穴熊

穴熊 (badger) は、ホグワーツ魔法魔術学校の紋章を構成する四頭の獣の一頭であり、ハッフルパフ寮の寮章でもある動物です。原作では魔法生物としてではなく、ふつうの動物として、また意匠として現れます。

基本情報

名前: 穴熊 (badger)
紋章: ホグワーツ校の紋章の四頭のうちの一頭[1]。ハッフルパフ寮は黄色地に黒い穴熊[2]
原作の表記: 「穴熊」と「アナグマ」の両方が使われる

メモ 表記のゆれ

原作日本語版では、同じ動物が「穴熊」と表記される箇所と「アナグマ」と表記される箇所があります。『賢者の石』第3章・『炎のゴブレット』第15章・『謎のプリンス』第20章・『死の秘宝』第26章と第29章は「穴熊」、『秘密の部屋』第11章・『不死鳥の騎士団』第31章とポッターモアの記事は「アナグマ」です。この記事の見出しには「穴熊」を採り、引用は原作の表記のままにしています。

ホグワーツの紋章

ホグワーツからの入学許可証は、紋章入りの蝋で封印されています。ハリー・ポッターが初めてその封筒を裏返した場面が、原作で穴熊が最初に現れる箇所です[1:1]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第3章「知らない人からの手紙」

震える手で封筒を裏返してみると、紋章入りの紫色の蝋で封印がしてあった。真ん中に大きく〝H〟と書かれ、その周りをライオン、鷲、穴熊、ヘビが取り囲んでいる。

四頭はそれぞれ寮を表します。三大魔法学校対抗試合を前に大広間が飾りつけられたとき、その対応が示されました[2:1]

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第15章「ボーバトンとダームストラング」

壁には各寮を示す巨大な絹の垂れ幕がかけられている――グリフィンドールは赤地に金のライオン、レイブンクローは青にブロンズの鷲、ハッフルパフは黄色に黒い穴熊、スリザリンは緑にシルバーの蛇だ。

同じ意匠は、ダンブルドア軍団が隠れ家にした必要の部屋の壁にも掛かっていました。ただしこのときの掛け物には、スリザリン寮の紋章だけがありません[3]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第29章「失われた髪飾り」

タペストリーは、深紅の地にグリフィンドールの金色のライオンの縫い取り、黄色地にハッフルパフの黒い穴熊、そして青地にレイブンクローのブロンズ色の鷲だ。

ハッフルパフ寮の穴熊

寮章としての気質

ポッターモアに掲載された歓迎の言葉で、監督生のガブリエル・トゥルーマンは、寮章に選ばれた動物の性質を新入生に説明しています[4]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「ハッフルパフ寮 歓迎の言葉」

ハッフルパフの紋章はアナグマ。普段はおとなしい生き物だから大したことないと思われがちだけど、いったん攻撃されると自分よりもずっと大きな動物、たとえばオオカミなんかを撃退することもあるんだ。

同じ文章の後半では、談話室の守りの堅さも穴熊になぞらえられています[4:1]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「ハッフルパフ寮 歓迎の言葉」

アナグマと同じで、僕らは身を潜める方法を心得ている。そしてどうしたら身を守れるかも。

談話室

たとえは造りにも及んでいます。樽をくぐった先の部屋は穴熊の巣に見立てられ、炉棚には踊る穴熊が彫られています[5]

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「ハッフルパフの談話室」

樽の中は土の坂道になっていて、少し上っていくと、アナグマの巣を彷彿とさせる、天井の低い居心地のよさそうな円形の部屋が現れます。

ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「ハッフルパフの談話室」

木製の炉棚には踊るアナグマの模様がびっしり彫り込まれていて、その上に飾られた肖像画の中では、ホグワーツの 4 人の創設者の 1 人であるヘルガ・ハッフルパフが、取っ手が 2 つついた金色の小さなカップを掲げて、生徒たちに乾杯しています。

ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ

ヘルガ・ハッフルパフの金のカップにも、穴熊が彫られています。ヘプジバ・スミスの家でそれを手に取ったヴォルデモートは、刻印だけで持ち主を言い当てました[6]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第20章「ヴォルデモート卿の頼み」

「穴熊」ヴォルデモートがカップの刻印を調べながら呟いた。

このカップはのちに分霊箱となります。それを探す段になって、ハリーが仲間に伝えた特徴の一つも、やはり彫られた穴熊でした[7]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第26章「グリンゴッツ」

「いいか、小さい金のカップだ。穴熊が彫ってあって、取っ手が二つついている――そのほかに、レイブンクローの印がどこかについていないか見てくれ。鷲だ――」

動物としての穴熊

穴熊は、変身術で人を変える対象にもなります。ハリーが2年生の冬、授業中の教室の物音を聞きながら城の廊下を歩いていたとき、その叱責が聞こえてきました[8]

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第11章「決闘クラブ」

マクゴナガル先生は誰かを叱りつけていた。どうやら誰かがクラスメートをアナグマに変えてしまったらしい。

誰が誰を変えたのかは書かれていません。

大きさの目安としても使われます。ハリーは5年生のO・W・Lの実技試験で「変色呪文」と「成長呪文」を混同し、色を変えるはずのネズミを膨れ上がらせてしまいました[9]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第31章「ふ・く・ろ・う」

オレンジ色に変わるはずのネズミが、びっくりするほど膨れ上がり、ハリーが間違いに気づいて訂正するまでに、アナグマほどの大きさになっていた。

『幻の動物とその生息地』の注は、奇人ウリックがフウーパーの歌声について魔法使い評議会に報告した一件を伝えています。報告が受け入れられなかった理由は、その主張の中身ではありませんでした[10]

『幻の動物とその生息地』フウーパーの項の注

ウリックは評議会にかつらを着けただけの姿で出席し、よく調べると、そのかつらは死んだアナグマだったからだ。

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第3章「知らない人からの手紙」 ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第15章「ボーバトンとダームストラング」 ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第29章「失われた髪飾り」 ↩︎

  4. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「ハッフルパフ寮 歓迎の言葉」 ↩︎ ↩︎

  5. ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「ハッフルパフの談話室」 ↩︎

  6. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第20章「ヴォルデモート卿の頼み」 ↩︎

  7. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第26章「グリンゴッツ」 ↩︎

  8. 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第11章「決闘クラブ」 ↩︎

  9. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第31章「ふ・く・ろ・う」 ↩︎

  10. 『幻の動物とその生息地』フウーパーの項の注 ↩︎