テッド・トンクスはニンファドーラ・トンクスの父親であり、アンドロメダ・トンクスの夫であるマグル生まれの魔法使いです。純血の名家ブラック家に生まれたアンドロメダはテッドとの結婚を理由に一族から絶縁されましたが、二人はその後も共に家庭を築き、娘ニンファドーラを育てました。第二次魔法戦争中、魔法省によるマグル生まれ迫害(マグル生まれ登録委員会)を逃れて逃亡生活を送りましたが、1998年に死喰い人に殺害されました(HP7-22)。孫の誕生後に名前がテッド・ルーピン(テディ)へと受け継がれ、祖父の記憶は次の世代へと引き渡されました。

人物情報

名前: テッド・トンクス(Ted Tonks)
生まれ: 詳細不明(妻アンドロメダの姉ベラトリックス・レストレンジが1951年生まれ、妹ナルシッサ・マルフォイが推定1955年頃生まれであることから、テッドも同世代の1940年代後半〜1950年代前半の生まれと推定されますが、確証はありません)
死亡: 1998年、死喰い人に殺害される(HP7-22。正確な月日は原作に明示されていない)
性別: 男性
血統: マグル生まれ(Muggle-born)
種: 人間・魔法族

家族

来歴

生い立ち

テッド・トンクスの生い立ちは原作にほとんど描かれていません。マグル生まれの魔法使いとして生まれ、ホグワーツ魔法魔術学校に入学したと考えられますが、在学中の寮、学業成績、詳細なエピソードはいずれも明かされていません。

ホグワーツ時代にアンドロメダ・ブラックと出会い、やがて恋愛関係に至ったと考えられますが、二人の馴れ初めや交際の経緯は原作に描かれておらず、定かではありません。

アンドロメダとの結婚

テッドとアンドロメダ・ブラックの結婚は、ブラック家に激しい衝撃を与えました。アンドロメダは純血主義を家の根本に置くブラック家の出身であり、一族の家訓「Toujours Pur(常に純粋に)」を裏切る結婚として家族から断絶されました。グリモールド・プレイス12番地の壁に掲げられたブラック家の家系図を示しながら、シリウス・ブラックはハリーに次のように語りました(HP5-06)。

「アンドロメダの跡(あと)は焼き消してある。テッド・トンクスというマグル生まれと結婚したからだ」

(HP5-06、意訳)

この結婚により、アンドロメダはブラック家の家系図から名前を焼き消され(HP5-06)、姉のベラトリックス・レストレンジとも妹のナルシッサ・マルフォイとも長きにわたって没交渉の状態が続きました(HP5、HP7)。それでもアンドロメダはその選択を後悔することなく、テッドとの家庭を大切に築いていきました。

二人の間には娘ニンファドーラが1973年頃に生まれ(推定)、テッドとアンドロメダはその後も穏やかな家庭を営み続けたと考えられます(推定。原作に詳細な記述はありません)。

第二次魔法戦争・逃亡生活

1997年にヴォルデモートが魔法省を掌握すると、マグル生まれ登録委員会が設置され、マグル生まれの魔法使いたちは「魔力を盗んだ」として逮捕・尋問の対象とされました(HP7)。マグル生まれであるテッドも当然この迫害の対象となり、魔法省への出頭を求められましたが、これを拒否して逃亡生活に入りました。

逃亡中のテッドは、同じく迫害を逃れていた複数の人物とともに行動しました。その中には魔法省の職員だったダーク・クレスウェル(Dirk Creswell)、ホグワーツの生徒だったディーン・トーマス、そしてゴブリンのグリップフック(Griphook)とゴーナク(Gornuk)が含まれていました(HP7)。異なる立場の者たちが共通の危機のもとで行動をともにしたこのグループは、ヴォルデモート体制下での迫害の実態を象徴するものです。

しかし、ある時点でこのグループは死喰い人(スナッチャー)に発見・捕縛され、テッドは殺害されました(HP7-22)。捕縛の正確な状況や日時は原作に明記されておらず、定かではありません。

訃報・ポッターウォッチによる報道

テッドの死はラジオ放送「ポッターウォッチ(Potterwatch)」で報じられました(HP7-22)。ヴォルデモート体制に反対する者たちが秘密裏に運営していたこの放送で、テッドの名が死者として読み上げられました。森の中に潜伏していたハリー・ポッターたちはこの放送を聞き、テッドの死を知りました。

テッドが死喰い人に殺害されたのは、ただマグル生まれであったからに他なりません。この事実は、第二次魔法戦争における純血主義の暴力の残酷さを端的に示しています。

孫への名の継承

テッドが亡くなった後の1998年4月、孫テッド・リーマス・ルーピン(テディ)が誕生しました(HP7-25)。子の名付けの際、リーマス・ルーピンはハリーに次のように告げました(HP7-25)。

「息子の名前はテッドです。テッド・リーマスといいます」

(HP7-25、意訳)

孫の名「テッド」は亡くなった祖父テッド・トンクスにちなんでいます。テッドが孫の誕生より前に命を落としていたため(HP7の時系列から推定)、祖父と孫が顔を合わせることは叶いませんでした。しかし、名前という形で祖父の存在が次世代へと受け継がれたことは、テッドへの深い追悼の表れと言えます。

性格・人物像

テッドの人物像を直接描写する場面は原作にほとんど存在しておらず、その性格を具体的に示す一次資料は極めて限られています。しかし、いくつかの事実から人物像の輪郭を浮かび上がらせることはできます。

