テッド・トンクス
テッド・トンクス (Ted Tonks) は、マグル生まれの魔法使いです。純血の名門ブラック家に生まれたアンドロメダと結婚し、そのために妻は一族の家系図から名を焼き消されました[1]。娘は闇祓いのニンファドーラ・トンクスです[2]。ヴォルデモートが魔法省を掌握したあとはマグル生まれの登録を拒んで逃亡し、1998年に死喰い人に殺されました[3][4]。
- アンドロメダ・トンクス(妻)[1:2]
- ニンファドーラ・トンクス(娘)[2:1]
- リーマス・ルーピン(娘の夫)[6]
- テディ・ルーピン(孫)[6:1]
来歴
アンドロメダとの結婚
テッドの生い立ちも、アンドロメダ・ブラックとの出会いも、結婚の時期も語られていません。原作でこの結婚が話題になるのは、ハリー・ポッターがグリモールド・プレイス十二番地の壁でブラック家のタペストリーを見た場面です。アンドロメダの名があるはずの位置には、小さな焼け焦げが残っていました[1:3]。
「アンドロメダのほかの姉妹は載っている。すばらしい、きちんとした純血結婚をしたからね。しかし、アンドロメダはマグル生まれのテッド・トンクスと結婚した。だから――」
そう説明したシリウス・ブラックは、杖でタペストリーを撃つまねをして自嘲的に笑いました[1:4]。アンドロメダの姉ベラトリックス・レストレンジと妹ナルシッサ・マルフォイの名は、それぞれ純血の家に嫁いだものとして家系図に残っています[1:5]。
ハリーの移送の夜(1997年7月)
1997年7月、ハリーをプリベット通りから移す作戦の夜、テッドの家の庭に、空中戦から逃れてきたオートバイがハグリッドとハリーを乗せたまま墜落しました。ハリーが気を失って目を覚ましたときには居間のソファに寝かされており、折れていた肋骨と歯と腕は治されていました[2:2]。
「ハグリッドは大丈夫だよ」男が言った。「いま、妻が看病している。気分はどうかね? ほかに折れたところはないかい? 肋骨と歯と腕は治しておいたがね。ところで私はテッドだよ。テッド・トンクス――ドーラの父親だ」
死喰い人に追われたと聞いたテッドは天井を見上げ、「そうか、それじゃあ、我々の保護呪文が効いたというわけだね?」と言いました。家の周囲百メートルには、死喰い人が侵入できない守りが張られていたのです[2:3]。ヴォルデモートが追跡の途中で消えたのは、この境界に入った時点でした[2:4]。
娘の安否がわからないまま取り乱すアンドロメダに、テッドは「ドーラは大丈夫だよ、ドロメダ」と声をかけ、闇祓いの仲間と危ない目に遭い慣れている子だと言い添えます[2:5]。そして銀のヘアブラシの移動キーでハリーとハグリッドを隠れ穴へ送り出しました[2:6]。
墜落したオートバイはシリウスの形見でした。テッドはその残骸の大半をアーサー・ウィーズリーに送っており、アーサーは妻に内緒でそれを鶏小屋に隠していました[7]。
マグル生まれの登録拒否と逃亡
ヴォルデモートが魔法省を掌握すると、マグル生まれの魔法使いはマグル生まれ登録委員会への登録を義務づけられました。テッドはこれを拒み、死喰い人が近所を嗅ぎ回っていると聞いて家を出ます[3:1]。
「先週、死喰い人たちが近所を嗅ぎ回っていると聞いて、逃げたほうがいいと思ったのだよ。マグル生まれの登録を、私は主義として拒否したのでね。あとは時間の問題だとわかっていた。最終的には家を離れざるをえなくなることがわかっていたんだ。妻は大丈夫なはずだ。純血だから。それで、このディーンに出会ったというわけだ。二、三日前だったかね?」
テッドが数日前に出会ったというディーンは、ハリーの同級生ディーン・トーマスです。一行にはほかに、六、七週間前から逃亡していたダーク・クレスウェルと、その道連れの小鬼グリップフック・ゴルヌックがいました[3:2]。
川岸で焚き火を囲むこの一行の会話を、近くのテントにいたハリーたちは「伸び耳」で盗み聞きします。テッドが小鬼たちに立場を尋ね、二人が笑っている理由をダークに問い返したことで、ジニー・ウィーズリーたちがグリフィンドールの剣を盗み出そうとして捕まったことと、グリンゴッツに預けられたその剣が贋物であることが話されました[3:3]。テッドはその場で子どもたちの無事を確かめようとしています[3:4]。
