自動速記羽根ペン
自動速記羽根ペン (Quick-Quotes Quill) は、『日刊予言者新聞』の記者リータ・スキーターが取材に使う黄緑色の羽根ペンです[1]。話し手が口を開くと、持ち主が手を添えていなくても羊皮紙の上を走り書きしていきます。ただし書き取られるのは発言そのままではなく、扇情的に作り変えられた文章です[1:1]。
名前: 自動速記羽根ペン (Quick-Quotes Quill)
持ち主: リータ・スキーター
外見: 黄緑色の長い羽根ペン
用途: 取材の書き取り
特徴: 話し手が話しはじめると自動で書く。発言にない誇張を書き足す
概要
リータはワニ革のハンドバッグから羽根ペンと羊皮紙一巻を取り出し、羽根ペンの先を口に含んでちょっと吸ってから、羊皮紙の上に垂直に立てます。羽根ペンは微かに震えながらも、ペン先でバランスを取って立ちました[1:2]。
取材が始まると、羽根ペンは二人の間で羊皮紙の上をスケートするかのように、ヒュンヒュン音を立てて往ったり来たりします[1:3]。使わないときはワニ革バッグの中にしまわれています[2]。
羽根ペンが書くのは、話し手の言葉ではありません。ハリー・ポッターが最初に見た一文は、傷痕の描写から始まっていました[1:4]。
悲劇の過去の置き土産、醜い傷痕が、ハリーポッターのせっかくのかわいい顔を台無しにしている。その目は――。
ハリーはまだ何も答えていませんでした。両親のことを尋ねられた場面でも、羽根ペンは起きていないことを書きました[1:5]。
自分がほとんど覚えていない両親のことに話題が移ると、驚くほど深い緑の目に涙が溢れた。
ハリーは「僕、目に涙なんかない!」と大声を出しています[1:6]。羽根ペンが話し手の声に反応して独りで書いているのか、リータが書かせたい内容を書かせているのかは、原作では明示されません。発言の直後に書き出す一方で、書かれる内容は発言から離れていきます。
QQQ: 原作日本語版には「自動速記羽根ペンQQQ」と、QQQを付けない「自動速記羽根ペン」の両方の表記があります。この記事の見出しには後者を採りました。
作中での使用
代表選手のインタビュー
三大魔法学校対抗試合の代表選手インタビューで、リータはハリーを箒置き場に連れ込み、蝋燭を宙に浮かせて手元を照らしました[1:7]。
「ハリー、自動速記羽根ペンQQQを使っていいざんしょ? そのほうが、君と自然におしゃべりできるし……」
羽根ペンの試し書きは、リータ自身を売り込む文章になりました[1:8]。
「テスト、テスト……あたくしはリータ・スキーター、『日刊予言者新聞』の記者です」(中略)魅惑のブロンド、リータ・スキーター、四十三歳。その仮借なきペンは多くのでっち上げの名声をペシャンコにした。
リータはこの一行を羊皮紙の上から破り取り、丸めてハンドバッグに押し込んでから、本題のインタビューに入ります[1:9]。取材はアルバス・ダンブルドアが箒置き場の戸を開けたところで終わりました。このとき羽根ペンと羊皮紙は箱の上から忽然と消え、リータは慌ててバッグの留め金を閉めています[1:10]。
もっとも、「杖調べ」の儀式が始まると、リータは部屋の隅に陣取ってまた羊皮紙を膝に広げ、羽根ペンの先を吸って置き直しました[1:11]。
第一の課題のあと
ドラゴンを相手にした第一の課題を終えたハリーが禁じられた森の端を歩いていると、木陰からリータが飛び出してきました。この日のリータは派手な黄緑色のローブを着ており、手に持った羽根ペンがローブの色に完全に隠れていました[3]。ハリーは「ああ、一言あげるよ」「バイバイ」と答えて立ち去ります[3:1]。
ハグリッドについての取材
ルビウス・ハグリッドが半巨人であることを書いた記事をめぐって、ハリーは三本の箒でリータに詰め寄りました。リータはワニ革バッグの留め金を開けて羽根ペンを取り出し、ハリーにハグリッドについてのインタビューを持ちかけます[2:1]。
ハーマイオニー・グレンジャーが立ち上がって抗議し、三人は席を立ちました。出口に近づいたとき、ハリーが振り返ると、羽根ペンはすでに取り出されてテーブルの羊皮紙の上を飛ぶように往ったり来たりしていました[2:2]。
『ザ・クィブラー』のインタビュー
翌年、ハーマイオニーはリータが無登録の動物もどきであることを材料に、ハリーの証言を記事にするよう迫りました。リータは一度は羽根ペンを口元まで持っていきながら、ハーマイオニーの顔を見て「でも、だめだわね」と下ろします[4]。
「でも、だめだわね」リータは羽根ペンを下ろし、険悪な目つきでハーマイオニーを見た。
交渉の末、リータは無報酬で引き受けることになります。再びワニ革ハンドバッグを開けて羊皮紙を取り出し、羽根ペンを構えたときには、その声は少し震えていました[4:1]。ハリーの前に置かれた羊皮紙の上に羽根ペンが立てられ、ザ・クィブラーに載るインタビューが始まります[4:2]。
ダンブルドアの伝記
ダンブルドアの死後、リータは伝記を四週間で書き上げました。その取材手法を問われたリータは、羽根ペンを情報を引き出す道具の一つとして挙げています[5]。
ガリオン金貨のぎっしり詰まった袋、『ノー』という否定の言葉には耳を貸さないこと、それに素敵な鋭い『自動速記羽根ペンQQQ』が一本あれば、情報はザックザク出てくるざんす!
クィディッチ・ワールドカップ決勝
クィディッチ・ワールドカップの2014年決勝では、『日刊予言者新聞』のゴシップ担当記者となったリータが記者席からこの羽根ペンに書き取らせています。隣に座っていた同僚のジニー・ポッターは、羽根ペンが走り書きしている内容が読める距離にいました[6]。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第18章「杖調べ」
- 第20章「第一の課題」
- 第24章「リータ・スキーターの特ダネ」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第25章「追い詰められたコガネムシ」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第2章「追悼」
- ポッターモア
- 「クィディッチ・ワールドカップ決勝実況」