鬼婆
鬼婆 (hag) は、人間の姿をした、子供を食べる化け物です[1]。普通の魔女よりもいぼの数が多い傾向にあります[1:1]。『幻の動物とその生息地』では、吸血鬼とともに「ヒトたる存在」とされた生き物として名が挙がります[2]。魔法使いのようにはうまく変装できないため、ハリー・ポッターは、イギリスで唯一の魔法ずくめの村ホグズミードが鬼婆などにとっての安息所になっているのだろうと考えました[3]。
姿と習性
鬼婆は人間の姿をしていますが、普通の魔女よりもいぼの数が多い傾向にあります。子供を食べます[1:4]。この記述は、ホグワーツの1年生が使う闇の魔術に対する防衛術の教科書『闇の力――護身術入門』について、J.K. ローリングがポッターモアに書いたものです[1:5]。
鬼婆は子供を食べる化け物で、人間の姿をしています。ただし、普通の魔女よりもいぼの数が多い傾向にあります。
ハリー・ポッターは、「漏れ鍋」で朝食をとりながら他の泊り客を眺めていたとき、分厚いウールのバラクラバ頭巾にすっぽり隠れた客が生の肝臓を注文するのを目にしました。ハリーには、それが鬼婆だと思われました[4]。
毎朝「漏れ鍋」で朝食を食べながら、他の泊り客を眺めるのがハリーは好きだった。一日がかりの買物をするのに田舎から出てきた、小柄でどこか滑稽な魔女とか、「変身現代」の最近の記事について議論を戦わせている、いかにも威厳のある魔法使いとか、猛々しい魔法戦士、やかましい小人、それに、ある時は、どうやら鬼婆だと思われる人が、分厚いウールのバラクラバ頭巾にすっぽり隠れて、生の肝臓を注文していた。
魔法界での扱い
『幻の動物とその生息地』の序論は、「ヒトたる存在」と「動物」の線引きをめぐる歴史を述べています。14世紀に魔法使い評議会の委員長だったバードック・マルドゥーンは、二本足で歩くものをすべて「ヒトたる存在」と定め、その者たちを召集してサミットを開きました。会議場の混乱ぶりを、バチルダ・バグショットは著書『魔法史』にこう書いています[2:2]。
ディリコールのガアガア声、オーグリーのうめき声、そしてフウーパーのつんざくような歌声にかき消されてほとんど何も聞こえなかった。魔法使いや魔女たちが目の前にある書類を参考に協議しようとしているのに、いろいろなピクシーや妖精やらが、クスクス笑ったり、やかましくおしゃべりしたりしながら、その頭上を飛び回っていた。12人あまりのトロールが棍棒で会議場をたたき壊しはじめるし、鬼婆はどこかに子供がいたら食ってやろうと、するするあたりを探し回っていた。
同じ序論の注記によれば、鬼婆は吸血鬼とともに「ヒトたる存在」とされました。ケンタウルスは、自分たちがそれらと同類に扱われることに異議を申し立て、魔法使いとは別に自分たちのことは自分たちで管理すると宣言しています[2:3]。
魔法使いとの関わり
ルビウス・ハグリッドは、ダイアゴン横丁でハリーに、闇の魔術に対する防衛術のクィレル先生について話しました。実地の経験を積むために取った一年間の休暇のあいだに、黒い森で吸血鬼に出会い、さらに鬼婆と嫌なことがあったらしく、それ以来人が変わってしまったのだといいます[5]。
「ああ、そうだ。哀れなものよ。秀才なんだが。本を読んで研究しとった時はよかったんだが、一年間実地に経験を積むちゅうことで休暇を取ってな……どうやら黒い森で吸血鬼に出会ったらしい。その上鬼婆といやーなことがあったらしい……それ以来じゃ、人が変わってしもた。生徒を怖がるわ、自分の教えてる科目にもビクつくわ……さてと、俺の傘はどこかな?」
ホグズミードの「三本の箒」でめったに見かけない魔法族が居合わせているのを見たとき、ハリーは、変装の苦手な鬼婆などにとってこの村が安息所になっているのだろうと考えました[3:1]。
「三本の箒」は混み合っていた。土曜の午後の自由行動を楽しんでいるホグワーツの生徒が多かったが、ハリーがほかではめったに見かけたことがないさまざまな魔法族もいた。ホグズミードは、イギリスで唯一の魔法ずくめの村なので、魔法使いのようにうまく変装できない鬼婆などにとっては、ここがちょっとした安息所なのだろう、とハリーは思った。
冗談の題材
魔法界では冗談の題材にもなっています。三大魔法学校対抗試合の開催を告げる席で、アルバス・ダンブルドアは、トロールと鬼婆とレプラコーンが出てくる小話を夏に聞いたと言って持ち出しました[6]。
「ミスター・ウィーズリー、わしは決して冗談など言っておらんよ」ダンブルドアが言った。「とは言え、せっかく冗談の話が出たからには、実は、夏休みにすばらしい冗談を一つ聞いてのう。トロールと鬼婆とレプラコーンが一緒に飲み屋に入ってな――」
ハーマイオニー・グレンジャーも、鬼婆と癒師とミンビュラス・ミンブルトニアが出てくる冗談を引き合いに出しています[7]。
「女なら、誰かさんの鬼婆とか癒師の冗談や、ミンビュラス・ミンブルトニアの冗談で、マダム・ロスメルタが笑ってくれなかったからといって、三十分もすねたりしないでしょうね」
『鬼婆とのオツな休暇』
ギルデロイ・ロックハートの著書『鬼婆とのオツな休暇』は、ホグワーツの2年生用の教科書に指定されました[8]。
鬼婆とのオツな休暇 ギルデロイ・ロックハート著
決闘クラブでハーマイオニーの相手に指名されて出てきたミリセント・ブルストロードを見て、ハリーはこの本にあった挿絵を思い出しました[9]。
マルフォイはニヤニヤしながら気取ってやってきた。その後ろを歩いてきた女子スリザリン生を見て、ハリーは「鬼婆とのオツな休暇」にあった挿絵を思い出した。大柄で四角張っていて、がっちりした顎が戦闘的に突き出している。ハーマイオニーは微かに会釈したが、向こうは会釈を返さなかった。
登場・言及箇所
- 『幻の動物とその生息地』
- 序論「魔法動物とは何か?」
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』
- 第5章「ダイアゴン横丁」
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
- 第4章「フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店」
- 第11章「決闘クラブ」
- 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
- 第4章「漏れ鍋」
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第12章「三大魔法学校対抗試合」
- 第19章「ハンガリー・ホーンテール」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第21章「不可知の部屋」
- ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「闇の力――護身術入門」