夜の騎士バス

夜の騎士バス (Knight Bus) は、迷子になった魔女や魔法使いのための緊急の乗り物です[1]。杖腕を突き出すと、どこからともなく三階建ての紫色のバスが現れます[1:1]。運行が始まったのは1865年で、魔法界の乗り物としては比較的新しい発明です[2]

基本情報

名前: 夜の騎士バス (Knight Bus)
用途: 迷子になった魔女・魔法使いのための緊急交通手段[1:2]
呼び方: 杖腕を突き出す[1:3]
外見: 三階建ての紫色のバス[1:4]
運転手: アーニー・プラング[1:5]
車掌: スタン・シャンパイク[1:6]
運行開始: 1865年[2:1]

概要

車掌のスタン・シャンパイクは、乗り込んできた客にこう名乗ります[1:7]

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第3章「夜の騎士バス」

「『ナイト・バス』がお迎えにきました。迷子の魔法使い、魔女たちの緊急お助けバスです。杖腕をさし出せば参じます。ご乗車ください。そうすればどこなりと、お望みの場所までお連れします。わたしはスタン・シャンパイク、車掌として、今夜――」

行き先に制限はありませんが、陸上に限られます。スタンいわく、土の上ならどこでも行けるものの、水中では何もできません[1:8]

料金はロンドンまで十一シックルです。十三シックル出せば熱いココアが、十五シックルなら湯たんぽと好きな色の歯ブラシが付きます[1:9]

外見と車内

ハリー・ポッターがこのバスを初めて目にしたのは、夜のマグルの通りでのことでした[1:10]

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第3章「夜の騎士バス」

顔を上げると、その上に三階建ての派手な紫色のバスが見えた。どこから現れたものやら、フロントガラスの上に、金文字で「夜の騎士バス」と書かれている。

車内の設えは時刻によって変わります[1:11]

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第3章「夜の騎士バス」

中には座席がなく、代わりに、カーテンの掛かった窓際に、真鍮製の寝台が六個並んでいた。寝台脇の腕木に蝋燭が灯り、板張り壁を照らしていた。

日中は寝台ではなく座席が置かれます[2:2]。乗り心地がよいとは言えず、温かい飲み物は勧められても断ったほうが無難です。目的地から目的地へと瞬時に飛ぶため、こぼれてしまうからです[2:3]

魔法的性質

バスは轟音とともに一瞬で別の土地へ移動します。道を走るときの挙動も尋常ではありません[1:12]

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第3章「夜の騎士バス」

「ナイト・バス」はしょっちゅう歩道に乗り上げた。それなのに絶対衝突しない。街灯、郵便ポスト、ゴミ箱、みんなバスが近づくと飛びのいて道を空け、通り過ぎると元の位置に戻るのだった。

歴史

未成年者などが安心して使える、目立たない移動手段は長く求められていました。最終的に魔法大臣ドゥガルド・マクフェイルがマグルのバスサービスを真似ることを思いつき、1865年に運行が始まります[2:4]

名前の由来

名前には二つの理由があります[2:5]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「夜の騎士バス」

「夜の騎士バス」という名前をつけた理由は、まず、騎士(ナイト)という言葉が夜(ナイト)と同音異義語であり、イギリスでは通常の交通機関の運行が終了したあとも、夜行バスが各地を走っているからです。2 つ目の理由は、「騎士」には「救助に駆けつける者」や「護衛者」という意味合いがあり、魔法使いにとって最後の頼みの綱となることが多いこのバスには最適だと思えたからです。

作中での登場

プリベット通りからの脱出

ハリーがこのバスを知ったのは、プリベット通りの家を飛び出した夜のことです。暗い通りで杖を突き出したところ、バスが現れました。ハリーは十一シックルを払ってロンドンへ向かいます。バスは漏れ鍋の前で止まり、そこでハリーは魔法大臣コーネリウス・ファッジに引き渡されました[1:13]

アーサー・ウィーズリーは後日、このときバスが拾ってくれなければハリーは魔法省に発見される前に死んでいただろう、と妻に語っています[3]。ハリー自身も、キングズ・クロス駅まで魔法省の車で送られたときの道中を、あのバスの旅に比べれば呆気ないものだったと感じました[4]。のちにハリーは、死神犬を見たあとに危うく死にかけた二度の出来事の一つとして、バスに轢かれそうになった夜を思い返しています[5]

ホグワーツへの護送

ハグリッドはバックビークの裁判のためロンドンへ出るにあたり、このバスに寝台を二つ予約しました[6]

ハーマイオニーも、クリスマスにグリモールド・プレイス十二番地へ来るのにこのバスを使っています[7]。翌日、ハリー・ロン・ハーマイオニーは、トンクスとリーマス・ルーピンに付き添われてバスでホグワーツへ戻りました。早朝だったため車内に寝台はなく、ばらばらな椅子が窓際に並べられているだけでした[8]

乗務員たち

車掌のスタン・シャンパイクは、クィディッチ・ワールドカップの野営地にも姿を見せています[9]。しかしその二年後、日刊予言者新聞は彼が死喰い人の活動をした疑いで逮捕されたと報じました[10]。七人のポッター作戦の最中、ハリーはスタンの姿を見て、服従の呪文にかかっているに違いないと考え、武装解除を試みました。この判断はルーピンに叱責されています[11]

運転手のアーニー・プラングは、ダンブルドアの葬儀に参列しました[12]

舞台裏

運転手と車掌の名前について、作者はこう述べています[2:6]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「夜の騎士バス」

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に登場する「夜の騎士バス」の運転手と車掌の名前、アーネストとスタンリーは、私の 2 人の祖父から取りました。

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第3章「夜の騎士バス」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「夜の騎士バス」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第4章「漏れ鍋」 ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第5章「吸魂鬼」 ↩︎

  5. 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第10章「忍びの地図」 ↩︎

  6. 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第14章「スネイプの恨み」 ↩︎

  7. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第23章「隔離病棟のクリスマス」 ↩︎

  8. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第24章「閉心術」 ↩︎

  9. 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第9章「闇の印」 ↩︎

  10. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第11章「ハーマイオニーの配慮」 ↩︎

  11. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第5章「倒れた戦士」 ↩︎

  12. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第30章「白い墓」 ↩︎