消失呪文

消失呪文 (Vanishing Spell) は、対象を跡形もなく消し去る変身術の呪文です。呪文は「エバネスコ」(Evanesco)[1]。ホグワーツでは五年生の変身術で学ぶ、O.W.L.級の難しい魔法の一つです。

基本情報

呪文: エバネスコ(Evanesco
分類: 変身術(Transfiguration)
効果: 対象を消し去る
語源: ラテン語 evanescere(消え去る)
初出: 『不死鳥の騎士団』第5章

効果

消失呪文は、物体でも生き物でも、対象を消し去ってしまう呪文です。魔法薬の授業では、スネイプハリーの失敗した薬に「エバネスコ」と唱え、大鍋の中身を一瞬で消してしまいました[1:1]。成人した魔法使いにとっては日常的な呪文でもあり、ビル・ウィーズリーが騎士団の書類の巻物を、この呪文でテーブルから消す場面もあります[2]

消す対象の複雑さが増すほど、呪文は難しくなります。変身術のマクゴナガル先生は、無脊椎動物のカタツムリはさほど難しくないが、哺乳類のネズミを消すのははるかに難しいと説明しています[3]

O.W.L.級の難しさ

消失呪文は、五年生の変身術でO.W.L.(普通魔法レベル試験)対策として導入されます。マクゴナガル先生によれば、この呪文は、通常はN.E.W.T.級まで扱わない「出現呪文」よりは易しいものの、それでもO.W.L.で問われる魔法のなかでは最も難しいものの一つです[4]。授業ではまずカタツムリで練習し、ハーマイオニーが三度目の挑戦で成功させて、寮に10点をもたらしました[4:1]

なお、スネイプが日頃ハリーの失敗作にかけていた呪文がこの消失呪文であることは、離れた場面から裏づけられます。フレッドとジョージの実演で生じた吐瀉物を、リー・ジョーダンが「スネイプがハリーの薬にいつも使っているのと同じ消失呪文」で片づけていた、と語られているためです[5]

名前の由来

呪文「エバネスコ」は、ラテン語の evanescere(「消え去る」「見えなくなる」)に由来すると見られます。

使用例

使用者 場面 効果・結果
ビル・ウィーズリー 『不死鳥の騎士団』第5章 グリモールド・プレイスで羊皮紙の巻物を消す[2:1]
スネイプ 『不死鳥の騎士団』第12章 ハリーの失敗した魔法薬を消し、大鍋を空にする[1:2]
ハーマイオニー 『不死鳥の騎士団』第13章 変身術の授業で、三度目にカタツムリを消すことに成功する[4:2]

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第12章「アンブリッジ先生」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第5章「不死鳥の騎士団」 ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第15章「ホグワーツ高等尋問官」 ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第13章「アンブリッジのあくどい罰則」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  5. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第17章「教育令第二十四号」 ↩︎