ゴブストーン
ゴブストーン (Gobstones) は、マグルのビー玉によく似た魔法界のゲームです[1]。失点するたびに、石がいっせいに負けた側のプレイヤーの顔をめがけて悪臭のする液体を噴きかける点が、普通のビー玉との大きな違いとされています[1:1]。プロ選手が国内リーグや国際大会で競う一方で、魔法界では「クールではない」少数派の競技という評価に甘んじています[2]。
名前: ゴブストーン (Gobstones)
分類: 魔法界のゲーム
用具: 丸く小さな石。名の示すとおり石製が一般的だが、貴金属製のものもある
統括: 全国ゴブストーン協会/魔法省 魔法ゲーム・スポーツ部 傘下の公式ゴブストーン・クラブ
関連する人物: アイリーン・プリンス
概要
ゴブストーンは古代から伝わる、ビー玉に似た魔法界のゲームです[2:1]。ハリー・ポッターがダイアゴン横丁で純金製のゴブストーン・セットに強く心を惹かれる場面で、その性質が地の文により説明されています[1:2]。
ゴブストーンはビー玉に似た魔法のゲームで、失点するたびに、石がいっせいに負けたほうのプレイヤーの顔めがけて、いやな臭いのする液体を吹きかける[1:3]
石が悪臭の液体を噴射するという罰ゲーム的な仕掛けが、このゲームの最大の特徴です。
ルール・遊び方
各プレイヤーは丸く小さなゴブストーン15個を持って対局を始め(ゴブストーンは30個1組で売られています)、相手の石をすべて取った側が勝ちとなります[2:2]。名の示すとおり石製のものが一般的ですが、なかには貴金属製のものもあります[2:3]。失点のたびに石が液体を噴きかけるため、負けが込むほど顔が悪臭にまみれていくことになります。
魔法界での位置づけ
ゴブストーンは魔法界において、明確に「マイナーな競技」として描かれています。プロ選手が国内リーグや国際大会で活躍しているにもかかわらず、「クールな」スポーツという評価は得られておらず、それを愛好家たちは腹立たしく思っています[2:4]。低年齢層の魔女・魔法使いの間では人気がありますが、成長するにつれて「卒業」し、クィディッチへと関心を移していくのが一般的とされています[2:5]。
競技の普及を担う全国ゴブストーン協会は、過去に「ゴブストーンに日の目を」といったスローガンを掲げて勧誘キャンペーンを展開したことがあります。もっとも、そのポスターに起用された写真は、現世界チャンピオンのケビン・ホップウッドが目にぬるぬるした液体をたっぷり浴びせられている場面であり、宣伝の選択としては適切ではなかったかもしれない、とJ.K.ローリングは記しています[2:6]。
こうした不人気は学校でも同様で、ホグワーツにおける娯楽としても、ゴブストーンはクィディッチや魔法使いのチェスに遠く及びません[2:7]。それでも制度としては一定の地位を占めており、魔法省の七階にある魔法ゲーム・スポーツ部には、イギリス・アイルランド・クィディッチ連盟本部などと並んで「公式ゴブストーン・クラブ」が置かれています[3]。
作中での登場・言及
原作でゴブストーンは物語の主筋に関わることはありませんが、魔法界の日常を彩る小道具として折々に顔を出します。
- 純金セットの誘惑 — ハリーは3年生の夏、ダイアゴン横丁で純金製の見事なゴブストーン・セットを買いたい誘惑を、必死の自制心で振りきっています[1:4]。
- 暇つぶしの定番 — クリスマス休暇、ロンは気まずい話題を逸らそうと「チェスかゴブストーンでも」とハリーを誘います。パーシーが置いていったセットが使われています[4]。学年末試験のあとの6月、校庭に寝転んで気軽にゴブストーンに興じるのも、生徒たちの定番の過ごし方として描かれます[5]。
- 呼び寄せ呪文の練習 — 4年生のハリーが「呼び寄せ呪文」の練習で部屋中の物を引き寄せた際、その山の中には古いゴブストーンのセットも混じっていました[6]。
- 教育令の余波 — 5年生のとき、アンブリッジの教育令によるクラブ・チームの解散を受けて、下級生が「ゴブストーン・クラブも閉鎖されるのか」と気を揉みます。ロンは「ゴブストーンなら大丈夫だろう」と、その地位の低さを皮肉って応じています[7]。
ゴブストーンにまつわる意外な事実として、セブルス・スネイプの母**アイリーン・プリンス**が、ホグワーツ在学中にゴブストーン・チームのキャプテンを務めていたことが挙げられます。ハリーが「半純血のプリンス」の正体を追ううちに見つけた、古い日刊予言者新聞の黄ばんだ写真には、こうキャプションが添えられていました[8]。
アイリーン・プリンス。ホグワーツ・ゴブストーン・チームのキャプテン[8:1]
フラビウス・ベルビーの守護霊
ゴブストーンは、J.K.ローリングの著作『幻の動物とその生息地』にも思わぬ形で登場します。1782年、パプア・ニューギニアで休暇中にレシフォールド(黒いマントのような姿で眠る者を襲う魔法生物)に襲われた魔法使い**フラビウス・ベルビー**は、最後の力を振り絞って守護霊の呪文を放ち、九死に一生を得ました。このとき彼が守護霊を成功させるために思い浮かべた幸福な記憶が、「地元のゴブストーン・クラブの会長に選ばれた日」の思い出だったといいます[9]。魔法界屈指のマイナー競技が、命がけの防衛呪文を支える幸福の記憶となっている点が印象的な逸話です。
J.K.ローリングのコメント
J.K.ローリングは Pottermore(現 Wizarding World)に寄せた解説記事「ゴブストーン」で、このゲームの立ち位置を次のように述べています。
プロのゴブストーン選手はナショナルリーグや国際大会で活躍していますが、ゴブストーンは魔法界でもマイナーなスポーツで、ファンにとっては腹立たしいことながら、「クールな」スポーツという評価は受けていません[2:8]
舞台裏
アイリーン・プリンスの肩書は、参照する出典によって食い違っています。原作『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では「ホグワーツ・ゴブストーン・チームのキャプテン」とされています[8:2]が、J.K.ローリングの Pottermore 記事「ゴブストーン」では「ホグワーツ・ゴブストーン・クラブの部長」と記されています[2:9]。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
- 第4章「漏れ鍋」
- 第11章「炎の雷」
- 第16章「トレローニー先生の予言」
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第20章「第一の課題」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第7章「魔法省」
- 第14章「パーシーとパッドフット」
- 第17章「教育令第二十四号」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第25章「盗聴された予見者」
- 『幻の動物とその生息地』(レシフォールドの項)
- ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「ゴブストーン」