防衛呪文

防衛呪文 (defensive spell) は、身を守るために使う呪文や、物や建物を護るためにかけられた呪文を指す言葉です。特定の一つの呪文の名前ではなく、アンブリッジの「闇の魔術に対する防衛術」の授業をめぐる論争[1]神秘部の「武器」にかけられた護り[2]魔法省の部署名[3]など、さまざまな場面でこの言葉が使われます。

基本情報

名前: 防衛呪文 (defensive spell)
分類: 防御・防衛のための呪文の総称
用法: 自衛のために唱える呪文[1:1][4]/物や建物を護るためにかけられた呪文[2:1][5]/魔法省の部署名の一部[3:1]
関連する人物: ハーマイオニー・グレンジャードローレス・アンブリッジアーサー・ウィーズリー

概要

原作の中で「防衛呪文」という言葉は、大きく三つの意味で使われています。

一つ目は、自分の身を守るために唱える呪文です。アンブリッジ先生が担当した「闇の魔術に対する防衛術」では、指導要領に防衛呪文の使用が含まれていないことをめぐって、ハーマイオニーとアンブリッジ先生が対立しました[1:2]。O・W・Lの実技試験でハリーがこなしたのも、この意味での防衛呪文です[4:1]

二つ目は、物や建物を護るためにかけられた呪文です。神秘部の「武器」にかけられていたとハーマイオニーが推理した呪文[2:2]や、不死鳥の騎士団が関係者の家々にかけていた呪文[5:1]がこれにあたります。

三つ目は、魔法省の部署名としての用法です。アーサー・ウィーズリーが局長を務めた「偽の防衛呪文ならびに保護器具の発見ならびに没収局」は、ヴォルデモートの復活後に出回った偽物の防衛呪文や保護器具を取り締まる部署です[3:2]

作中での登場

アンブリッジ先生の授業

アンブリッジ先生の「闇の魔術に対する防衛術」の初回授業で、ハーマイオニーは、指導要領に防衛呪文を使うことが何も書かれていないと指摘しました。アンブリッジ先生は、自分の教室で防衛呪文を使う必要が生じる状況など考えられないと、これを突っぱねています[1:3]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第12章「アンブリッジ先生」

「でも、わかりません」ハーマイオニーはぶっきらぼうに言った。「防衛呪文を使うことに関しては何も書いてありません」(中略)「防衛呪文を使う?」アンブリッジ先生はちょっと笑って言葉を繰り返した。「まあ、まあ、ミス・グレンジャー。このクラスで、あなたが防衛呪文を使う必要があるような状況が起ころうとは、考えられませんけど? まさか、授業中に襲われるなんて思ってはいないでしょう?」

ダンブルドア軍団の結成

ホッグズ・ヘッドで開かれたダンブルドア軍団の結成会合で、アーニー・マクミランは、魔法省が「例のあの人」の復活を認めたくないばかりに、生徒が防衛呪文を使うことを積極的に禁じようとする先生をよこしたことを、集まる理由の一つとして挙げました[6]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第16章「ホッグズ・ヘッドで」

「個人的には、なぜ魔法省があんな役にも立たない先生を我々に押しつけたのか、理解に苦しむ。魔法省が、『例のあの人』が戻ってきたと認めたくないために否定しているのは明らかだ。しかし、我々が防衛呪文を使うことを積極的に禁じようとする先生をよこすとは――」

神秘部の「武器」

神秘部の「武器」を盗み出そうとしたブロデリック・ボードの身に何が起きたのかについて、ハーマイオニーは、誰にも触れられないように、武器そのものかその周辺に防衛呪文がかけられていたのだと推理しています[2:3]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第26章「過去と未来」

「それじゃ、それでボードを殺したのね」やっとフレッドとジョージから目を離し、ハーマイオニーが静かに言った。「武器を盗み出そうとしたとき、何かおかしなことがボードの身に起きたのよ。誰にも触れられないように、武器そのものかその周辺に『防衛呪文』がかけられていたのだと思うわ。

