組分け帽子
組分け帽子 (Sorting Hat) は、ホグワーツ魔法魔術学校の新入生をどの寮に振り分けるかを決める、意思を持った魔法の帽子です。つぎはぎだらけの古びた三角帽で、四人の創設者の知性を宿し、かぶった者の心を読んで寮を選びます。校長室の棚に置かれ、毎年の入学式で組分けの儀式を執り行います。
名称: 組分け帽子 (Sorting Hat)
由来: もとはゴドリック・グリフィンドールの帽子で、四人の創設者が共同で魔法をかけた
所在: ホグワーツ魔法魔術学校 校長室
役割: 新入生の寮への組分け/グリフィンドールの剣の隠し場所
概要
伝説によれば、組分け帽子はもともと創設者の一人ゴドリック・グリフィンドールの持ち物でした。四人の創設者がこれに共同で魔法をかけ、それぞれの好みに沿って生徒を各寮へ振り分ける力を与えたとされます[1]。
帽子は文字通り四人の創設者の知性を宿しており、つばの近くの裂け目から言葉を発します。開心術に長け、かぶった者の頭の中を覗いてその能力や気分を見抜き、着用者の思考に応じて寮を選びます[1:1]。
組分けの儀式
入学式では、新入生がマクゴナガル先生に名を呼ばれて四本脚の丸椅子に座り、帽子をかぶせられます。すると帽子が声に出して寮名を告げます[2]。組分けに先立って帽子は毎年新しい歌を歌い、四つの寮それぞれの気質を説きます。
グリフィンドールに行くならば
勇気ある者が住う寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール
ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない
古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう
スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的遂げる狡猾さ [2:1]
ハリーの組分けでは、帽子は「スリザリンに入れば偉大になれる」と告げましたが、ハリーが「スリザリンだけは嫌だ」と強く念じたため、最終的にグリフィンドールを選びました[2:2]。
「スリザリンは嫌なのかね?」小さな声が言った。「たしかかね? 君は偉大になれる可能性があるんだよ。そのすべては君の頭の中にある。スリザリンに入れば間違いなく偉大になる道が開ける。嫌かね? よろしい、君がそう確信しているなら……むしろ、グリフィンドール!」[2:3]
のちにダンブルドアは、帽子がハリーをグリフィンドールに入れたのはハリー自身がスリザリンを拒んだからにほかならず、その選択こそが人となりを示すのだと説きました[3]。
能力と性質
帽子は組分けの判断の誤りを決して認めないことで知られています。スリザリン生が利他的に振る舞おうと、グリフィンドール生が臆病さを見せようと、当初の判断を頑として変えません[1:2]。
「組分け困難者」とは、組分けに五分以上かかった新入生を指す古い言葉です。帽子がそれほど長く迷うのは稀で、五十年に一度ほどしか起こりません。ミネルバ・マクゴナガルとピーター・ペティグリューがその実例で、ハーマイオニー・グレンジャーとネビル・ロングボトムもそれに近いところまで迷わせました[4]。一方、トム・リドルは帽子が頭に触れるとほぼ即座にスリザリンに決められています[5]。
帽子は組分けについて歌うだけでなく、時には学校全体への忠告を口にすることもあります。第5巻では、四人の創設者がかつて理想を共有して学校を築いたものの、スリザリンが純血の生徒だけを教えるべきだと主張したことで仲違いが生じた歴史を語り、寮が結束すべき時が来たと警告しました[6]。
グリフィンドールの剣の隠し場所
あまり知られていないもう一つの役割として、組分け帽子はグリフィンドールの剣の隠し場所を兼ねています。剣には魔法がかけられており、寮に所属する真のグリフィンドール生が帽子をかぶって助けを求めると、帽子の中から現れます[7]。
『ハリー・ポッター』シリーズの中で、この方法で剣は二度呼び出されました。一度目は秘密の部屋で窮地に陥ったハリーが帽子から剣を引き抜いたとき[8]、二度目はホグワーツの戦いでネビルが燃える帽子の中から剣を抜き放ったときです[9]。
歴史
組分け帽子はホグワーツの創設期に四人の創設者が魔法をかけて生み出し、以来毎年の組分けを担ってきました[1:3]。校長室の棚に置かれ、隣のガラスケースには、かつてハリーが帽子から引き抜いたグリフィンドールの剣が並んで保管されていた時期もあります[10]。
ホグワーツの戦いでは、ヴォルデモートが帽子を奪い、「もうホグワーツに組分けはない、寮もない」と宣言してネビルの頭に無理やりかぶせ、燃え上がらせました。しかし燃える帽子が頭から落ちた瞬間、ネビルは全身金縛りの呪いを振りほどき、帽子の奥からグリフィンドールの剣を引き抜いてナギニの首を一撃で刎ねました[9:1]。
名前の由来
英語名の sort は「振り分ける」を意味し、生徒を各寮に振り分ける帽子であることを表します。日本語版では「組分け帽子」と訳されています。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』第7章「組分け帽子」
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
- 第17章「スリザリンの継承者」
- 第18章「ドビーのごほうび」
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第12章「三大魔法学校対抗試合」
- 第30章「ペンシーブ」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第11章「組分け帽子の新しい歌」
- 第19章「ライオンと蛇」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第17章「ナメクジのろのろの記憶」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第7章「アルバス・ダンブルドアの遺言」
- 第33章「プリンスの物語」
- 第36章「誤算」
- 『ハリー・ポッターと呪いの子』第一幕・第二幕・第四幕
- ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「組分け帽子」「組分け困難者」
- Pottermore Presents『ホグワーツ 不完全 & 非確実 解説書』