マゴリアン

マゴリアン (Magorian) は、禁じられた森に棲むケンタウルスです。栗毛の胴体に、気位の高い頬骨の張った顔と長い黒髪を持ちます[1]。1996年、森に立ち入るハグリッドの前に群れとともに現れ、人間に手を貸したフィレンツェを仲間への裏切りと断じました[1:1]。1998年のホグワーツの戦いには、ベインロナンとともに城へ駆けつけています[2]

人物情報

名前: マゴリアン(Magorian)
性別: 男性
種: ケンタウルス

禁じられた森でのハグリッドとの対峙

1996年、ハリー・ポッターハーマイオニー・グレンジャーを連れたハグリッドが森の奥から戻る途中、木立の中で何かが動く音がしました。ハグリッドが石弓に矢を番えたところへ、深い声がかかります[1:2]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第30章「グロウプ」

「ハグリッド、言ったはずだが?」深い男の声だ。「もう君は、ここでは歓迎されざる者だと」

ハグリッドが油断なく挨拶を返すと、その背後の森から四、五頭のケンタウルスが現れました。ベインがこの森に人間が顔を出したらどうするかは決めてあったはずだと言い、フィレンツェを逃がしたことをハグリッドが弁護すると、マゴリアンはそれを退けます[1:3]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第30章「グロウプ」

「ハグリッド、君は介入するべきではなかった」マゴリアンが言った。「我々のやり方は、君たちとは違うし、我々の法律も違う。フィレンツェは仲間を裏切り、我々の名誉を貶めた」

フィレンツェはアルバス・ダンブルドアを助けただけだとハグリッドが言い返しても、答えは変わりませんでした[1:4]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第30章「グロウプ」

「我々の知識と秘密を、ヒトに売りつけている」マゴリアンが静かに言った。「それほどまでの恥辱を回復する道はありえない」

森に誰が出入りするかを決めるのはケンタウルスではないとハグリッドが言うと、マゴリアンは今日は連れがいるから見逃すと告げます。連れは自分の若駒ではなく学校の生徒だとベインが軽蔑して遮っても、その方針は変わりませんでした[1:5]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第30章「グロウプ」

「そうだとしても」マゴリアンが落ち着いて言った。「仔馬を殺すのは恐ろしい罪だ――我々は無垢なものに手出しはしない。今日は、ハグリッド、行くがよい。これ以後は、ここに近づくではない。裏切り者フィレンツェが我々から逃れるのに手を貸したときから、君はケンタウルスの友情を喪失したのだ」

ハグリッドは石弓を構えたまま、脅すような目でマゴリアンを睨みながら立ち去りかけました[1:6]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第30章「グロウプ」

「君が森に何を隠しているか、我々は知っているぞ、ハグリッド!」ケンタウルスたちの姿が見えなくなったとき、マゴリアンの声が背後から追いかけてきた。「それに、我々の忍耐も限界に近づいているのだ!」

ハグリッドは向きを変え、マゴリアンのところへ取って返したいという様子を隠しませんでした[1:7]

アンブリッジとの対峙

1996年6月、ハーマイオニーはドローレス・アンブリッジを禁じられた森へ誘い込みました。四方八方から五十頭あまりのケンタウルスが現れて三人を弓で狙ったとき、包囲の中から弓矢を構えて歩み出たのがマゴリアンです[3]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第33章「闘争と逃走」

「誰だと聞いているのだぞ、人間」マゴリアンが荒々しく言った。

アンブリッジが魔法大臣上級次官・ホグワーツ校長・高等尋問官として名乗り、魔法生物規制管理部の法令を持ち出して群れを「半獣」と呼ぶと、周囲のケンタウルスがざわめきました。アンブリッジがヒトに近い知能を持つ魔法生物についての条文を読み上げると、マゴリアンはその一節を繰り返します[3:1]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第33章「闘争と逃走」

「ヒトに近い知能?」マゴリアンが繰り返した。ベインや他の数頭が激怒して唸り、蹄で地を掻いていた。「人間! 我々はそれが非常な屈辱だと考える! 我々の知能は、ありがたいことに、おまえたちのそれをはるかに凌駕している」

そのあと、頭すれすれに矢を射かけられたアンブリッジは、マゴリアンに杖を向けて「インカーセラス」を唱えました[3:2]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第33章「闘争と逃走」

ロープが太い蛇のように空中に飛び出してケンタウルスの胴体にきつく巻きつき、両腕を捕らえた。マゴリアンは激怒して叫び、後脚で立ち上がって縄を振り解こうとした。他のケンタウルスが襲いかかってきた。

群れがアンブリッジに襲いかかり、ベインが彼女を運び去ったあと、残されたハリーとハーマイオニーの扱いをめぐって群れの声が交わされます。その最中、平地の端の木立を押し開いて巨人のグロウプが現れました。ケンタウルスたちが一斉に弓を向けるなか、マゴリアンが呼びかけます[3:3]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第33章「闘争と逃走」

「ここを立ち去れ、巨人よ!」マゴリアンが呼びかけた。「我らにとって、おまえは歓迎されざる者だ!」

グロウプはこの言葉に反応せず、「ハガー」と繰り返し声を轟かせました[3:4]

ホグワーツの戦い

1998年5月、ホグワーツの戦いの終盤、城には次々と援軍が押し寄せました。マゴリアンはベイン、ロナンとともに駆け込みます[2:1]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」

ケンタウルスのベイン、ロナン、マゴリアンが蹄の音も高く大広間に飛び込んできたまさにそのとき、ハリーの背後の、厨房に続く扉の蝶番が吹き飛んだ。

二年前にハグリッドを森から締め出し、人間との関わりを拒んでいた群れが、この戦いに加勢するに至った経緯は語られていません。

外見

初めて姿を現した場面の描写は次のとおりです[1:8]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第30章「グロウプ」

男の裸の胴体が、まだらな緑の薄明かりの中で、一瞬宙に浮いているように見えた。やがて、男の腰の部分が、栗毛の馬の胴体に滑らかに続いているのが見えた。気位の高い、頬骨の張った顔、長い黒髪のケンタウルスだった。ハグリッドと同じように、武装している。矢の詰まった矢立てと長弓とを両肩に引っ掛けていた。

人物像

ハグリッドの前に現れた場面でも、アンブリッジを取り囲んだ場面でも、群れを代表して人間に応じるのはマゴリアンです[1:9][3:5]。ベインが軽蔑を露わにし、他のケンタウルスが唸り声を上げて蹄で地を掻くあいだも、静かに、落ち着いて話します[1:10]。ただし、族長のような地位を示す言葉は原作にありません。

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第30章「グロウプ」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」 ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第33章「闘争と逃走」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