ロゼット
ロゼット (rosette) は、クィディッチの観客が、応援するチームの色を示すために胸につける飾りです。ホグワーツの寮対抗戦では、観客が寮の色のロゼットを身につけて応援します[1][2][3]。1994年のクィディッチ・ワールドカップの会場では、応援するチームの色に光り、選手の名前を叫ぶ魔法仕掛けのロゼットが土産物として売られていました[4]。
概要
ロゼットは、原作のクィディッチの観戦場面にたびたび登場する応援の小道具です。ホグワーツの寮対抗戦では、観客が自分の寮の色のロゼットを胸につけます。グリフィンドールの応援なら真紅で、旗や横断幕とともに観客席を埋めます[1:2]。
クィディッチ・ワールドカップの会場で売られていたロゼットは、ただの飾りではありませんでした。行商人が売る「光るロゼット」は、アイルランドは緑、ブルガリアは赤と応援するチームの色に光り、黄色い声で選手の名前を叫びます[4:3]。
行商人がそこいら中にニョキニョキと「姿現わし」した。超珍品のみやげ物を盆やカートに山と積んでいる。光るロゼット――アイルランドは緑でブルガリアは赤だ――これが黄色い声で選手の名前を叫ぶ。踊る三つ葉のクローバーがビッシリ飾られた緑のとんがり帽子。ほんとうに吠えるライオン柄のブルガリアのスカーフ。打ち振ると国歌を演奏する両国の国旗。ほんとうに飛ぶファイアボルトのミニチュア模型。コレクター用の有名選手の人形は、手に載せると自慢げに手のひらの上を歩き回っていた。
この魔法は永く続くものではなく、時間がたつと弱まっていきます。新学期にホグワーツ特急に乗る日には、まだ選手の名前を叫んではいるものの、弱々しく疲れたかけ声になっていました[5]。
作中での使用
グリフィンドール対スリザリン戦
ハリーが3年生のときのクィディッチ優勝戦、グリフィンドール対スリザリン戦では、観衆の四分の三が真紅のバラ飾りを胸につけ、ライオンを描いた真紅の旗や横断幕を振っていました[1:3]。
怒涛のような歓声の中、選手がピッチに出ていった。観衆の四分の三は真紅のバラ飾りを胸につけて、グリフィンドールのシンボルのライオンを描いた真紅の旗を振るか、「行け! グリフィンドール!」とか「ライオンに優勝杯を!」などと書かれた横断幕を打ち振っている。しかし、スリザリンのゴール・ポストの後ろでは、二百人の観衆が緑のローブを着て、スリザリンの旗に、シンボルの銀色の蛇をきらめかせていた。
グリフィンドールが優勝を決めたあと、肩車されたハリーが見つけたハグリッドは、真紅のバラ飾りをべたべたとつけていました[1:4]。
クィディッチ・ワールドカップ
1994年のクィディッチ・ワールドカップ決勝の会場で、ロン・ウィーズリーは踊るクローバー帽子と大きな緑のロゼットを買いました。それでいながらブルガリアのシーカー、ビクトール・クラムのミニチュア人形も買っており、ミニ・クラムはロンの緑のロゼットを見上げて顔をしかめています[4:4]。テントに戻ると、ビル、チャーリー、ジニーの三人もみな緑のロゼットを着けていました[4:5]。
財布がだいぶ軽くなり、三人はテントに戻った。ビル、チャーリー、ジニーの三人も、みな緑のロゼットを着けていた。ウィーズリーおじさんはアイルランド国旗を持っている。フレッドとジョージは、全財産をはたいてバグマンに渡したので、何もなしだった。
試合中、ハリーの胸の緑のロゼットは、アイルランドのチェイサー三人の名を甲高い声でひっきりなしに呼び続けました[6]。
ハリーもクィディッチについてはいささかの知識があったので、アイルランドのチェイサーたちが飛びきりすばらしいことがわかった。一糸乱れぬ連携プレー。まるで互いの位置関係で互いの考えを読み取っているかのようだった。ハリーの胸の緑のロゼットが、甲高い声でひっきりなしに三人の名を呼んだ。
新学期のホグワーツ特急の車中でも、シェーマス・フィネガンはまだアイルランドの緑のロゼットをつけていました。魔法が消えかけ、「トロイ! マレット! モラン!」と叫ぶ声は弱々しくなっていました[5:1]。
シェーマスはまだアイルランドの緑のロゼットをつけていた。魔法が消えかけているらしく、「トロイ! マレット! モラン!」とまだキーキー叫んではいるが、弱々しく疲れたかけ声になっていた。
ホグワーツに着いた夜、寮の寝室では、シェーマスのベッドの枕元にアイルランドのロゼットがピンで留められていました[7]。
寮対抗戦の応援
その後もホグワーツの寮対抗戦の場面で、ロゼットは応援の定番として描かれます。ハリーが5年生のときのグリフィンドール対スリザリン戦の日、朝食の席で、ハーマイオニー・グレンジャーとジニーは、赤と金色のスカーフと手袋に加えてバラの花飾りを身につけていました[2:1]。
ハーマイオニーとジニーが二人の向かい側に腰掛けた。赤と金色のスカーフ、手袋、バラの花飾りを身につけている。
6年生のときには、罰則のために試合に出られなかったハリーが、ロゼットや帽子を身につけ、旗やスカーフを振りながら競技場へ向かうみんなの流れに背を向けて、地下牢教室へ下りていく場面があります[3:1]。
みんながロゼットや帽子を身につけ、旗やスカーフを振りながら、太陽の下に出ていくというのに、自分だけが大勢の流れに背を向け、石の階段を地下牢教室に下りていくのは耐えがたかった。
飾りの呼び名: 原作日本語版では、『炎のゴブレット』と『謎のプリンス』では「ロゼット」、『アズカバンの囚人』第15章では「バラ飾り」、『不死鳥の騎士団』第19章では「バラの花飾り」と訳されています。原書ではいずれも同じ語です。この記事の見出しには「ロゼット」を採り、引用はそれぞれの訳のままにしています。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
- 第15章「クィディッチ優勝戦」
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第7章「バグマンとクラウチ」
- 第8章「クィディッチ・ワールドカップ」
- 第11章「ホグワーツ特急に乗って」
- 第12章「三大魔法学校対抗試合」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第19章「ライオンと蛇」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第24章「セクタムセンプラ」