O・W・Lの実技試験

O・W・Lの「闇の魔術に対する防衛術」の実技試験で、ハリーは冷やかに見ているアンブリッジの目の前で、防衛呪文をすべてこなしました[4:2]

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第31章「ふ・く・ろ・う」

玄関ホールへの扉のそばで冷やかに見ているアンブリッジの目の前で、ハリーは逆呪いや防衛呪文をすべてこなした。

ホグワーツの新しい警備策

ルーファス・スクリムジョールが魔法大臣に就任した際の日刊予言者新聞の記事によれば、ホグワーツの新しい安全措置には、防衛呪文と呪い、一連の複雑な反対呪文、そしてホグワーツ校の護衛専任の闇祓い小規模特務部隊が含まれていました[7]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第3章「遺志と意思」

内部情報筋によれば、安全措置には、防衛呪文と呪い、一連の複雑な反対呪文、さらにホグワーツ校の護衛専任の、闇祓い小規模特務部隊などが含まれる。

偽の防衛呪文ならびに保護器具の発見ならびに没収局

ヴォルデモートの復活にともなうパニックに乗じて、「例のあの人」や死喰い人から護るはずの品々があちこちで売られるようになりました。スクリムジョールはこの状況に対応するために新しい局をいくつか設置し、アーサー・ウィーズリーは「偽の防衛呪文ならびに保護器具の発見ならびに没収局」の局長になります[3:3]モリー・ウィーズリーは、この仕事の内容をハリーに次のように説明しました[3:4]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第5章「ヌラーがべっとり」

「そうなの。ルーファス・スクリムジョールが、新しい状況に対応するために、新しい局をいくつか設置してね、アーサーは『偽の防衛呪文ならびに保護器具の発見ならびに没収局』の局長になったのよ。とっても大切な仕事で、いまでは部下が十人いるわ!」(中略)「ええ、あのね、『例のあの人』がらみのパニック状態で、あちこちでおかしな物が売られるようになったの。『例のあの人』や『死喰い人』から護るはずのいろんな物がね。どんな物か想像がつくというものだわ――保護薬と称して実は腫れ草の膿を少し混ぜた肉汁ソースだったり、防衛呪文のはずなのに、実際は両耳が落ちてしまう呪文を教えたり……

この局は、マルフォイ家の家宅捜索を報じる日刊予言者新聞の記事にも登場します。アーサー・ウィーズリーは、チームの行動が秘密の通報に基づくものだったと語りました[8]

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第11章「ハーマイオニーの配慮」

『死喰い人の家での、この二度目の家宅捜索は、何らの成果も上げなかった模様である。〝偽の防衛呪文ならびに保護器具の発見ならびに没収局〟のアーサー・ウィーズリー氏は、自分のチームの行動は、ある秘密の通報に基づいて行ったものであると語った』

騎士団関係者の家々への急襲

結婚式が襲われたのと同時に、ほかの死喰い人たちは、国中の不死鳥の騎士団に関係する家々に侵入しました。ルーピンによれば、死喰い人は騎士団のかけたあらゆる防衛呪文を破り、いったん中に入ると侵入の目的をむき出しにしています[5:2]

『ハリー・ポッターと死の秘宝』第11章「賄賂」

我々がかけたあらゆる死喰い人避けの呪文を、連中は破り去った。そして、いったんその内側に入ると、連中は侵入の目的をむき出しにしたんだ

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第12章「アンブリッジ先生」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第26章「過去と未来」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第5章「ヌラーがべっとり」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第31章「ふ・く・ろ・う」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  5. 『ハリー・ポッターと死の秘宝』第11章「賄賂」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  6. 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第16章「ホッグズ・ヘッドで」 ↩︎

  7. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第3章「遺志と意思」 ↩︎

  8. 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第11章「ハーマイオニーの配慮」 ↩︎