毒触手草

毒触手草 (Venomous Tentacula) は、刺だらけの暗赤色をした魔法界の植物です。長い触手をそろそろと伸ばして人を捕らえ[1]、噛まれれば魔法使いでも死に至ることがあります[2]

基本情報

名称: 毒触手草 (Venomous Tentacula)
分類: 魔法界の植物
姿: 刺だらけの暗赤色。長い触手を伸ばす[1:1]
危険性: 噛まれると魔法使いでも死ぬことがある[2:1]
種の扱い: 取引禁止品目Cクラス[3]
関連する人物: ポモーナ・スプラウトネビル・ロングボトム

姿と性質

刺だらけの暗赤色の植物で、長い触手を伸ばします。触手は音もなく相手の肩まで届き、スプラウト先生がピシャリと叩くと引っ込みました[1:2]

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第6章「ギルデロイ・ロックハート」

先生は話しながら刺だらけの暗赤色の植物をピシャリと叩いた。するとその植物は、先生の肩の上にそろそろと伸ばしていた長い触手を引っ込めた。

歯が生え変わる時期があり、その最中はとくに注意が必要です[1:3]。背後から不意に人を捕まえることもあります[4]

名称

日本語版の訳語は巻によって異なります。『秘密の部屋』とポッターモアの記事では「毒触手草」、『不死鳥の騎士団』『謎のプリンス』および『死の秘宝』第32章では「有毒食虫蔓」、『死の秘宝』第30章ではスプラウト先生の台詞のなかで「食虫蔓」と略されています。本記事では初出である『秘密の部屋』の表記に従います。

ホグワーツでの薬草学

ホグワーツの温室で栽培されており、薬草学の授業で扱われます。1992年、2年生のマンドレイクの植え換え実習では、スプラウト先生が作業の注意事項に続けて毒触手草への注意を挙げました[1:4]

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第6章「ギルデロイ・ロックハート」

「一つの苗床に四人――植え換えの鉢はここに十分にあります。――堆肥の袋はここです。――『毒触手草』に気をつけること。歯が生えてきている最中ですから」

6年生の薬草学ではそれまでよりずっと危険な植物を扱うようになり、ハリーたちは授業中に毒触手草に背後から捕まることがありました。温室の授業は、そうした際に大声で悪態をつくことが許される場でもありました[4:1]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第11章「ハーマイオニーの配慮」

戸外に出て、温室に行くのがせめてもの息抜きだった。「薬草学」ではこれまでよりずっと危険な植物を扱っていたが、授業中、「有毒食虫蔓」に背後から突然捕まったときに、少なくとも大声を出して悪態をつくことができた。

刈り込みと手入れ

魔法界では多くのラジオが合法的に改造され、魔法使い向けの番組が放送されています。マグルがそうした放送から毒触手草を刈り取る方法などのヒントを得ることは珍しくないと魔法省も認めていました[5]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「テクノロジー」

マグルがそうしたラジオ放送から、「毒触手草」を刈り取る方法や、キャベツ畑から庭小人を駆除する最善策などのヒントを得ることが珍しくないことは、魔法省も認めていました。

種と「ずる休みスナックボックス」

毒触手草の種は、萎びた黒い豆の鞘のような形をしています。完全に静止しているのに、中から微かにガラガラという音が聞こえます[3:1]

1995年の夏、フレッドジョージは、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズの商品であるずる休みスナックボックスの材料としてこの種を必要としていました。しかし取引禁止品目Cクラスに指定されているため入手が難しく、マンダンガス・フレッチャーを通して十ガリオンで買い付けています[3:2]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第9章「ウィーズリーおばさんの嘆き」

「『有毒食虫蔓』の種だ」ジョージが言った。「『ずる休みスナックボックス』に必要なんだ。だけど、これは取引禁止品目Cクラスで、手に入れるのにちょっと問題があってね」

人体への毒性

J.K. ローリングは、魔法界にはマグルの世界にない危険が存在すると説明するなかで、毒触手草を例に挙げています。サソリに刺された場合、マグルなら命を落とすことがあっても魔法使いなら難なく生き延びますが、毒触手草に噛まれた場合は魔法使いでも死ぬことがあります[2:2]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「病気と障害」

サソリに刺された場合も、マグルであれば死に至ることがありますが、魔法使いであれば難なく生き延びられます。その一方で、「毒触手草」にかまれた場合には、死ぬこともあるのです。

実際にこれで命を落とした人物がいます。ミネルバ・マクゴナガルの夫エルフィンストーン・ウルクァートは、結婚3年目に毒触手草に噛まれて急死しました[6]

一方、生き延びた例も記録されています。1912年生まれのダーウェント・シンプリングは、賭けで毒触手草を一株まるごと食べて命は落としませんでしたが、体は紫色になったまま元に戻っていません[7]

J.K. ローリング旧公式サイト「今月の魔法使い」(2005年1月)

Ate an entire Venomous Tentacula for a bet and survived, though is still purple.

(賭けで毒触手草を全部食べ、死ななかったが、まだ紫色のまま)

ホグワーツの戦い

1998年、ホグワーツの戦いを前に城の防衛を固める場面で、スプラウト先生は迎撃に使う植物の一つとして毒触手草を挙げました[8]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第30章「セブルス・スネイプ去る」

「『食虫蔓』『悪魔の罠』それにスナーガラフの種……そう、死喰い人が、こういうものと戦うところを拝見したいものだわ」

ここで並べられた3種のうち、実際の戦闘で使われる場面が書かれているのは毒触手草とスナーガラフで、悪魔の罠の出番は描かれていません。ネビル・ロングボトムは両手一杯の毒触手草を抱えて戦場に現れ、蔓は最も近くにいた死喰い人に巻きついて手繰り寄せはじめました[9]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第32章「ニワトコの杖」

ネビルは両手一杯の「有毒食虫蔓」を振り回して、どこからともなく現れていた。蔓は嬉々としていちばん近くの死喰い人に巻きついて、手繰り寄せはじめた。

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第6章「ギルデロイ・ロックハート」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「病気と障害」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第9章「ウィーズリーおばさんの嘆き」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第11章「ハーマイオニーの配慮」 ↩︎ ↩︎

  5. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「テクノロジー」 ↩︎

  6. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「マクゴナガル先生」 ↩︎

  7. J.K. ローリング旧公式サイト「今月の魔法使い」(2005年1月) ↩︎

  8. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第30章「セブルス・スネイプ去る」 ↩︎

  9. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第32章「ニワトコの杖」 ↩︎