ドレスローブ
ドレスローブ (Dress Robes) は、魔法界で正装として着られるローブです[1]。標準的な魔法使いの衣服に多少の変更が加えられた程度のもので、洗礼式・結婚式・葬儀といったフォーマルな席では必ずこの装いをします[1:1]。ホグワーツでは、三大魔法学校対抗試合が開かれた年に、用意するようにという指示が学校リストに加わりました[2]。
名前: ドレスローブ (Dress Robes)
用途: 正装用のローブ[2:1]
着用する場面: 洗礼式、結婚式、葬儀[1:2]、クリスマス・ダンスパーティ[3]
購入先: マダム・マルキンの洋装店[4]
概要
魔法使いの服装は、ファッションの流れの外にあります。J.K. ローリングは、標準的な魔法使いの服がシンプルなローブであることを説明したうえで、ドレスローブを「多少の変更が加えられてきた」衣装の例として挙げています[1:3]。
魔法使いの服装は、ドレスローブなどに多少の変更が加えられてきた程度で、ファッション性とは無縁です。一般的な魔法使いの服はシンプルなローブで、伝統的な三角帽をかぶることもあれば、無帽の場合もあります。洗礼式、結婚式、葬儀といったフォーマルな席では必ずこの装いで、女性のローブは丈が長い傾向にあります。
モリー・ウィーズリーは、これを「正装用のローブ」と言い換えて説明しています[2:2]。
英語版の dress robes には、日本語版で複数の訳語が当てられています。
「パーティローブ」: クリスマス・ダンスパーティの場面で、赤いタータンチェックを着たマクゴナガル先生の装いに使われています(『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第23章)
「式服」: ダンブルドアの葬儀の朝、大広間に集まった一同の装いに使われています(『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第30章)。同じ語は「マダム・マルキンの洋装店――普段着から式服まで」という店名にも現れます
「ドレス・ローブ」: 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、中黒の入る表記になっています
作中での使用
ホグワーツの学校リスト(1994年)
三大魔法学校対抗試合が開かれる年、ホグワーツの学校リストに、ドレスローブを用意するようにという指示が加わりました[2:3]。モリー・ウィーズリーがロンとハリーに渡した荷物には、それぞれのドレスローブが入っていました[2:4]。
「ドレスローブです!」おばさんが繰り返した。「学校からのリストに、今年はドレスローブを準備することって書いてあったわ――正装用のローブをね」
ロンに渡されたものは、栗色のビロード地に、黴の生えたようなレースの襟飾りと揃いの袖口レースがついた品でした[2:5]。
ロンが摘み上げているのは、ハリーには栗色のビロードの長いドレスのように見えた。襟のところに黴が生えたようなレースのフリルがついていて、袖口にもそれに合ったレースがついている。
一方、ハリーのものにはレースがまったくなく、制服とほとんど変わらない形で、色だけが黒でなく深緑色でした。モリーは、ハリーの目の色によく映えると思って選んだと言っています[2:6]。
自分にも同じようなものを買ってくれればよかったのにと訴えるロンに、モリーは、ロンの品は古着屋で買わなければならず、選べる品が多くなかったと答えています[2:7]。
「それは……その、あなたのは古着屋で買わなきゃならなかったの。あんまりいろいろ選べなかったんです!」おばさんの顔がサッと赤くなった。
ホグワーツ特急の車内では、ピッグウィジョンの籠からぶら下がった袖のレースを見つけたドラコ・マルフォイが、ロンのドレスローブを吊るし上げて嘲笑しました[5]。
「これを見ろよ!」マルフォイがロンのローブを吊るし上げ、狂喜してクラッブとゴイルに見せた。「ウィーズリー、こんなのをほんとうに着るつもりじゃないだろうな? 言っとくけど――一八九〇年代に流行した代物だ……」
クリスマス・ダンスパーティ(1994年)
マクゴナガル先生は、四年生以上が参加を許されるクリスマス・ダンスパーティの案内で、ドレスローブの着用を指示しました[3:1]。
「パーティ用のドレスローブを着用なさい」マクゴナガル先生の話が続いた。「ダンスパーティは、大広間で、クリスマスの夜八時から始まり、夜中の十二時に終わります。ところで――」