まず、マグル生まれという理由で差別されうる立場でありながら、純血の名家ブラック家の出身のアンドロメダが家族との絶縁という大きな代償を払ってテッドを選んだという事実は、テッドがそれほどの代償に値する人物であったことを示唆しています。アンドロメダが純血主義を捨てて選んだ相手として、テッドは自らの「マグル生まれ」という出自に誇りを持ち、誠実に生きた人物であったと考えられます。

また、娘ニンファドーラが示した「出自ではなくその人そのものを見る」という価値観、すなわち狼人間のリーマス・ルーピンを躊躇なく選んだ姿勢(HP6-30)は、両親から受け継いだ視点の発露と解釈できます。テッドとアンドロメダが差別と偏見を超えた選択によって形成した家族の在り方が、娘の人生観の根底をなしていたと言えます。

マグル生まれ登録委員会による迫害に対してテッドが出頭を拒んで逃亡の道を選んだことは、不当な権力に屈しない意志の表れとして読み取ることができます。逃亡中も、ゴブリンや若い学生を含む雑多なグループとともに行動し続けたことから、他者と協力し合いながら困難に立ち向かう人物像が浮かびます。

人間関係

テッドにとって最も重要な人間関係は、妻アンドロメダとの関係です。アンドロメダは純血の名家ブラック家に生まれながら、その純血主義を拒否してテッドと結婚しました。この選択によりアンドロメダは家系図から名前を焼き消され(HP5-06)、長きにわたって家族と没交渉の状態が続きましたが、二人は共に家庭を築いていきました。

テッドの死後、アンドロメダは娘トンクスと婿リーマスもホグワーツの戦いで同日に失い(HP7-33)、深い孤独の中で孫テッドの養育を一身に引き受けました(HP7エピローグ)。テッドとアンドロメダの関係は、差別と偏見に抗って人を愛することを選んだ物語の始点として、トンクス家三世代にわたる物語の礎をなしています。

娘ニンファドーラ(トンクス)は1973年頃に生まれ、テッドとアンドロメダのもとで育ちました(推定)。ニンファドーラが本名「ニンファドーラ」を激しく嫌い「トンクスと呼べ」と主張したこと(HP5-03)は広く知られていますが、その名を付けたのは母アンドロメダであり(HP5-03)、父テッドがどのように関わったかは定かではありません。

ニンファドーラが体現した「出自ではなくその人そのものを見る」という価値観は、マグル生まれの父とブラック家を離れた母のもとで育った娘の在り方の自然な帰結とも読めます。

トンクスはホグワーツの戦い(1998年5月2日)で夫リーマスとともに命を落としました(HP7-33)。テッドはそれより先に死喰い人に殺されており(HP7-22)、親子がほぼ同じ時期に命を落とすという事実は、第二次魔法戦争がこの家族に与えた打撃の深さを示しています。

テッドは孫の誕生(1998年4月)より前に命を落としており(HP7の時系列から推定)、祖父と孫は顔を合わせることが叶いませんでした。しかし、孫の名前「テッド」に祖父の名が受け継がれたことは(HP7-25)、失われた祖父への追悼の意を込めた命名です。テッド・ルーピン(テディ)が成長する中で、祖父のことは家族から語り伝えられていったと考えられます。

ディーン・トーマス・ダーク・クレスウェル(逃亡中の仲間)" tabindex="-1">ディーン・トーマス・ダーク・クレスウェル(逃亡中の仲間)

第二次魔法戦争中の逃亡生活を共にした仲間です。ディーン・トーマスはホグワーツの生徒であり(HP7)、ダーク・クレスウェルは魔法省の職員でした。ゴブリンのグリップフックとゴーナクを含むこのグループとともに潜伏生活を送りましたが、やがて捕縛されてテッドは命を落としました。ディーン・トーマスはその後シェル・コテージでハリーたちと合流し、逃亡生活の状況を証言しています(HP7)。

名前の由来

「テッド(Ted)」は「エドワード(Edward)」の愛称形です。「エドワード」は古英語の "ēadweard" に由来し、"ēad"(財産・幸運)と "weard"(守護者)が組み合わさった名で、「財産の守護者」または「幸運の守護者」を意味します。

孫の「テッド・ルーピン(テディ)」の正式名「テッド・リーマス・ルーピン(Ted Remus Lupin)」の「テッド」は、この祖父テッド・トンクスにちなんでいます(HP7-25)。「テディ(Teddy)」はさらにそこからの愛称形であり、エドワード→テッド→テディという愛称の連鎖の先に孫の呼び名が生まれています。

「トンクス(Tonks)」は英語圏に実在する苗字であり、特定の語源的意味は確認されていません。短く明快な音の響きは、娘ニンファドーラが「ニンファドーラ」を嫌って「トンクス」を名乗ったこととも相まって、この家族のイメージに独特の親しみやすさをもたらしています。

舞台裏

年表

年表

1940年代後半〜1950年代前半頃

  • テッド・トンクス誕生(推定。詳細不明)

時期不明(ホグワーツ在学中)

  • ホグワーツ魔法魔術学校在学(推定。詳細不明)
  • アンドロメダ・ブラックと出会う(推定)

1970年代前半頃

  • アンドロメダ・ブラックと結婚(推定。娘ニンファドーラが1973年頃生まれのため)
  • アンドロメダはブラック家の家系図から名前を焼き消される(HP5-06)

1973年頃

  • 娘ニンファドーラ・トンクス誕生(推定)

1997年

1997年末〜1998年初頭(推定)

  • 死喰い人(スナッチャー)に捕縛・殺害される(HP7-22)
  • 訃報がラジオ放送「ポッターウォッチ」で報道される(HP7-22)

1998年4月

  • 孫テッド・リーマス・ルーピン(テディ)誕生。「テッド」の名に祖父の名が受け継がれる(HP7-25)

登場・言及箇所