「でも、無事なんだろうね?」テッドが急いで聞いた。「つまり、ウィーズリー家の子どもたちが、これ以上傷つけられるのはごめんだよ。どうなんだね?」[3:5]
ハリーが姿を見せないことに苛立つダークに対し、テッドは『日刊予言者新聞』を鼻先で笑い、『ザ・クィブラー』を読めと勧めました[3:6]。
「いいかね、ポッターがまだ連中に捕まっていないということだけでも、たいしたものだ」テッドが言った。「私は喜んでハリーの助言を受け入れるね。我々がやっていることもハリーと同じだ。自由であり続けること。そうじゃないかね?」
死
その数か月後、テッドは死喰い人に殺されました。ハリーたちがその死を知ったのは、ポッターウオッチの放送を聞いたときです[4:2]。
「ロイヤルとロムルスのお二人の話を聞く前に」リーが話し続けた。「ここで悲しいお報せがあります。『WWN・魔法ラジオネットワークニュース』や『日刊予言者』が報道する価値もないとしたお報せです。ラジオをお聞きの皆さんに、謹んでお報せいたします。残念ながら、テッド・トンクスとダーク・クレスウェルが殺害されました」
同じ放送で、ゴルヌックも殺されたこと、ディーン・トーマスともう一人の小鬼は難を逃れたらしいことが伝えられました[4:3]。テッドがいつ、どこで、誰に殺されたのかは語られていません。放送では一分間の黙祷が捧げられました[4:4]。
孫に受け継がれた名
テッドの死からほどなく、娘ニンファドーラに息子が生まれます。貝殻の家に駆け込んできたリーマス・ルーピンが知らせたのは、その子の名前でした[6:2]。
「男の子だ! ドーラの父親の名前を取って、テッドと名付けたんだ!」
テディ・ルーピンは祖父と会うことのないまま、その名を継ぎました[6:3]。
外見と人物像
ハリーがトンクス家の居間で目を覚ましたとき、心配そうに覗き込んでいたのは「腹の突き出た、明るい色の髪をした男」でした[2:7]。のちに森の中で声だけを聞いたときも、ハリーは「腹の突き出た、陽気な顔」を思い浮かべています。感じのいい、心地よい声でした[3:7]。
墜落したハリーの肋骨と歯と腕を治し、落ちていた杖を拾って渡したように、テッドは慌てずに手を動かせる人物でした[2:8]。逃亡中の会話では、グリップフックの仕返しを「それでこそ男だ」と褒めてすぐ「あ、いや、それでこそ小鬼だ」と言い直し、死喰い人を金庫に閉じ込めたのではないかと冗談を続けています[3:8]。ダークがハリーは殺されたのではないかと口にしたときには、「ああ、ダーク、そんなことを言ってくれるな」と声を落としました[3:9]。
マグル生まれの登録を「主義として」拒んだこと、面識のないウィーズリー家の子どもたちの怪我を案じたこと、体制に従う『日刊予言者新聞』ではなく『ザ・クィブラー』を信用したこと。テッドについて語られているのは、ほとんどがこの一夜の焚き火の場面です[3:10]。
名前
「テッド(Ted)」は「エドワード(Edward)」の愛称です。孫の名について、ポッターモアのリーマス・ルーピンの記事はこう書いています[5:1]。
ルーピンの息子、エドワード・リーマス(愛称「テディ」)の名は、そのころ他界したばかりだったリーマスの義父からとったものです。
「リーマス」が父の名そのものであるように、「エドワード」も義父の名そのものと読めます。「テッド」は「エドワード」の愛称ですから、テッド本人の正式な名はエドワードだったことになります。ただし、テッド自身についてそう明記した箇所は原作にもポッターモアにもありません。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第6章「高貴なる由緒正しきブラック家」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第5章「倒れた戦士」
- 第6章「パジャマ姿の屋根裏お化け」
- 第15章「小鬼の復讐」
- 第22章「死の秘宝」
- 第25章「貝殻の家」
- ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「リーマス・ルーピン」
脚注
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第6章「パジャマ姿の屋根裏お化け」 ↩︎