当日、ロンは少しでも男らしく見せようと、襟と袖口のレースに切断の呪文をかけました[6]。
少しでも男っぽく見せようと躍起になって、ロンは襟と袖口のレースに「切断の呪文」をかけた。これがかなりうまくいき、少なくともロンは「レースなし」の姿になった。ただし、呪文の詰めが甘く、襟や袖口が惨めにボロボロのまま、みんなと階下に下りていった。
会場には、黒いビロードの詰襟を着たマルフォイ、フリルだらけの淡いピンクをまとったパンジー・パーキンソン、緑を着たクラッブとゴイルが現れました。マクゴナガル先生は赤いタータンチェック、フラー・デラクールはシルバーグレーのサテンでした[6:1]。
新しいドレスローブ(1995年)
学年の終わり、ハリーは三大魔法学校対抗試合の賞金1000ガリオンをフレッドとジョージに渡し、代わりにロンへ新しいドレスローブを買って、自分たちからの贈り物だと伝えるよう頼みました[7]。
その夏、ロンが監督生に選ばれたとき、モリーはご褒美として新しいドレスローブを提案しますが、フレッドとジョージはすでに買ってやったあとでした[8]。ロンは、二人がどこでガリオンを工面したのか分からないままでした[9]。
「あのさ、僕もそのこと考えてたんだ」ロンが額に皺を寄せた。「夏休みに僕に新しいドレス・ローブを買ってくれたんだけど、いったいどこでガリオンを手に入れたかわかんなかった……」
マダム・マルキンの洋装店(1996年)
ダイアゴン横丁での買い出しで、モリーはハーマイオニーが新しいドレスローブを買いたがっていることを理由に、マダム・マルキンの店へ立ち寄ることを提案しました[4:1]。店には、緑と青のスパンコールのついたドレスローブを掛けたローブ掛けがありました[4:2]。
そこで、ハリー、ロン、ハーマイオニーは一緒に小さな店内に入った。最初見たときは誰もいないように見えたが、ドアが背後で閉まったとたん、緑と青のスパンコールのついたドレスローブが掛けてあるローブ掛けの向こう側から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
同じ学年のうちに、ラベンダー・ブラウンは、自分の新しいドレスローブについてロンが何と言っていたかを、ハリーに根掘り葉掘り尋ねています[10]。
ダンブルドアの葬儀(1997年)
ダンブルドアの葬儀の日の朝、大広間では全員がドレスローブを着ていました。日本語版の訳語は「式服」です[11]。
大広間は沈痛な雰囲気に包まれていた。全員が式服を着て、誰もが食欲を失っているようだった。
ビルとフラーの結婚式(1997年)
ビルとフラーの結婚式で、マグルの少年に姿を変えていたハリーは、真夏の陽射しの下でドレスローブを窮屈で暑苦しく感じています[12]。ビルとチャーリーも、衿に大輪の白バラを挿したドレスローブ姿で式に臨みました[12:1]。
その直後に、ビルとチャーリーがテントの正面に立った。二人ともドレスローブを着て、衿には大輪の白バラを挿している。
式が死喰い人の襲撃で中断されたあと、ハリーとロンはドレスローブ姿のまま、マグルのロンドンのトテナム・コート通りに姿現ししました[13]。
二階建てバスがゴロゴロとそばを走り、パブで浮かれていたグループが、通りかかった三人をじろじろ見た。ハリーとロンはまだ、ドレスローブ姿だった。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第10章「魔法省スキャンダル」
- 第11章「ホグワーツ特急に乗って」
- 第22章「予期せぬ課題」
- 第23章「クリスマス・ダンスパーティ」
- 第37章「始まり」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第9章「ウィーズリーおばさんの嘆き」
- 第12章「アンブリッジ先生」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第6章「ドラコ・マルフォイの回り道」
- 第19章「しもべ妖精の尾行」
- 第30章「白い墓」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第8章「結婚式」
- 第9章「隠れ家」
- ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「衣服」