伸び耳

伸び耳 (Extendable Ears) は、フレッドジョージのウィーズリー兄弟が発明した盗聴用の道具です[1]。薄橙色の長い紐でできており、一方の端を耳に差し込み、もう一方の端を聞きたい場所へ這わせると、離れたところの声がすぐそばで話しているかのように聞こえます[2]

基本情報

名前: 伸び耳 (Extendable Ears)
発明者: フレッド・ウィーズリー、ジョージ・ウィーズリー[1:1]
外見: 薄橙色の長い紐[2:1]
機能: 離れた場所の会話を、すぐそばで聞いているかのように伝える[2:2]
通じない相手: 邪魔よけ呪文をかけられた扉[1:2]

使い方と聞こえ方

ロン・ウィーズリーは、伸び耳を双子の発明品としてハリーに紹介し、なかなか役に立つと請け合っています[1:3]

使うときは、薄橙色の紐の端を耳に差し込み、もう一方の端を扉の下などから這わせます[2:3]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第22章「聖マンゴ魔法疾患傷害病院」

薄橙色のひもは、痩せた長い虫のように、ゴニョゴニョ這って行き、ドアの下からクネクネ入り込んだ。最初は何も聞こえなかったが、やがて、ハリーは飛び上がった。トンクスの囁き声が、まるでハリーのすぐそばに立っているかのように、はっきり聞こえてきたのだ。

聞こえる音量と明瞭さは、機械の音声にたとえられています[3]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第6章「ドラコ・マルフォイの回り道」

三人は頭を寄せ合って、紐の端にじっと耳を傾けた。まるでラジオをつけたようにはっきりと大きな音で、マルフォイの声が聞こえた。

紐は一本を解いて複数に分けることができ、聖マンゴ魔法疾患傷害病院では五本に分けて五人で同時に聞いています[2:4]

邪魔よけ呪文には通じない

伸び耳は、邪魔よけ呪文をかけられた扉には通じません。モリー・ウィーズリーは、この呪文を厨房の扉にかけて双子の盗み聞きを封じました[1:4]

呪文がかかっているかどうかは、扉に物を投げつけて接触できるかどうかで確かめられます。ジニー・ウィーズリーはトンクスにその見分け方を教わり、階段の上からクソ爆弾を投げて試しています[1:5]

作中での使用

グリモールド・プレイス十二番地(1995年)

伸び耳が初めて登場するのは、不死鳥の騎士団の本部となったグリモールド・プレイス十二番地です。双子は騎士団の会議を盗み聞きしようとしますが、厨房の扉には邪魔よけ呪文がかけられており失敗します[1:6]。玄関ホールに集まった騎士団員に向けて上の踊り場から伸び耳を垂らしたときも、一同がそのまま玄関を出てしまって空振りに終わりました[1:7]

モリー・ウィーズリーは見つけた伸び耳を処分しましたが、すべてではありませんでした。騎士団がハリーに状況を説明した席で、リーマス・ルーピンは少なくともそのことに気づいている様子でした[4]。実際、その夜ハリーが聞いた話のほとんどを、子どもたちはすでに伸び耳で知っていました[5]。双子は、ダンブルドアが闇の魔術に対する防衛術の教師探しに難航していたことも、両親の会話を伸び耳で聞いて知っています[6]

商品として

双子はホグワーツ在学中から、校内で伸び耳を売っていました。ハーマイオニーの詮索をかわしながら、フレッドはこう言っています[7]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第12章「アンブリッジ先生」

「ハーマイオニー、質問するなかれ、さすれば我々は嘘をつかぬであろう。来いよ、ジョージ。早く行けば、『薬草学』の前に『伸び耳』の二、三個も売れるかもしれないぜ」

聖マンゴ魔法疾患傷害病院(1995年)

蛇に襲われたアーサー・ウィーズリーの見舞いに訪れたとき、双子は五本に分けた伸び耳を配り、病室の会話を盗み聞きしました。そこでハリーは、ヴォルデモートが自分に取り憑いているかもしれないというマッド‐アイ・ムーディの言葉を聞いてしまいます[2:5]

翌日、ふさぎ込むハリーを、ハーマイオニーはこう諭しています[8]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第23章「隔離病棟のクリスマス」

「ねえ、全然わかってもらえないなんて思うのはおよしなさい」ハーマイオニーが厳しく言った。「ねえ、みんなが昨夜『伸び耳』で盗み聞きしたことを話してくれたんだけど――」

ボージン・アンド・バークス(1996年)

翌年、ドラコ・マルフォイのあとを追って夜の闇横丁のボージン・アンド・バークスに来たハリー、ロン、ハーマイオニーは、透明マントに隠れたまま伸び耳を店の扉の下に差し入れ、マルフォイとボージンのやり取りを聞き取りました。店の扉には邪魔よけ呪文がかかっていませんでした[3:1]

逃亡の旅(1997年‐1998年)

魔法省へ潜入する朝、ハーマイオニーがビーズバッグから読み上げた装備の一つに伸び耳が含まれています[9]

その後、テントで野営していた三人は、川岸に来た一行の会話を伸び耳で聞き取りました。テッド・トンクスたち逃亡者と小鬼たちの話から、ジニー・ウィーズリーたちがグリフィンドールの剣を持ち出そうとして捕まったこと、そしてグリンゴッツに預けられた剣が贋物であることを知ります[10]

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第4章「グリモールド・プレイス 十二番地」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第22章「聖マンゴ魔法疾患傷害病院」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第6章「ドラコ・マルフォイの回り道」 ↩︎ ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第5章「不死鳥の騎士団」 ↩︎

  5. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第6章「高貴なる由緒正しきブラック家」 ↩︎

  6. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第9章「ウィーズリーおばさんの嘆き」 ↩︎

  7. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第12章「アンブリッジ先生」 ↩︎

  8. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第23章「隔離病棟のクリスマス」 ↩︎

  9. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第12章「魔法は力なり」 ↩︎

  10. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第15章「小鬼の復讐」 ↩︎