セクタムセンプラ
セクタムセンプラ (Sectumsempra) は、対象を目に見えない剣で切り裂いたかのように傷つける呪文です。半純血のプリンス(スネイプ)が自分の『上級魔法薬』の教科書に「敵に」と書き添えていた自作の呪文で、ハリーがドラコ・マルフォイに負わせた重傷で知られます。
呪文: セクタムセンプラ(Sectumsempra)
分類: 呪い(地の文で "curse" と言及。正式な分類の明示はなし)
効果: 対象を、見えない剣で切られたように切り裂き出血させる
考案者: セブルス・スネイプ(半純血のプリンス)
対抗呪文: スネイプの用いた、歌うような反対呪文(呪文名は明示なし)
語源: ラテン語 sectum(切る)+ semper(常に)
初出: 『謎のプリンス』第21章
効果
セクタムセンプラを浴びせられた対象は、見えない剣で切りつけられたかのように、顔や胸から血を噴き出します。ハリーがマルフォイに放ったときは、深い切り傷から大量に出血し、命に関わるほどの重傷となりました[1]。
一方、血を持たない相手には効果がありません。ハリーが洞窟で亡者の群れに向けて放ったときは、ぼろ布や凍った皮膚に切り傷はできたものの、流す血がないため彼らは何も感じずに進み続けました[2]。
傷は、スネイプが歌うような呪文を唱えながら杖で傷跡をなぞることで癒せます。ハリーの呪いが刻んだ深い傷も、スネイプの反対呪文でみるみる塞がっていきました[1:1]。のちにハリーは、狼人間グレイバックに襲われたビル・ウィーズリーの傷を見て、スネイプがマルフォイのセクタムセンプラの傷をいとも簡単に癒したことを思い出しています[3]。
考案者と「闇の魔術」
この呪文は、半純血のプリンス、すなわちスネイプが『上級魔法薬』の教科書の余白に書き込んでいたもので、「敵に」(For Enemies)という見出しが添えられていました[4]。ハリーは効果を知らないまま試してみたいと思っていましたが、ハーマイオニーの前で使うのは気が引け、ずっと試さずにいました[4:1][1:2]。
マルフォイを負傷させたあと駆けつけたスネイプは、ハリーがこれほどの闇の魔術を使えたことに驚き、誰に教わったのかと問い詰めました。この呪文を使った瞬間に、スネイプはハリーが自分の古い教科書を使っていることを見抜いていたのです[1:3][5]。
名前の由来
ラテン語の sectum(動詞 secare「切る」の過去分詞)と semper(「常に」「絶えず」)に由来すると見られます。
使用例
| 使用者 | 場面 | 効果・結果 |
|---|---|---|
| ハリー | 『謎のプリンス』第24章 | トイレでの決闘中、床から反射的に叫び、マルフォイの顔と胸を切り裂いて重傷を負わせる[1:4] |
| ハリー | 『謎のプリンス』第26章 | 洞窟で亡者の群れに放つが、血を持たない相手には無効[2:1] |
| スネイプ | 『死の秘宝』第5章・第33章 | 「7人のポッター」作戦の追跡戦で死喰い人の杖腕を狙って放つが、それてジョージに命中し、片耳を失わせる[6][7] |
ルーピンはこの呪文を「スネイプの得意技」と評しています[6:1]。実際にジョージが耳を失った経緯は、当初は事故のように語られますが、のちにペンシーブで見たスネイプの記憶によって、死喰い人を狙った呪文がそれた結果だったことが明かされます[7:1]。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第21章「不可知の部屋」
- 第24章「セクタムセンプラ」
- 第26章「洞窟」
- 第29章「不死鳥の嘆き」
- 第30章「白い墓」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第5章「倒れた戦士」
- 第33章「プリンスの物語」