直前呪文
直前呪文 (Priori Incantatem) は、杖がそれまでにかけた呪文を再現させる魔法です。杖先を突き合わせて呪文 プライオア・インカンタート を唱えると、その杖が直前にかけた呪文の影が現れます。
基本情報
呪文: プライオア・インカンタート(Prior Incantato)
分類: 逆呪文効果(原作で正式な分類は明示なし)
光: 金色(双子の杖が戦った場合)
効果: 杖にそれまでにかけた呪文を再現・吐き出させる
語源: ラテン語 prior(先の)+ incantare(呪文を唱える)
効果
ある杖の先にもう一本の杖先を突き合わせて プライオア・インカンタート と唱えると、突き合わせた側の杖が直前にかけた呪文を、ゴーストのような影のかたちで再現させることができます[1]。
双子の杖と「逆呪文効果」
芯に同じ素材を用いた「双子」の杖どうしが持ち主に戦うことを強いられると、非常にまれな効果が起こります。ダンブルドアによれば、一方の杖がもう一方の杖に、これまでにかけてきた呪文を新しい順に吐き出させるというものです[2]。ダンブルドアはこの現象を「直前呪文」と呼び、シリウスはこれを「逆呪文効果」と言い換えました[2:1]。
ハリーとヴォルデモートの杖は、どちらも不死鳥フォークスの尾羽根を芯に持つ双子の杖でした。そのため両者が戦ったとき、この効果が現れたのです[2:2]。
使用例
- 闇の印の調査(1994年):クィディッチ・ワールドカップの夜、魔法法執行部のアモス・ディゴリーは、闇の印を打ち上げた杖を突きとめるため、ハリーの杖に自分の杖先を当てて プライオア・インカンタート を唱えました。杖からは、直前にかけられた「闇の印」の呪文が、巨大な緑の髑髏の影となって現れました[1:1]。
- 墓地での対決(1995年):復活したヴォルデモートとハリーの杖が墓地でぶつかり合うと、両者は金色の光の糸でつながりました。ヴォルデモートの杖からは、彼がそれまでに殺めた人々の影が新しい順に現れます。セドリック・ディゴリー、老人(第1章で殺害されたマグルの老人フランク・ブライス)、バーサ・ジョーキンズ、そしてハリーの両親でした[3]。
- 杖作りとの会話(1998年):ハリーは、破損したハーマイオニーの杖と、マルフォイの館に残してきたクラッブの杖を、死喰い人が直前呪文で調べることを懸念しました。調べられれば、ハーマイオニーの杖がハリーの杖を折ったことや、以後ハリーが別の杖を使っていることが露見してしまうためです[4]。
名前の由来
呪文 プライオア・インカンタート(Prior Incantato)は、ラテン語の prior(「先の」「以前の」)と incantare(「呪文を唱える」)に由来します。名詞形の Priori Incantatem が現象そのものの呼び名として使われます。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第9章「闇の印」
- 第34章「直前呪文」
- 第36章「決別」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第24章「杖作り」