狐
狐 (Fox) は、原作に幾度か姿を見せる野生の動物です。ホグワーツでは鶏小屋を荒らす犯人として疑われ[1]、毛皮は襟巻きとして身につけられ[2]、守護霊の呪文が生む銀色の姿としても現れます[3]。
家畜を襲う獣として
ホグワーツでは、鶏小屋の鶏が殺されたとき、狐が犯人として疑われています。雪の日、鶏の死骸をぶら下げて城の廊下を歩いていたハグリッドは、ぶつかってきたハリーに事情をこう説明しました[1:2]。
「殺られたのは今学期になって二羽目だ。狐の仕業か、『吸血お化け』か。そんで、校長先生から鶏小屋の周りに魔法をかけるお許しをもらわにゃ」
狐が生き物を殺した知らせは、『アズカバンの囚人』にもあります。ラベンダー・ブラウンが飼っていたウサギのビンキーが狐に殺されたことを、パーバティ・パチルがクラスに伝えました[4]。
「ラベンダーのウサギのビンキー、狐に殺されちゃったんだって」
狐の毛皮
ネビル・ロングボトムの祖母オーガスタ・ロングボトムの装いには、狐の毛皮が二度添えられます。
最初の言及は、まね妖怪の授業でのことです。世界一怖いものは「スネイプ先生」だと答えたネビルに、ルーピンはスネイプの姿をとったまね妖怪に祖母の服装をまとわせて笑いに変える策を授けようと、いつもの装いを尋ねました[2:2]。
「えーと……いっつもおんなじ帽子。たかーくて、てっぺんにハゲタカの剥製がついてるの。それに、ながーいドレス……たいてい、緑色……それと、ときどき狐の毛皮の襟巻きしてる」
同じ装いは、聖マンゴ魔法疾患傷害病院にネビルを連れて見舞いに現れる場面でも描かれます[5]。
あたりを払う風貌の老魔女は、長い緑のドレスに、虫食いだらけの狐の毛皮を纏い、尖った三角帽子には紛れもなく本物のハゲタカの剥製が載っている。
どちらも身につける毛皮であり、生きた狐が登場する場面ではありません。
スピナーズ・エンドの狐
『謎のプリンス』第2章は、廃工場の煙突がそびえる川辺の情景から始まります。そこに動く唯一の生き物として描かれるのが、食べ物の匂いを嗅ぎ回る痩せた狐でした[6]。
暗い川の囁くような流れのほかには物音もせず、あわよくば丈高の草に埋もれたフィッシュ・アンド・チップスのおこぼれでも嗅ぎ当てたいと、足音を忍ばせて土手を下っていく痩せた狐のほかは、生き物の気配もない。
そこへナルシッサ・マルフォイが姿を現し、続いてベラトリックス・レストレンジが現れます。呼び止める鋭い声に驚いて草むらから飛び出した狐は、緑の閃光に撃たれて絶命しました[6:1]。
鋭い声に驚いて、それまで下草にぴたりと身を伏せていた狐は、隠れ場所から飛び出して土手を駆け上がった。緑の閃光が走った。キャンという鳴き声。狐は川辺に落ち、絶命していた。(中略)「ただの狐か」フードの下で、軽蔑したような女の声がした。
ベラトリックスは骸を爪先で引っくり返し、「闇祓いかと思えば――シシー、お待ち!」と、先を急ぐ妹を呼び止めています[6:2]。姉妹はそのままスピナーズ・エンドへ向かいます。
守護霊の姿として
守護霊の呪文が生み出す銀色の動物のなかにも、狐がいます。ホグワーツの戦いで吸魂鬼の群れに追い詰められたハリーたちのもとへ、三頭の守護霊が飛び込んできました[3:2]。
しかしそのとき、銀の野ウサギが、猪が、そして狐が、ハリー、ロン、ハーマイオニーの頭上を越えて舞い上がった。吸魂鬼は近づく銀色の動物たちの前に後退した。暗闇からやってきた三人が、杖を突き出し、守護霊を出し続けながら、ハリーたちのそばに立った。ルーナ、アーニー、シェーマスだった。
原作は三頭の動物(野ウサギ・猪・狐)と、続いて現れた三人(ルーナ・アーニー・シェーマス)を同じ順で並べています。どの守護霊が誰のものかは名指しされていませんが、この並びからは狐がシェーマス・フィネガンのものと読めます[3:3]。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
- 第11章「決闘クラブ」
- 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
- 第7章「洋箪笥のまね妖怪」
- 第8章「「太った婦人」の逃走」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第23章「隔離病棟のクリスマス」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第2章「スピナーズ・エンド」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第32章「ニワトコの杖」