ガーゴイルの石像

ガーゴイルの石像 (stone gargoyle) は、ホグワーツ魔法魔術学校の校長室へ通じる隠し階段の入口を守る石像です。正しい合言葉を唱えると生命を得たように脇へ跳びのき、背後の壁が割れて螺旋階段が現れます[1]

基本情報

名称: ガーゴイルの石像 (stone gargoyle)
所在: ホグワーツ城、校長室の入口
外見: 途方もなく醜い、大きな石像[1:1]
役割: 校長室へ通じる隠し階段の入口を守る[1:2]
開き方: 正しい合言葉を唱えると跳びのき、背後の壁が割れて螺旋階段が現れる[1:3]
合言葉が違うとき: 動かず、その場で睨みつけたまま固まる[2]
校長の不在時: 校長室がひとりでに封鎖し、無断の者は像を通過できなくなることがある[3]

概要

校長室へ上がる隠し階段は、城の廊下に立つこの石像の背後にあります。マクゴナガル先生に連れられたハリーが初めてこの像の前に立ったとき、像は「途方もなく醜い大きな石の怪獣像」と描かれています[1:4]

合言葉を唱えると、像は突然生きているかのように動いて脇へ跳びのき、その背後の壁が左右に割れます。壁の裏には、エスカレーターのように上へ動く螺旋階段があります[1:5]

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第11章「決闘クラブ」

怪獣像が突然生きた本物になり、ピョンと跳んで脇に寄り、その背後にあった壁が左右に割れた。

日本語版での訳語は巻によって異なり、第2巻では「石の怪獣像」、第4巻以降は「ガーゴイルの石像」「石のガーゴイル」と訳されています(原文はいずれも stone gargoyle[1:6][2:1]

なお、職員室の扉を挟んで立つ石のガーゴイルとは別のものです。

合言葉

合言葉は随時変更され、古い合言葉は通じなくなります。ダンブルドアに急を知らせようとしたハリーが2年前の合言葉をそのまま唱えたときには、像は動きませんでした[2:2]

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第28章「クラウチ氏の狂気」

これがダンブルドアの部屋に通じる隠れた階段への合言葉だった――いや、少なくとも二年前まではそうだった。しかし、どうやら、合言葉は変わったらしい。石のガーゴイルは命を吹き込まれてピョンと飛び退くはずだったが、じっと動かず、意地の悪い目でハリーを睨むばかりだった。

ダンブルドアが校長だった間の合言葉は、いずれも菓子の名前でした。作中で判明しているものは次のとおりです。

合言葉を知らないまま像の前に立ったハリーが、思いつく菓子の名を次々に唱えていったこともあります。最後にやけになって叫んだ名前が、たまたま当たりでした[4:1]

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第29章「夢」

「よーし」ハリーは石像を睨んだ。「梨飴。えーと、杖型甘草飴。フィフィフィズビー。どんどん膨らむドルーブルの風船ガム。バーティー・ボッツの百味ビーンズ……あ、違ったかな。ダンブルドアはこれ、嫌いだったっけ? ……えーい、開いてくれよ。だめ?」

ダンブルドアがハリーを個人教授に呼び出したときには、手紙の追伸に好物として書かれた菓子の名が、そのまま合言葉になっていました[7:1]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第9章「謎のプリンス」

追伸 わしは「ペロペロ酸飴」が好きじゃ。

作中での使用

秘密の部屋の年(1992年‐1993年)

初めて登場するのは、マクゴナガル先生がハリーを校長室へ連れて行く場面です[1:8]。同じ巻では、日記が見せた五十年前のトム・リドルの記憶の中でも、螺旋階段を降りたハリーがこの像の脇に出ています[11]

三大魔法学校対抗試合の年(1994年‐1995年)

ハリーが2年前の合言葉のまま像に呼びかけて通れずにいると、隠し階段からセブルス・スネイプが姿を現しました[2:4]。のちに傷痕の痛みを知らせようと校長室へ向かったときには合言葉を思い出せず、当てずっぽうで像を動かしています[4:2]。巻の終わりには、ダンブルドアが合言葉を唱えて像を脇へ跳びのかせ、ハリーを部屋へ通しました[12]

アンブリッジの年(1995年‐1996年)

深夜、マクゴナガル先生に連れられたハリーたちが、負傷したアーサー・ウィーズリーの件を伝えるために像の前へ来ています[5:1]。のちにドローレス・アンブリッジがハリーを引き立てて合言葉を唱えたときにも、像は跳びのきました[6:1]

ところが、ダンブルドアが姿を消したあとの夜、アンブリッジは校長室に戻れませんでした。校長室がひとりでに封鎖してアンブリッジを締め出したのだと、アーニー・マクミランが伝え聞いた話として語っています[3:1]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第28章「スネイプの最悪の記憶」

「――アンブリッジが昨日の夜、城内や校庭でダンブルドアを探したあと、校長室に戻ろうとしたらしいんだ。ガーゴイルのところを通れなかったってさ。校長室は、ひとりでに封鎖して、アンブリッジを締め出したんだ」

ダンブルドアの最後の年(1996年‐1997年)

この年、ハリーは個人教授のたびに像の前で合言葉を唱えて校長室へ上がりました[8:1][9:1][10:1][13]。像は校長室の場所を示す目印にもなっており、ハリーはニンファドーラ・トンクスに、校長室は城の反対側の「ガーゴイルの裏」にあると教えています[14]

ダンブルドアの死後、マクゴナガル先生が新しい校長となり、ガーゴイルの護る部屋はマクゴナガル先生の部屋になりました[15]

ホグワーツの戦い(1998年5月)

スネイプの最後の想いを収めたフラスコを手に校長室へ走ったハリーが「ダンブルドア」と叫ぶと、像は横に滑って階段への道を開けました[16]

戦いが終わったあと、像は撃たれて横にずれ、傾いたまま立っていました。上がってもよいかとハリーが尋ねると、像はうめくように応じ、ハリーたちは像を乗り越えて螺旋階段に乗りました[17]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」

校長室の入口を護衛するガーゴイル像は、ハリーが最後に見たあと、撃たれて横にずれていた。横に傾いて、少しふらふらしている様子で、もう合言葉もわからないのではないかとハリーは思った。

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第11章「決闘クラブ」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第28章「クラウチ氏の狂気」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第28章「スネイプの最悪の記憶」 ↩︎ ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第29章「夢」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  5. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第22章「聖マンゴ魔法疾患傷害病院」 ↩︎ ↩︎

  6. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第27章「ケンタウルスと密告者」 ↩︎ ↩︎

  7. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第9章「謎のプリンス」 ↩︎ ↩︎

  8. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第10章「ゴーントの家」 ↩︎ ↩︎

  9. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第20章「ヴォルデモート卿の頼み」 ↩︎ ↩︎

  10. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第23章「ホークラックス」 ↩︎ ↩︎

  11. 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第13章「重大秘密の日記」 ↩︎

  12. 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第36章「決別」 ↩︎

  13. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第25章「盗聴された予見者」 ↩︎

  14. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第21章「不可知の部屋」 ↩︎

  15. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第29章「不死鳥の嘆き」 ↩︎

  16. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章「プリンスの物語」 ↩︎

  17. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第36章「誤算」 ↩︎