脱狼薬

脱狼薬 (Wolfsbane Potion) は、狼人間が満月の変身のあいだも正気を保てるようにする魔法薬です。松岡佑子訳では「トリカブト系の脱狼薬」とも呼ばれます。

基本情報

名称: 脱狼薬 (Wolfsbane Potion)
別名: トリカブト系の脱狼薬
種別: 魔法薬(症状緩和)
効果: 狼人間が変身後も人間の理性を保てるようにする
発明者: ダモクレス・ベルビー
初出: 『アズカバンの囚人』第18章

効果

脱狼薬は、狼人間が月に一度、人間の姿を失うこと自体を防ぐわけではありません。しかしこの薬を飲むと、変身後の狼は「普通の眠たい狼」にとどまり、正気を保ったまま無害に過ごせます[1]

リーマス・ルーピンは、この薬が開発される前は満月のたびに理性を失っていたと語りました。

トリカブト系の脱狼薬が開発されるまでは、私は月に一度、完全に成熟した怪物に成り果てた。[2]

調合は複雑で、材料は非常に高価です[1:1]。20世紀後半には狼化症状をやわらげる薬がいくつか考案されましたが、そのなかで最も成功したのがこの脱狼薬でした[1:2]

発明

脱狼薬を発明したのはダモクレス・ベルビーです。スラグホーン教授はこの発明を高く評価し、彼のマーリン勲章は当然の受章だと語りました。ダモクレスは、スラグホーンの教え子だったマーカス・ベルビーの叔父にあたります[3]

作中での言及

ルーピンがホグワーツで闇の魔術に対する防衛術を教えた1年間、スネイプが毎月この薬を完璧に調合しました。ルーピンはそのおかげで、いつもの満月の苦しみを味わわずにすんだと述べ、これをスネイプへの信頼の根拠の一つに挙げています[4]

名前の由来

英語名の「ウルフスベーン (Wolfsbane)」は、「狼 (wolf)」と、破滅や毒をもたらすものを意味する「ベーン (bane)」からなり、文字どおりには「狼を殺すもの」を意味します。古代ギリシャ語 λυκοκτόνον(「狼を殺す」)の翻訳借用で、猛毒を持つ植物トリカブト(アコナイト)が、歴史的に狼を退治するための毒として用いられたことに由来します。ウルフスベーンは、このトリカブトの別名でもあります[5]。「狼を殺す」というこの語感が、狼人間を鎮めるこの薬の命名の源になったと考えられます。

ただし、この薬の材料にトリカブトが使われるという記述は原作にはありません。日本語版の「トリカブト系の脱狼薬」という訳は、この英語名にもとづくものです。

登場・言及箇所

脚注


  1. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「リーマス・ルーピン」「狼人間」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第18章「ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングズ」 ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第7章「ナメクジ・クラブ」 ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第16章「冷え冷えとしたクリスマス」 ↩︎

  5. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第8章「魔法薬の先生」 ↩︎