サラザール・スリザリン
サラザール・スリザリン (Salazar Slytherin) は、ホグワーツ魔法魔術学校を創設した4人のひとりで、スリザリン寮の名の由来となった中世の魔法使いです[1]。純血の家系に生まれた生徒だけを教えるべきだと主張し、他の創設者と対立して学校を去りました[1:1]。
名前: サラザール・スリザリン(Salazar Slytherin)
性別: 男性
種: 人間・魔法族
時代: 中世(正確な年代は不明)[2]
来歴
ホグワーツの創設
1000年以上前、当時もっとも偉大な4人の魔女と魔法使い――サラザール・スリザリン、ゴドリック・グリフィンドール、ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクロー――は、マグルの詮索を逃れられる土地に城を築き、ホグワーツ魔法魔術学校を創設しました。当時は魔法が恐れられ、魔女や魔法使いが激しい迫害を受けていた時代でした[1:2]。
はじめの数年、4人は仲良く協力し、魔法の力を示した若者を探し出しては城に招いて教育していました[1:3]。やがて4人はそれぞれ自分の名を冠する寮を持ち、自分好みの生徒を受け入れるようになります。組分け帽子の歌によれば、スリザリンが好んだのは純血の生徒で、自分と同じ狡猾さを備えた者たちでした[4]。
学校からの離脱
やがて4人の間に意見の食い違いが生まれ、スリザリンと他の3人との亀裂が広がっていきます。スリザリンは、ホグワーツには選び抜かれた生徒だけが入学を許されるべきであり、魔法教育は純粋に魔法族の家系にのみ与えられるべきだと考えていました。マグルの親を持つ生徒には学ぶ資格がないというのがその主張です。この問題をめぐってスリザリンはグリフィンドールと激しく言い争い、学校を去りました[1:4]。
組分け帽子はこのときのことを、決闘に次ぐ決闘、友と友との衝突が続いた末に、ある朝ついに決着してスリザリンが学び舎を去ったのだと歌っています。争いこそ収まったものの、後には虚脱感が残り、創設者4人が目指した寮の結束は成らなかったといいます[4:1]。
秘密の部屋
信頼できる歴史的資料が語るのはここまでで、その先は秘密の部屋の伝説として伝わっています。スリザリンは城に、他の創設者にはまったく知られていない隠し部屋を作り、これを封印して、自分の真の継承者が現れるまで誰にも開けられないようにした、というものです。継承者だけが封印を解いて中の恐怖を解き放ち、それを用いて魔法を学ぶにふさわしくない者を学校から追放するのだと語り継がれてきました[1:5]。
ホグワーツの歴史を教えるビンズ先生は、この話を「騙されやすい者を怖がらせる作り話」として退けていました[1:6]。しかし部屋は実在し、1992年から1993年にかけて、日記に残されたトム・リドルの記憶によって再び開かれます。部屋の中で恐怖の正体となっていたのはバジリスクでした[5]。部屋の奥には、年老いた猿のような顔に長い顎鬚をたくわえたスリザリンの巨大な石像が立っており、その口がバジリスクの棲家になっていました[6]。
継承者と末裔
スリザリンは蛇と話せることで有名であり、それゆえにスリザリン寮のシンボルは蛇になっています[3:1]。この蛇語の能力は血筋に受け継がれました。
ゴーント家は、代々自分たちをスリザリンの末裔だと誇り、家宝の金のロケットを血筋の証としていました[7]。このロケットには飾り文字の「S」でスリザリンの印が刻まれています[8]。ゴーント家の血を引くトム・リドル――のちのヴォルデモート卿――は、自らをスリザリンの継承者と称して秘密の部屋を開き[6:1]、ホグワーツの戦いの場でもスリザリンを「わが高貴なる祖先」と呼んでいます[9]。
アルバス・ダンブルドアは、スリザリンが自ら選び抜いた生徒たちが備えていた資質として、スリザリン自身の希にみる能力である蛇語、機知に富む才知、断固たる決意、そしてやや規則を無視する傾向を挙げています[10]。
蛙チョコレートのカード
サラザール・スリザリンは、ホグワーツの創設者として蛙チョコレートのカードに採られています[11]。カードでは、記録に残るもっとも初期の蛇語使いのひとりであり、熟練した開心術士であり、純血至上主義の悪名高い擁護者として紹介されています[11:1][2:2]。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
- 第9章「壁に書かれた文字」
- 第11章「決闘クラブ」
- 第12章「ポリジュース薬」
- 第16章「秘密の部屋」
- 第17章「スリザリンの継承者」
- 第18章「ドビーのごほうび」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第11章「組分け帽子の新しい歌」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第10章「ゴーントの家」
- 第20章「ヴォルデモート卿の頼み」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第36章「誤算」
- 蛙チョコレートのカード
- 「サラザール・スリザリン」(EA版 48番)
- ポッターモア
- 「サラザール・スリザリンのカード」
- 「Timeline of the Wizarding World」
- J.K. ローリング旧公式サイト「今月の魔法使い」(2007年6月)