亡くなった。 |
フィニアス・ナイジェラス | 1847年‐1925年 | ホグワーツ魔法魔術学校の歴代校長の一人。シリウス(1959年‐1996年)曰く、「歴代校長の中で一番人望がなかった」 |
エラドーラ | 1850年‐1931年 | シリウス(1959年‐1996年)曰く、「年老いた屋敷しもべ妖精がお茶の盆を運べなくなったら首を刎ねる」という伝統を打ち立てた魔女。 |
アイラ (Isla) | 1850年代ころ‐(不明) | マグルのボブ・ヒッチェンズ (Bob Hitchens)と結婚したため、家系図から抹消された。 |
縁族
名前 | 説明 |
---|---|
ロドルファス・レストレンジ | ベラトリックスの夫。子供はない。 |
テッド・トンクス | アンドロメダの夫。マグル生まれの魔法使いのため家系図には載っていない。一人娘ニンファドーラがいる。 |
ルシウス・マルフォイ | ナルシッサの夫。一人息子ドラコがいる。 |
イグネイシャス・プルウェット | ルクリシア (Lucretia)の夫。子どもはない。パーシー・ウィーズリーのミドルネームがこの人物由来の可能性があるが、定かではない。 |
ドゥルーエラ・ロジエール (Druella Rosier) | シグナス(1938年‐1992年)の妻。ベラトリックス、アンドロメダ、ナルシッサ三姉妹の母。 |
メラニア・マクミラン (Melania MacMillan) | アークタルス(1901年‐1991年)の妻。シリウス(1959年‐1996年)の父方の祖母。 |
ハーファング・ロングボトム (Harfang Longbottom) | カリドーラ (Callidora) の夫。息子と娘が1人ずついる。 |
セプティマス・ウィーズリー (Septimus Weasley) | セドレラ (Cedrella) の夫。「血を裏切る者」とされブラック家の家系図には載っていない。アーサー・ウィーズリーの父ではないかと広くいわれているが、真偽は不明。 |
キャスパー・クラウチ (Casper Crouch) | ケイリス (Charis) の夫。息子が1人、娘が2人いる。 |
イルマ・クラッブ | ポラクス (Pollux) の妻。シリウス(1959年‐1996年)の母方の祖母。 |
チャールズ・ポッター (Charles Potter) | ドリア (Dorea) の夫。一人息子がいる。一人息子がジェームズ・ポッターであると噂されていたが、ポッターモアでポッター家の情報が公開され、この噂は否定された。 |
ヘスパー・ガンプ (Hesper Gamp) | シリウス(1877年‐1952年)の妻。シリウス(1959年‐1996年)の父方の曾祖母。 |
ライサンドラ・ヤックスリー (Lysandra Yaxley) | アークタルス(1884年‐1959年)の妻。 |
ハーバート・バーク (Herbert Burke) | ベルヴィーナ (Belvina) の夫。息子2人、娘1人がいる。 |
ヴァイオレッタ・ブルストロード (Violetta Bulstrode) | シグナス(1889年‐1943年)の妻。シリウス(1959年‐1996年)の母方の曾祖母。 |
ボブ・ヒッチェンズ (Bob Hitchens) | アイラ (Isla) の夫。マグルのため家系図には載っていない。 |
言及箇所
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- ポッターモア(現在はWizardingWorld.comにリニューアルされており、英語版のみの公開)