ドラゴンの心臓の琴線
ドラゴンの心臓の琴線 (dragon heartstring) は、杖作りのオリバンダーが杖の芯に用いる三種の素材の一つです[1]。残る二つはユニコーンのたてがみと不死鳥の尾羽根で、オリバンダーはこの三種以外を芯に使いません[1:1]。
原作日本語版には「ドラゴンの心臓の琴線」と「ドラゴンの琴線」の二つの表記があります。
「ドラゴンの心臓の琴線」: 『賢者の石』第5章、『炎のゴブレット』第18章、『死の秘宝』第1章
「ドラゴンの琴線」: 『死の秘宝』第24章(ベラトリックスの杖・ペティグリューの杖のいずれも)
この記事の見出しには、用例の多い「ドラゴンの心臓の琴線」を採っています。
概要
ダイアゴン横丁でハリー・ポッターが初めて杖を買い求めたとき、オリバンダーは自分の杖について次のように説明しています[1:4]。
「ポッターさん。オリバンダーの杖は一本一本、強力な魔力を持った物を芯に使っております。一角獣のたてがみ、不死鳥の尾の羽根、ドラゴンの心臓の琴線。一角獣も、ドラゴンも、不死鳥も皆それぞれに違うのじゃから、オリバンダーの杖には一つとして同じ杖はない。もちろん、他の魔法使いの杖を使っても、決して自分の杖ほどの力は出せないわけじゃ」
この場でハリーが最初に試したのも、ドラゴンの心臓の琴線を芯にした杖でした。ただし、振る前にオリバンダーの手で取り上げられています[1:5]。
「では、ポッターさん。これをお試しください。ぶなの木にドラゴンの心臓の琴線。二十三センチ、良質でしなりがよい。手に取って、振ってごらんなさい」
芯としての性質
オリバンダー自身の覚書によれば、ドラゴンの心臓の琴線を芯とする杖は、三種の芯材の中でもっとも強い力を持ち、もっとも華やかな呪文を扱えます[2]。習得は他の芯より早く、元の持ち主から勝ち取られた場合には忠誠の相手を変えることもありますが、その時々の持ち主とは強く結びつきます[2:1]。
一方で、三種のうちもっとも闇の魔術に転じやすい芯でもあります。ただしそれは杖自身がそちらへ傾くからではないとされます[2:2]。また、気まぐれなところがあり、三種の中でもっとも事故を起こしやすい芯でもあります[2:3]。
この芯を持つ杖
| 持ち主 | 杖材 | 長さ・性質 |
|---|---|---|
| ハリー・ポッターが最初に試した杖(不採用)[1:6] | ぶな | 二十三センチ、良質でしなりがよい |
| ビクトール・クラム[3] | クマシデ | 二十六センチ、あまり例のない太さ、かなり頑丈 |
| ルシウス・マルフォイ[4] | 楡 | (記述なし) |
| ベラトリックス・レストレンジ[5] | 鬼胡桃 | 三十二センチ、頑固 |
| ピーター・ペティグリュー[5:1] | 栗 | 二十三・五センチ、脆い |
| ハーマイオニー・グレンジャー[6] | (記述なし) | (記述なし) |
| ミネルバ・マクゴナガル[7] | モミ | 24センチ、しなりにくい |
| ドローレス・アンブリッジ[8] | 樺 | 長さ20センチ |
三校対抗試合の杖調べ
三校対抗試合に先立つ杖調べで、オリバンダーはビクトール・クラムの杖を手に取り、その材と芯を言い当てています[3:1]。
「そうじゃな……クマシデにドラゴンの心臓の琴線かな?」翁がクラムに問いかけると、クラムは頷いた。「あまり例のない太さじゃ……かなり頑丈……二十六センチ……エイビス! 鳥よ!」
マルフォイ邸での取り上げ
マルフォイ邸に死喰い人を集めた席で、ヴォルデモートはルシウス・マルフォイに杖を差し出させ、その材と芯を問いただしました[4:1]。
「ドラゴン――ドラゴンの心臓の琴線です」
シェル・コテージでの鑑定
マルフォイ邸から持ち帰った杖を、オリバンダーがシェル・コテージで鑑定します。ベラトリックス・レストレンジの杖はそのうちの一本でした[5:2]。
「鬼胡桃とドラゴンの琴線」オリバンダーが言った。「三十二センチ。頑固。この杖はベラトリックス・レストレンジのものだ」
もう一本はピーター・ペティグリューの杖で、オリバンダーが誘拐されて間もない時期に、強いられて作ったものでした[5:3]。
「栗とドラゴンの琴線。二十三・五センチ。脆い。誘拐されてからまもなく、わしはピーター・ペティグリューのために無理やりこの杖を作らされた。そうじゃとも、君が勝ち取った杖じゃから、ほかの杖よりもよく君の命令を聞き、よい仕事をするじゃろう」
ハーマイオニー・グレンジャーの杖
J.K. ローリングは旧公式サイトの質問コーナーで、ハーマイオニーの杖の芯がドラゴンの心臓の琴線であることを明かしました[6:1]。この出典に公式の日本語訳はありません。
Dragon heartstring, so Harry, Ron and Hermione unite the three Ollivander wand cores (other wandmakers may use different substances, as shown by Fleur’s wand, but Ollivander is widely acknowledged to be the best maker).
(ドラゴンの心臓の琴線です。ですからハリー、ロン、ハーマイオニーの三人で、オリバンダーの三種の杖の芯が揃います。フラーの杖が示すとおり、他の杖作りは別の素材を使うこともありますが、オリバンダーが最良の作り手であることは広く認められています)
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』
- 第5章「ダイアゴン横丁」
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第18章「杖調べ」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第1章「闇の帝王動く」
- 第24章「杖作り」
- ポッターモア J.K.ローリングからの新着コンテンツ「杖の芯」
- J.K. ローリング旧公式サイト F.A.Q.「ハーマイオニーの杖の芯は?」
- Pottermore Presents『エッセイ集ホグワーツ勇気と苦難と危険な道楽』
- Pottermore Presents『ホグワーツ 権力と政治と悪戯好きのポルターガイスト』